☆Eエンドの解放条件(ネタバレ注意)
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ニーアレプリカント(リメイク/PS4)のEエンドの考察記事です。
※こちらの記事はEエンドに関するネタバレ情報も含んで掲載しています。ネタバレが見たくないという方は他の記事をご覧ください。 →2021/7/15日考察の追記をしました |
目次
PS3版レプリカントにはA~Dまでの4つのエンディングがゲームで楽しめますが、設定資料集にはディレクターであるヨコオタロウ氏の描き下ろしSS「失ワレタ世界」というものがあります。これが、通称Eエンドと呼ばれているものです。
リメイク版ではEエンドは新しいエンディングとしてゲーム内に追加されています。Dエンド後、新しいデータを進めることで見れるようになるのでぜひクリアして見ておきましょう。
本稿ではEエンドに関する考察をしていきますが、Eエンドの内容を知っている前提、わかっている前提で話を進めていきます。ゲーム内のネタバレはもちろん、設定資料集を読まなければわからないこともあるのに加えてオートマタを絡めた話もするので、その点も含めてネタバレ注意です。
また、設定なども複雑ですが、作中では敢えて明かされていない部分も多くあります。しかし、その点は意図してやっているそうなので、細かい設定を知りたい場合は、ぜひ設定資料集を購入してみてください。
ゲーム内でEエンドが楽しめたので、ゲーム中のみでわかる範囲でざっくりした内容をまとめておきます。まず話の大筋としては、カイネが”ニーア”を取り戻すお話です。失ワレタ世界よろしく失われた記憶に苛まれていたカイネは、見事最後記憶を取り戻すのでした。
神話の森にあった神樹がこの世界の事象を記録していたユニットでした。ということが最初に語られます。記録といえばアコールが思い浮かびますが、本作ではヨナの日記と黒い日記に意味深に(黒い日記はアコール社)だけなので細かくはまだわかりません。ともあれEエンドではそのように記憶を保存していた神樹からニーアを取り戻す、という流れですね。
Eエンドの最後ではニーアが少年の姿のまま復活することになっています。この点に関しては設定資料集内でも明確に答えがでていますが、最初に「神話の森」に訪れた状態でニーアの姿が再生されたからです。
Eエンドにつながるような内容で「八十日間世界一周」というSSがあります。どのエンド後かは不明ですが、ニーアのことを明確に覚えています。ただし内容は「失ワレタ世界」に繋がるような形となっており、あるいはエミールはニーアの記憶を失っていない可能性があると思います。
なぜ失っていないのか。そもそもDエンドの復活自体ほとんど情報がないので考察というよりかは推測になってしまいますが、ゲシュタルトのデータをコピーすることで生まれるのがレプリカントだとすれば、ニーア自身の全存在をかけてコピーされたのがカイネなのかもしれません。
例えばカイネはテュランの力は失ったものの、筋力はなくなっていません。それは、ニーア自身の記憶、つまりカイネの化け物じみた膂力が記憶にあるからといえるかもしれません。魔法が使えなくなってしまったのは、すでにテュランが取り憑いていないからで、流石にそこは記憶の復元といえど無理だった、ということでしょう。
ともあれニーアは自身の存在をカイネに作り変え、またテュランの記憶もそこに加わったかもしれません。ニーアとテュラン、レプリカントとゲシュタルトによる全力をもってカイネを復活させたことで、ゲシュタルトとレプリカントの世界からニーアのデータが消去された、と考えることも可能ではないでしょうか。特にテュランのデータがあるというのは、カイネの苦悩も業も嬉しさも全て知っている存在です。
さて、そこでエミールの存在ですが、彼はある意味で唯一の人間であり、ゲシュタルトやレプリカントの世界からは遠く隔たっています。エミールは文字通り全く別の次元に存在しており、ニーアという存在の消滅をそもそも知覚できなかった可能性があります。そのため、エミールはニーアのことを忘れることなく記憶したままだったのではないでしょうか。
