2023-08-09

【インタビュー】eスポーツ施設プロデュースの最先端を突き進む『PCCS』代表の望月伸彦氏にインタビュー!ゲームを通して現代日本を変える取り組みとは!?【前編】

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eスポーツ施設プロデュースの最先端を突き進む『株式会社 PCCS』。今回は、第一線でeスポーツ施設をプロデュースし続ける望月伸彦氏にインタビューすることができた。eスポーツ施設をプロデュースし始めた経緯や教育機関での取り組みをインタビューすることができたので、今回はインタビュー記事前編としてみなさんにお届けしていく。

望月伸彦氏の自己紹介

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望月氏:株式会社 PCCSの代表取締役をやっている望月伸彦です。私はゲームをすごくやっていたかというとそんなことはなく、元々他のシステムの仕事をしていて、通信ネットワークサポートを行うために今の会社を作っております。

元々PCCSって、どちらかというとコンシューマー向けの仕事をしていたんですけど、途中からインターネットカフェを手掛け、それからeスポーツの方に早めに舵を切りました。

eスポーツ業界に舵を切った背景

ーーどういう経緯でeスポーツ関係の事業に舵を切ったのでしょうか?

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望月氏:一番のきっかけは、2012年に秋葉原のアイ・カフェAKIBAPLACE店内にオープンした、「Alienware Arena(エイリアンウェアアリーナ)」というゲーミングPCを並べたオープンスペースでした。まだeスポーツって言葉がない時代だったんですけど、ゲームに特化したスペースをPCメーカーのDELLさんと一緒にご提案させていただきました。その際に、今後はこういう時代が来るだろうなっていうのが見えてきたんですね。

その後に、秋葉原の「e-sports square(eスポーツスクエア)」さんのネットワークを弊社で担当させてもらって、いよいよだなと。2017年ぐらいから、インターネットカフェ自体の件数が減っていたので、これからはeスポーツの時代が来るだろうということで、システムを含めて開発を始めた形ですね。

ーーeスポーツが全然浸透してない時代から目を付けられていたとのことなのですが、どうしてeスポーツ施設のプロデュースをしようと思ったのか。その考えに至った経緯を教えていただけますか?

望月氏:元々は技術の会社でして、ネットワークとかパソコンの設定だとか、快適に楽しんでいただくためのネットワークを構築していました。eスポーツ場向けのシステムに関しては、韓国にある「PC房」のシステムを日本バージョンに改造して、2018年の「LFS 池袋」さんにシステム導入させていただきました。それが一つのきっかけにeスポーツ元年になったと思います。その後から、何ヶ所か個人のお客様とか、色々な方がeスポーツ場を開設するのが増えてきました。新しくeスポーツ場を作りたいっていう方は不安だらけだと思うので、私どもの方で出来る限りのアドバイスをしながら、一緒に作り上げていこうというような形を2021年の初めから本格的に取り組んでいます。

eスポーツ施設を作り上げるまでの工程

ーー今までどのくらいの数の施設プロデュースをなさったのでしょうか?

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▲システムプロデュースされたeスポフィールド。

望月氏:導入数とプロデュースって全然違うんですよね。導入数だったら80か所を超えています。施設全体をプロデュースした施設は6、計画からのアドバイスやシステムプロデュースした店舗は40以上です。

ーーeスポーツ施設を作り上げるための過程、クライアントやお客様から依頼をもらって、そこからどのような工程を経て、完成まで持っていくのでしょうか?

望月氏:一番大事なのは、お客様がどういう施設を作りたいのかを聞きながら、今までの経験があるのでお客様と一緒に大まかなコンセプトを作ります。例えば、eスポーツに特化したパソコンが並んだeスポーツ施設を作りたいとか、イベントができるスペースを作りたいとか、配信に力を入れたいとか、カフェと併設したりとか、色々な要望があるんですよ。まずそれをお聞きして、このような形にしましょうって進めます。

コンセプトが決まったら、お客様に立地の候補を挙げていただき弊社のほうで確認しています。家賃とかもこの時に確認して収支計画の目安は出せるので、この立地でこのくらいのお客さんを呼べたらいいのではないかというようなプランを提示させていただきながら、納得したらいよいよスタートさせるっていう形です。そこまでの過程でやめる方も結構いらっしゃいます。

ーーそうなんですね。やめる理由としてはどのようなものがあるんでしょうか?

