ゲーム、映像、音楽、おもちゃなどエンターテインメント分野で幅広く活動しているハピネットで活躍する藤丸昂大氏へインタビューできた。今回はTOKYO GAME SHOW2023(以下TGS)のハピネットブースでの「あおぎり高校」と「みんなで空気読み。」コラボ展開の裏側や今後の取り組みについて聞くことができたので、ぜひみなさんチェックしてみて欲しい。
自己紹介&会社紹介
ーー本日はよろしくお願いします!まず簡単な自己紹介をお願いします。
藤丸昂大氏(以下、藤丸氏):株式会社ハピネット・メディアマーケティングの藤丸昂大です。普段は映像音楽売場で販売するグッズの企画、製造を行っています。権利元様との交渉や営業メンバーとの調整を行いながら「どうしたらファンの方々に喜んでもらえるだろう」と考えながら日々の仕事に打ち込んでいます。
TGSでは「あおぎり高校」×「みんなで空気読み。」コラボレーション展開の担当を致しました。
ーーありがとうございます!ハピネットはどういった会社なのでしょうか。
藤丸氏:ハピネットグループはエンターテインメント総合商社で、玩具や映像音楽商品、ゲームやカプセルトイなど日本国内のエンターテインメント商材を幅広く取り扱う流通会社です。
流通会社ではありますが、玩具の製造販売、映画の配給やパッケージの販売、舞台興行なども行っており「流通」という枠にとらわれず、幅広くエンターテインメント事業を行っています。
読者のみなさんには映画の配給やパッケージの販売でハピネットの名前を知って頂く機会が多いかもしれませんね。
ーーエンターテイメントの流通会社ということで、普段一般の人は中々お目にかかれない業界ですが、本日は改めてよろしくお願いします。
「あおぎり高校」と「みんなで空気読み。」コラボの裏側
ーーTGSでは「あおぎり高校」と「みんなで空気読み。」のコラボ展開やグッズを販売していましたが、どのような経緯でコラボの実施に至ったのでしょうか。
藤丸氏:TGSのハピネットブースでゲームファンに喜んでもらう企画として、弊社よりviviON様とジー・モード様にコラボレーション展開を提案させて頂きました。
元々「あおぎり高校」の運営元であるviviON様とは、音楽パッケージ商品を音楽流通の部門がお取引をさせて頂いており、また「みんなで空気読み。」開発元のジー・モード様はNintendo Switchパッケージ版をゲーム流通の部門がお取引をさせて頂いていました。
2社様ともパッケージメーカーとしてのお取引先様ではありましたが、ハピネットからTGSでのコラボレーション出展の提案をした際には大変驚かれていた様子でしたね。
実はviviON様は「あおぎり高校」初のオリジナル楽曲アルバム「あおぎりキャンパス AOGIRI CAMPUS」の発売を10月に控えており、ジー・モード様は「みんなで空気読み。コロコロコミックVer.」パッケージ版の発売が11月にありましたので、TGSへの出展は両方のプロモーションを兼ねたコラボレーション企画でもありました。
TGSでは特大フォトスポットの展示のほか、物販ブースでのグッズ販売、大代真白さんと山黒音玄さんによる生配信【あおぎり高校と「みんなで空気読み。コロコロVer.」実況でSHOW!~空気読めないのでルビ振っといてもらっていいすか?~】をファンの方々に楽しんでいただくことができました。
「あおぎり高校」「みんなで空気読み。」それぞれのファンの方から大きな反響をいただいて、私としても大変嬉しく思っています!
ーーコラボ展開を行うにあたって、特にこだわった部分を教えていただけますでしょうか。
藤丸氏:今回のコラボ絵柄はメンバーの特徴をとらえた魅力ある表情になるよう、こだわりを持って制作しました。コラボ絵柄はジー・モード様のデザイナー様に描き起こして頂いたのですが、非常に可愛らしく絵柄を作って頂いて大変感謝しています!
絵柄は「あおぎり高校」メンバーの皆さんそれぞれ2パターンの表情を制作しています。エトラさんはメガネをかけていたり、春雨麗女さんはお酒に酔っている表情だったりと、viviON様とも相談を重ねて「あおぎり高校」のファンの皆さんに喜んで頂ける絵柄にできたかなと思っています。
ちなみに現在販売しているアクリルスタンドは、表と裏面で表情が違うリバーシブル仕様になっているので、好きな表情をお部屋に飾っていただきたいですね!