以上の考察は設定資料集のみを読んで書いたものでしたが、ゲーム中ではエミールは記憶していませんでしたね。ということは、上述した「八十日間世界一周」はEエンドにはつながらない、言い換えればDエンド後の世界ではない、ということでしょう。
とはいえエミールが腕を4本はやして登場したことを考えれば、やはり同じような道程をたどってきたのは間違いないです。が、それ以外のことに関しては考察がまるっきり外れてしまったのでなんともいえなくなってしまいました。
次にニーアたちの今後について考えて見たいと思います。少年の姿のまま復活したのはいいとして、問題はその時の記憶の状態で再生された、ということです。ニーアの記憶にもし破綻がないとすれば、彼の脳裏には幼いヨナの姿や少年エミールの姿が刻まれているはずです。
ヨナはどのエンディングでもそう遠くないうちに死んでしまうことが確定しています。「失ワレタ世界」では3年もの時が経過しているので、ヨナはこの世に存在していないでしょう。もちろん、デボルとポポルもいません。
ドラマCDの内容も絡めて考えれば、カイネはますます居場所も少なくなっている気もします。それに、カイネがニーアと思しき者に手を伸ばしたときにニーアがカイネを制止していたような言葉も気になります。レプリカントシステムをリセットしようとしていたプログラムがニーアの記憶を形作り、壊されまいとニーアを利用した可能性もありますが、不穏な香りが漂います。
しかし、それでもエミールにとってはかけがえのない記憶になっているようなので、絶望に塗れた世界でも必死に生きた、というふうに筆者自身は捉えようと思います。
以降にゲーム版Eエンドを見た後の追記というスタイルで書いていきたいと思います。まず、DOD3の音ゲーを知っている人からすれば、最後の花はやや不穏に見えると思います。とはいえあれは素直に月の花モチーフと一旦捉えておいても問題ないというのが筆者の立場です。もちろんウタウタイと関係している可能性も否定できませんし、そもそもなぜあのように大きな花が咲いたのか理由もわかりませんのでなんとも言えませんが、願いがかなったモチーフとしての花という認識で現状はいいと考えています。資料集でも月の涙のような、と形容されていたのに加えて、月の涙と花の関係性はないと言っていたようなので。
カイネが神話の森の奥に向かうと、どこか既視感のある景色が。そう、白で染められた世界です。オートマタを既プレイの方にはお馴染みでしょう。ともあれ関係性ともっともらしい見出しをつけてみたはいいものの、現状ではほぼ手がかりがないのでかなり推測・妄想まじりになった論をこれから展開していきたいと思います。
今回気になったのは、白い世界ともう一つ、ブラックボックスです。カイネが記憶の世界に飛び込む前は白い箱でした。この白い箱、というのもオートマタをどこか彷彿とさせますが、ブラックボックスも同様にオートマタを想起させられます。このブラックボックスというのは細かい設定は抜きにしますが機械生命体のパーツを流用しているものでしたね。
カイネの記憶の世界はどこかハッキングされたような世界に見えます(オートマタではシューティングゲームでしたが)。ただ、レプリカントたちはデボル&ポポルのような管理者によって試験管で作られているらしいので、あれはカイネの記憶の世界ではあるものの、神樹に保管されていた基幹フレームの中のカイネ用に割り当てられていた部分、というのが最もらしい解釈でしょうか。
ブラックボックスの話に戻りますが、ではその中にブラックボックスがあった意味とはなんなのでしょう。もちろんたまたま黒い色をしていただけなのも否めませんし、こういったのはしばしば受け手側が解釈の幅を拾えてしまうのが世の常です。が、そうしてしまうと話が終わってしまうので、お付き合いいただければと思います。
あの世界に於いてブラックボックスであったのはカイネの奥底にあった記憶と、そしてマモノ、つまりゲシュタルト体の肉体を構成していたものです。魔法もそうかもしれませんが、一旦横においておきます。そもそも魔法自体かなり特殊なもので、本来レプリカントには扱えないものでもあるからです。さて、奥底の記憶とゲシュタルトの肉体を構成しているブラックボックスは、ただ演出のために一緒であっただけでしょうか?