望月氏:初期費用が大きいので、場所によっては思ったより儲からないなっていうのがあります。店舗を運営するスタッフの課題もあり断念する場合もあります。

ーー個人的にはとんとん拍子で進んでいくのかなと思っていたので驚きました。

望月氏:そんなことはないです(笑)

いざスタートとなると、内装工事の前に私どもで基本的なレイアウト、パソコンを何台ぐらい置くから大体こういう配置にしたらいいんじゃないですか?っていう案を出させていただいだきます。内装設計は弊社ではやっていないので、内装屋さんに工事をしてもらっています。工事の時にシステムがうまく動くように配線とか、弱電周りとか、LANポートとかのアドバイスをさせていただきながら、完成に向かっていく形です。

ーーやはり内装はこだわられる方がいっぱいいると思うのですが、内装やプロデュースで今までで一番大変だったのはどこでしょうか。

望月氏:一番は東京タワーさんの「RED° TOKYO TOWER」ですかね。あそこは大きな施設なので、コンセプトをきっちりしなくちゃいけないし、あと諸々の制約もありましたし、当然予算もあって大変でした(笑)

あとは、近畿大学さんも思い入れがあります。大学さんとして大々的にやるっていうのはなかったので、プロダクトをマネジメントしている会社さんとかなりの打ち合わせをして、イメージと中に入る機材構成とか、学生にアピールできるような施設にしなければならないとか、学校の教室でもありながらイベントもできる施設にしなければならないとか、かなり時間をかけてやりましたね。

ーーその2つを両立させるってかなり難しいような気がして、お話を聞くだけでも相当大変そうだなっていうのが伝わってきます…。

望月氏:そうですね(笑)あとは、結構前になりますけど、大阪の「e-ZONe」さんでは、限られたスペースの中でかなり凝った作りの内装をされていたので、お客さまに快適に楽しんでいただけるパソコン環境や運営システムの構築などやりがいがありました。

ーーお話をお聞きしていて思ったのですが、どの系統の企業からの依頼が多いのでしょうか。

望月氏:2018年に「LFS」ができた後は、個人経営だったり中小企業の家族でやってる企業さんの方がやられたりっていうのが多かったです。ある程度何件か出てきて、地元のちょっと有力な地方の企業さんが先駆けてやりたいっていうことで参入してきました。そして、2020・2021年ぐらいから電力系会社の中部電力さんだとか、九州電力さんの施設が出来始めてから、大きい企業さんの話が出てきましたね。

ーー他にも同じ取り組みをしている企業は結構あると思うんですけども、他社と差別化されている点がありましたら教えていただけますか。

望月氏:eスポーツ施設に特化しているっていうのが大きな違いだと思います。例えば、入退場システムも工夫しておりまして、インターネットカフェとかだと入退場時間を計測して料金を出していると思うんですよ。1時間滞在したら1時間分の料金、3時間滞在したら3時間の料金が発生するみたいな。弊社のシステムの場合は、基本的にパソコンを使った時間だけ課金するシステムになっています。eスポーツ施設の中にどんどん色々な人が入ってきてほしいので、ゲームセンターみたいに楽しんでいただけるように、実際プレイをする時だけ課金するというようなシステムにしてるのが大きな特徴ですね。

あとアップデートがあると順次、私どもの方でアップデートをかけていてお客様、その店舗の方の負担を出来る限り下げるっていうのが、うちのシステムの特徴ですね。

教育機関での取り組みについて

ーー教育機関の取り組みに関しまして、目標等があれば教えていただけますか。

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▲プロデュースされた近畿大学のeスポーツ施設。

望月氏:ちょっと大きい話になるんですけど、私どもの求めているのは大学さんにeスポーツ部ができて、その大学生が入った企業さんもeスポーツ部を持っているっていうのが私どもの一番の希望ですね。eスポーツってまだ遊びの延長で、大学とか専門学校とかに行ってそこで終わり、プロになれるのはごく一部の人みたいな。家に帰ってから社会人の方もeスポーツをやられてる方もいらっしゃるし、社会でもっと認めてもらいたいんですよ。表現が難しいんですけど、格式が欲しいんです。将棋って昔はそこら辺でやってたものが、今では着物を着てやるようになったじゃないですか。あれは格式が高くなっていったわけですよね。eスポーツもあそこまではなれないかもしれないですけど、eスポーツ選手も社会的に憧れる人になってもらいたいですね。

