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____________「ん…」 ここはどこだろう。動けないよ。 目の前には無機質なコンクリート壁。 私とその壁の間にはフィルムの様なもの。 (助けを待とうかな……) 私は再び眠りに落ちた。
________「ねぇねぇ、キミ」 呼び掛けられる声で目が覚めた。 まぶたを開けば、フィルム越しに黒い髪のガールが。 「キミ、どうしてこんなところにいるの?」 …自分でも分からず、首をぶんぶんと振る。 「そう…じゃあイカからヒトにもどれる?」 そういえば、と思い手を見る。 ピンク色のゲソが見えた。 全身に力を入れるが、元に戻れない。 「ぼくはジッケンタイのNo.14。キミのなまえはまたこんど」 ……ぼくは、ってことは、 ボーイなのかぁぁ!?
「キミ、なんでスフィアなかにはいってるの?」 …どうやらこのフィルムのようなものはスフィアらしい。 「スフィア…ぼく、あんまりしらない。」 No.14…<ヒヨ>(勝手につけた)の目が悲しげに潤む。 その時、ドゴォン!!と大きな爆発音が聞こえた。 その次に、バタバタと騒がしい足音。 相手は大人で、たくさん居る。 「…キミ、にげるよ!じっとしてて」 ヒヨの瞳が一瞬できりっとした目付きになった。 刹那、フィルム越しの景色が大きく揺らいだ。 ヒヨが走り出したのだった。
コンクリートの床にヒヨのブーツのかかとがぶつかり、 コンコンコン、と軽快な音を立てる。 そのまま後ろからの追跡者を突き放し、 目の前の光に飛び込む。 ヒヨを通じて、私にまでぶわりと宙を浮く感覚が 伝わってくる。 「きをつけて」 ヒヨは私を上に投げた。 がっ、と地面に足をつき、その反動で再び跳ぶ。 そのまま私の入ったスフィアをふんわりと抱いた。 「さあ、いくよ」 …ヒヨと私が歩み出したのは、無機質な工場群だった。
無数にそびえ立つ灰色の煙突の数々、 その全てから濁った色の煙を吐き出している。 「ここは、<カラマリけんきゅうじょ>のある<ガイトウがい>」 ヒヨは少し険しい顔をして言った。 「さっきぬけだしたばしょは<カラマリけんきゅうじょ>」 ヒヨは私の入ったスフィアを抱え、少しだけ走った。 「このさきに、きょうりょくしゃが、きっといる」 ヒヨはまた走った。 空は灰色に曇っていた。
ガチャッ カンカンカンカン …ヒヨは立ち止まると、そこにあった古びた鉄のドアを開け、 中にあった螺旋階段を登り始めた。 ところどころに小さな小窓があり、湿った灰色の光が差し込む。 私は不安だった。喋れないし、何より自由に動けない。 でも、ヒヨが居ることで、いつかはこの状況を打破できると信じた。 コンコン 「すいません、しつれいします」 階段を登りきったようで、フィルム越しにまた鉄のドアが見える。 「……入れー!」 「……どうぞ!」
…扉を開けると、そこは小さな部屋だった。 アイドルであるシオカラーズのポスターやブロマイドがびっしりと 貼り付けてある。オタクの部屋みたい。 「アンタがNo.14?」 「うん、そうです」 「まぁ、そんなに堅くならないでくださいね~」 私は驚いた。 ヒヨと普通に話していたのが、 シオカラーズの次にイカしているアイドル 「テンタクルズ」だったからだ。
「ぼくをたすけてくれますか?」 ヒヨがちょっぴり悲しそうに言った。 ヒメちゃんは着けているネックレスをきゅきゅと磨きながら 「お、いいぞー」 イイダさんもタブレットをタップしながら 「どうしますか?では…ヒヨさん、どういう状況だったのか 教えていただけますか?」 ヒヨは意を決したように唇を結んだ。 ヒヨはどこまで過去を教えてくれるのだろうか。 ヒヨは… … …… ………
ヒヨはポケットから何かを取り出した。 「これがぼくのすべて」 よくよく見ると、それは小さなUSBだった。 「はい、ありがとうございます!」 イイダさんはにっこりと笑いUSBを受け取った。 カチリ。 USBのささる音が部屋に響く。 カタカタ… そして、パソコンのキーを叩く音。 「…これは」 イイダさんの頬にひとつ、汗の粒が光る。 「ん、どうした、イイダ?」 ヒメちゃんも覗き込んだ。 「………ぇ」 …どうやらかなり衝撃的な事実のようだ
「…ボクハダレダ?キガツケバシセツノナカ マイニチマイニチシラナイヤツラニカコマレ ナンカワカラナイソウチツケラレテメイレイ ドオリニウゴカナイトデンリュウヲナガシタ イタイイタイイタイタスケテタスケテナンデ ボクガナニヲシタ?ドンナコトヲシタ?ネエ オシエテホシイソシテカイホウシテホシイヨ ソレダケデボクハジュウブンイマハタイヘン オネガイダカラモウヤメテクダサイオネガイ シマスオネガイシマスオネガイシマスオネ」
「ひでぇ…」 ヒメちゃんの眉間に深くしわが寄る。 「人道的…いや、イカ道的ではない仕打ちを受けてきたのですか…」 イイダさんはさらにパソコンを操作し、データの解析を進めた。 ヒヨはいつの間にかソファーで寝ていた。 …相当疲れていたんだろうなぁ 「……すぐにでも、ここから逃げないと、っ」 イイダが立ち上がり、ロッカーから服を取り、奥の部屋へ消えた。 奥の部屋…あったんだ 「スフィア…逃げるぞ」 ヒメちゃんが低めの声で、小さくそう言った。
「ねむいよー」 「早く早く!」 「待って下さい~」 私たちはコンクリートの静かな工場群の間を走っていった。 ヒメちゃんが先頭を走り、ヒヨの手を引いた。 その後に私を抱えたイイダさんが追いかけていく。 「おい、待てお前ら!」 前方から声がかかった。 スフィア越しでははっきりと分からないが、 白い防護服を着ているのは分かった。 「お前ら、うちの実験台を知らないか?」 明らかにヒヨを探している。 「ここは私に任せて下さい…」 イイダさんは私に小さく、そう言った。
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