もちろんその可能性も大いにあるのですが、このまま話を進めていきたいと思います。仮に意図して同じブラックボックスであるとして、オートマタでは機械生命体とヨルハ機体のコアに当たる部分がそれでした。そして機械生命体にしろヨルハ機体にしろ自我を持っています。特に機械生命体に関してはまるでレプリカントの歴史のようです。突如として自我に芽生えたもののように。
ここから導き出せる答えの一つが、機械生命体とレプリカントは実は同じ様に作られていたものではないか、というものではないでしょうか。そして、コア部分に当たるブラックボックスはゲシュタルトたちのデータが入っているのではないでしょうか。そうであれば機械生命体が人間に執着した理由も自我が芽生えた理由も腑に落ちるようです。
ただしこれもヨルハ部隊を考えると雲行きが怪しくなります。というのも、ヨルハたちは敵由来のテクノロジーを使っていたので廃棄予定だったと言われてしまっています。この敵由来のテクノロジーというのが厄介で、仮にゲシュタルトのデータが入っているのだとすれば敵由来というような強い表現は使われないと思われます。
このヨルハ部隊を無理やり解釈するとすれば、世界は”レプリカント”の可能性を認めたのかもしれません。神話の森での双子(資料集では男の子)はカイネにレプリカントの次元を越えた何かを見出していました。彼らが情報統合体であるとすれば、そのデータは他の管理区域へも伝達されているでしょう。
もはや人類が記号にしかならなくなった世界で、本当に力を持っているのは魔素の制約を受けずに活動可能なレプリカントと情報統合体のような機械たちです。つまり、ここにこそ忌まわしきものと、旧世代の人間であったものの残骸がブラックボックスという風になるのかもしれません。
レプリカント、つまりカイネはブラックボックスを破壊することに成功しました。ゲシュタルトのデータからの解放です。そして、あれが世界だとすれば、レプリカント世界からブラックボックスはなくなったのかもしれません。しかし、機械生命体が自我を獲得するまでに恐らくそのデータは必要だった。また、手っ取り早く人間を模倣させるにはいいのでヨルハにも転用されていた。と考えてみれば多少無理矢理感は否めないもののつながりが見えてくるようなきがしてきました。
ヨルハたちの服の色、黒にも意味があるようなので、ブラックボックスも意図して出していることはほぼ間違いないような気がしています。他にもブラックボックスには魔素があって、とも考えられますが、なかなかまとまりそうにないので一旦ここまでにしておきます。また、突飛な考えにお付き合いただきありがとうございました。
最後に出てきた双子の目的とはなんだったのでしょうか。正直わかりませんが、見た感じではカイネ、というよりかはレプリカントの可能性を試そうとしていたように見えます。そういったセリフも多々出てきますし、敢えて強化したフック(カイネの悪夢)を出したことも試しているのだと断言してもよいでしょう。
ちなみにここでいう目的というのは、双子もとい「失ワレタ世界」の管理人はレプリカントシステムの凍結を目的としていたプログラムでした。しかし、高度な頭脳を持ってしまい、魔素の扱いにも長けてまるで神のように(自称)振る舞える自身の存在に疑問を感じ、全てを滅ぼそうとしました。この線でいくとカイネを試すというのはお遊びにほかならず、本気で壊そうと思えばいつでも壊せたのでしょう。しかし、手痛いしっぺ返しを、とはい嬉しそうにも思えますが、食らってしまうこととなりました。
さて、カイネを試すお遊びに関しては最後の「これがレプリカントの可能性」というセリフも、やはりそういったことを示唆しているように思えます。では、レプリカントの可能性で一体何を試したかったのでしょうか。わかりませんが、資料集の物語の方では彼らはどこか退屈していたように窺えます。そこにカイネという特異点が乗り込んできたのだからついつい盛り上がってしまったのかもしれません。結果としてカイネは彼らの予想を大きく超えることとなります。
そして可能性の未来、カイネが思い描いていた可能性と、現実の時間が交錯していったのです。ここでいう可能性の未来というのは敢えてここで詳しく述べる必要はないでしょう。おそらくこの文章を読んでいる人はその結末を知っているはずですから。