ーーコラボ展開はいつ頃から準備されていたのでしょうか。
藤丸氏:2023年5月から企画をスタートしています。TGSが9月開催なので4カ月以上かけて準備をしています。10月から開催されたマルイ様の「あおぎり高校」5th Anniversary's POP UP SHOPに合わせてコラボ絵柄の追加や新商品の販売を行っていますので、viviON様とジー・モード様とはコラボ関連で半年以上お仕事をご一緒させて頂いています。
ーーコラボレーション企画には長い準備期間が必要なのですね。グッズの製造で苦労した点があれば教えてください。
藤丸氏:先ほど紹介したリバーシブル仕様のアクリルスタンドは、2パターンの絵柄を裏表のアクリルで表現しようとすると、どうしても製造コストが上がってしまいます。一つのアクリルスタンドに2枚のキャラクターを製作しなければならないので、商品のクオリティとコストのバランス調整は苦労しました。皆さんにより良いグッズをお求めやすい価格でお届けしたかったので何回も試作を作りましたね。
実は我部りえるさんと千代浦蝶美さんの2人は、コラボ絵柄の横幅が大きくて1枚のプレートに入らなかったんです。りえるさんは羽が、蝶美さんはツインテールがボリュームが大きくて・・・商品を購入されたらお気づきになるのですが、2人だけ横のサイズが若干他のメンバーと比べて広くなっています。一見地味にも見えるのですが、9名のメンバー全員を横に並べたときに統一感がでるように調整をしています!
ーーコラボ絵柄は多くのファンの方から反響があったと思います。制作でご苦労された点はありますか?
藤丸氏:コラボ絵柄の制作はジー・モードのデザイナー様に制作を頂いています。まずviviON様より「あおぎり高校」メンバーの資料を頂いたのですが、衣装設定などが本当に細かく、「みんなで空気読み。」の世界観に落とし込むのに苦労されたと思います。
設定だけではわからない表情や雰囲気などは実際に配信をチェックした上でイメージを固めていただいたりして、「あおぎり高校」と「みんなで空気読み。」の世界観が上手くミックスされた魅力的な絵柄に仕上がったと思っています!
ーー今回の「あおぎり高校」と「みんなで空気読み。」のコラボ展開で、どの年代や年齢層の方から反響をいただきましたか。分かる範囲内でよいので、教えていただけますか。
藤丸氏:TGSでは若い男性のユーザーに多くお越しいただけましたね。「あおぎり高校」ファンの方々はとても熱心な方が多く「コラボ絵柄が可愛い」「絶妙にゆるくて可愛い」と大変喜んで頂けたと思います。
ーー私が訪れたときもブースが大盛況でしたね。物販ブースのスタッフの皆さんが「あおぎり高校」のTシャツを着ていたのがすごく印象的でした。TGS出展についてご苦労はありましたか?
藤丸氏:今年のTGSではハピネットが物販ブースを初出展したのですが企画、運営をすべて自社の社員で行っています。普通だと専門業者にお願いするであろう運営のマニュアル作りやシフトローテーション、レジのシステムも新しく導入するなど準備はとても大変でした。
当日ブースを運営する弊社社員はTシャツを着て接客を行いました。スタッフの中には50代の男性社員もいましたが、栗駒こまるさんのTシャツを着て接客してもらっています(笑)
TGS前日には「あおぎり高校」のメンバーの皆様にハピネットブースにお越し頂いて、展示パネルにサイン&コメントを頂いています。その際に私が4日間着用するTシャツに、音霊魂子さんに直筆で応援メッセージを入れて頂きました!TGS会期中はメッセージ入りTシャツを4日間着用して物販ブースで接客を行っています(笑)魂子さんが配信で紹介されたこともあり、たくさんのファンの方からお声をかけて頂いて、かなり反響があったのかなと思っています。非常に楽しい体験をさせていただきました!
弊社では普段デスクワークが多く、直接ファンの方々と触れ合うことができる場が少ないので、ファンの方々の熱量を肌で感じることのできるTGS出展は非常に良い経験だったと思います!
今後の展望や目標について
ーー今回の「あおぎり高校」と「空気読み。」のコラボ以外にも、今後VTuberさんとのコラボを実施する予定や、今後ハピネットで実現したいことはありますか?