そのためには、大学とかで一生懸命やってもその先がないと、やっぱりダメだと思うんです。企業側も、そういう受け入れ先でeスポーツというものを文化として取り入れていただいて、eスポーツも大学とか教育機関で遊びの延長ではなくて、野球とかサッカーをやってるように社会的に存在感のある、認められるようなものになってもらいたいのが私個人の希望ですね。

ーー自分が高校生だったら是非やりたいですね(笑)そういう競技シーンっていうのにも憧れていましたけど、本当にごく一部だったのでなかなか難しかったんですよね…。こういうお話を聞けて、これから高校生になる人たちは、すごく恵まれてるなって感じました。頑張ってほしいです!

望月氏:大手企業さん、例えば東京メトロさん、南海電鉄さんとか京急さんだとか、そういう電鉄系の会社とか東京大丸百貨店も、eスポーツに参入してきています。そういう大手のところが入ってきているので、これからが楽しみだと思います。

ーーどんどんサポートして、これからの高校生とか子ども達のために夢を、格式を上げていきたいですね!

望月氏:そうですね(笑)親からもeスポーツってゲームの延長だからなんて言われないようにしたいですよね !

ーーあと、公式ホームページに掲載していたと思うんですけど、講師の派遣サービスを行っているのを目にしまして。なぜ派遣を行おうと思ったのか、また地方の学校などに派遣する際はどのように行ってるのか教えていただけますか。

望月氏:イベントの事業だったり、あとストリーマー事業だったり、あと業界の研究だったり、そのような分野の講師はいませんか?っていうのを依頼されたのがきっかけです。私どもも、色々なeスポーツ業界の中で知り合いも多いので、弊社からを声かけてストリーマーの方だとか、色々なチームに所属していた人だとか、そういう人たちに声をかけて講師をしていただいています。あとは、弊社はラジオとかやってるので、ラジオのゲストで来て頂いている方とか、そういう方に声をかけたりもします。

ーーラジオもやられているんですか!?

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望月氏:はい。毎週日曜日の19時から19時30分、東京の「Rainbow Town FM(レインボータウンFM)」で「esports land Radio」っていうのをやっていますね。今はLoLの清川麗奈さんとか、ちょっと前まではZETAにいた新兵えすさんとか、あとは声優e-Sports部とかですね。

ーー様々な取り組みをされていて驚きました!あと、eスポーツ部が増えたり、専門学校が増えてきていると思うんですけど、学校自体を作っちゃおう、みたいな話は出ないんですか?

望月氏:ないですね(笑)そこまではできないです(笑)今、学校から来ているのは多いので、大学さんが新設する学部だとか、eスポーツを取り入れるということで話があって、そこのプロデュース止まりでしょうね(笑)

ーーお話聞いていたら、ぜひ作ってもらいたいなって思っちゃいまして(笑)これからもどんどん大学さんのサポートをしていってください!

望月氏:そうですね。もっともっと増えてほしいって思いますし、多分これからもっと増えると思います。もう来年、再来年の話とかも来てますんで。

ーー今の時代に高校生になりたかったです(笑)

就労支援の取り組みについて

ーー就労支援の取り組みについてご質問したいなと思っていまして。パッと見た時に、こんなところまでやられてるんだって驚きがありました。社会復帰のきっかけを作ると謳われていたので、具体的にどのような取り組みしてるのか教えていただけますか。

望月氏:施設に通われている方や心の病の方は就労支援施設に来ないんですよね。なので、eスポーツができる環境をきっかけに来てもらおうと考えて始まったのが最初です。来ていただいたら、Adobeなどのクリエイティブな仕事をしてもらって、社会復帰に向けて支援していくというような過程ですね。まだまだこれからなので、研究が必要だと思っています。

ーー弊社もゲーマーの地位向上を目指しているので、ぜひ一緒に頑張っていきたい取り組みではありますね。目標とかってあるんでしょうか?

望月氏:最終的には、eスポーツは元々一人でやるものではなくて、コミュニティを作って人との会話や交流っていうのをどんどん増やしていこうっていうのがあります。施設の中でDiscordとかを使いながら対戦とかできればいいですよね。例えば、ニつの施設同士で施設で一緒にできるようにしたいんですよ。チームを作って対戦ができるようになるといいと思うんですよね。実績が上がると、就労支援でも役に立つとかになってくると思うんですよね。

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