藤丸氏:VTuberに限らず、エンタメ好きなファンの方に喜んで頂ける企画を日々考えています。エンターテインメント総合商社として、ハピネットならではの強みを活かしたアイデアを実現していきたいですね。
ハピネットではアニメ・ゲームに限らず玩具、音楽、カプセルトイなど幅広くエンターテインメント商品を取り扱いしていますので、これからもハピネットの活動領域はますます広がっていくと思います。
ーー今回のコラボで様々なノウハウを得られたと思うのですが、今後それを活かして次に挑戦したいことがありましたら教えてください。
藤丸氏:「あおぎり高校」×「みんなで空気読み。」のように、ファンの皆さんが「なんで?!」と思われるような企画を考えていきたいですね。エンターテインメントの可能性は無限大ですので、人々を驚かせることを考えていきたいです。
最後に読者とあおぎり高校&ジー・モードに向けて
ーー最後に記事を読んでいただいた読者の方々に一言お願いします。
藤丸氏:ハピネットという会社はエンターテインメント総合商社として中間流通が主な事業ですので、あまり耳にする機会が少ないのかなと思いますが、実はエンターテインメントの様々な分野で活動をしている会社です。今回のコラボレーションをはじめ、様々な場面で皆さんに喜んで頂く事業を行っていきますので、これからもご期待ください!
ーーお忙しい中、ありがとうございました!
あおぎり高校からのメッセージ
ハピネットよりコラボ打診があった際の印象
『みんなで空気読み。』様とのコラボ話をいただいた際、親和性が高いと純粋に感じました。
あおぎりメンバーも、こぞって何度か配信にて使用させていただいており、良くも悪くもゲーム性が、あおぎり高校の掲げている「おもしろければ、何でもあり」というキャッチコピーと非常にマッチしている印象でした。
今後もこういった(ある種尖った)メーカー様とのコラボは大事にしていきたいと思います。
コラボ絵柄に対しての感想
非常に可愛いと感じました。『みんなで空気読み。』様の世界観を出しつつ、あおぎり高校の雰囲気を踏襲していて、文字通り「空気を読んでくれたな」という印象でした。
メンバー達が非常に気に入って、いつもより多めにグッズのサンプルをせがまれたのもいい思い出です。
東京ゲームショウでのハピネットの展開の感想
正直こんないい場所での展示(フォトスポット)をいただいてもいいのかと、恐縮した思い出があります。
パブリックデイでは、ファンがこぞって写真を撮ってくれている姿が、印象的でした。(上から見てました。すみません。)
そんな中、ステージまで出演依頼もいただき、あおぎり高校として、ワンランク上がったなと、確信しました。
来年はハピネット様のステージをあおぎり高校がジャックするとか、しないとか…。
ご提案お待ちしております。
ジー・モードからのメッセージ
ハピネットよりコラボ打診があった際の印象
あおぎり高校様とのコラボのお話をハピネット様よりいただいた時、開発しているメーカーとしてはベタですがとても嬉しかったです!
『みんなで空気読み。』は、VTuberさんやゲーム実況者さんによるゲーム配信のお陰で皆様に認知されているタイトルなので、その配信側の方々と一緒に面白いことができるのは、ジー・モードが一番望んでいることなんです。
コラボ絵柄に対しての感想
実は、コラボの展開が決まってからイラスト納品(魂子さん、真白さん、こまるさん)までに実質1ヶ月を切っていたので、デザイナーのスケジュール調整が一番大変でした(笑)(理由:TGSのハピネット様ブースに出展した『みんなで空気読み。コロコロコミックVer.』の開発進行とモロ被りだったため)
コラボイラストは「『空気読み。』ぽさを出しつつ、とっても可愛くできた!」とジー・モード側では自負していますが、あおぎり高校ファンの皆様の感想も聞きたいなと思っています。
余談ですが、開発ディレクターによると「りえるさんのイラストは、『空気読み。』史上で一番細かいディティールかも!」とのことなのでぜひ注目してください。
東京ゲームショウでのハピネットの展開の感想
「みんなで空気読み。コロコロコミックVer.」をステージで真白さん、音玄さんにプレイしていただいたのですが、それが面白かったので印象に残っています(今でも「ハピネットゲームフェス! in TGS2023 特設サイト」で見れるので是非見て欲しいです)
あと、ブース内のあおぎり高校エリアにあった、コラボビジュアルのスタンドポップですが、よく使われる「等身大パネル」よりも小ぶりでとても可愛いなと感じました。ジー・モードも「お前」のスタンドポップを持っているのですが、次はあのサイズで作ろうかなと・・・
ハピネットの概要
あおぎり高校の概要
ジー・モードの概要
© Happinet
© 2023 viviON, inc
© G-MODE Corporation
[取材協力]Happinet / viviON / G-MODE
(編集・執筆/ゲーム山本/T_T)