ニーアを取り戻そうとしたとき、ニーアはカイネを止めます。だめだ、戻ってきてはいけないと。この言葉が指すところの意味とはなんなのでしょうか。
明確なこれだ!という答えは正直なところピンときてはいないのですが、ラストカイネとエミールが話している場面を見てみると、ニーアを取り戻すということはつまり記憶を取り戻すことになります。そしてその記憶というのは、紛れもなく”人類”を私たちが絶滅させたのだという記憶。
ニーアはそれをすべて背負って存在ごと消えたのでしょう。事実カイネはマモノがどのようなことを考えていたのかをすっかり忘れてしまっています。だからこそ、戻って罪悪感のようなものを引き受けてほしくない、と考えたのかもしれません。しかしカイネたちはそれを拒んでニーアを取り戻します。
思えばニーアのキャッチコピーは「一人のために、全てを滅ぼせ」でした。これはヨナを指していたことは間違いありません。そしてニーアが世界を滅ぼしたこともまた事実です。しかし、なにもニーアだけが世界を滅ぼしたわけではないのです。傍らには仲間であったカイネとエミールの姿がありました。そして、カイネとエミールにとってニーアはかけがえのない人なのです。
だから彼女たちは無意味であった過去、間違いであったかもしれない過去、そして終わってしまう世界でも後戻りしないという強い意思を持ったのです。「大切な人がいる、世界だから。」
先日発売されたVer1.22の設定資料集を読みました。当初、双子の目的はファンサービスであったり、Eエンドラストの花は演出的なものだと考えていましたが、ヨコオ氏曰くどうやら意味があるそうです。とはいえ、細かく説明していただけるという場ではなかったので、どういう目的があったのかを軽く考えてみたいと思います。
最初に花についてですが、花はもうわかりません。ただ、上述したように月の涙とは関係ないと改めて明言されていました。するとやはりDOD3がすぐに思い浮かぶところではありますが、それ以外の線としてニーアがEエンド中に生まれた
と考えれば、そういえば小説内の表現は雄しべだったなという妄想くらいはできるでしょうか。
可能性の未来がヨルハ?
次に双子の声優の意味を考えてみたいと思います。声を当てていた方は、周知の通り2Bと9Sを演じられていた石川由依さんと花江夏樹さんでしたね。さて、ヨコオ氏の言葉に則って2Bと9Sと同じ声だった意味を考えてみたいと思います。
「失ワレタ世界」では管理人は魔素を操り、そして賢すぎるがゆえにすべてを壊そうと考えます。実際それに見合っただけの力は持っており、カイネを終始圧倒しました。
しかし、そんなすべてが手のひらの上で踊らせることができるような管理人も、カイネとエミールの想定外の強さに追い込まれます。恐らくそれでも壊そうと思えばいつでも壊せたのでしょうが、最終的に、自分が本来の世界だといった先の世界をカイネによって見せられることとなりました。
そして、そのような行動をしたレプリカント、カイネに対して管理人は未来を見たのではないでしょうか。人間=ゲシュタルトによって作られたという意味では管理人とレプリカントは同じ立ち位置にいます。ただ、管理人はその圧倒的な力のせいで自らの存在意義を見失ってしまいました。
その前に圧倒的弱者であるはずのカイネが想定を遥かに上回る動きを見せ、最終的に管理人が知らなかったような境界の世界すら見せられました。ところで資料集には崩壊体になるのは作為的なプログラムだったという年表でのコメントがあります。曰く、レプリカントこそが世界を統治すべきと考えており、そうしたプログラムを埋め込んだのではとの疑惑があります。
管理人がゲシュタルトプログラムを作成した人物と同様な考えにまで至ったと考えるなら、後のオートマタの世界でのヨルハたちはまさにレプリカントです。思えば機械生命体のコアは植物に似ているとのことでした。そして「失ワレタ世界」ではカイネは機械と人と植物が魔法によって新たに結合されたレイヤーにまでたどり着き、その先に魔法と現実の境界がなくなった世界へと足を踏み入れることとなります。
とここまで考えてみると、機械生命体はエイリアンによって作られたという話ではあるものの、巨大樹の管理人によって作られたというのが最もらしく考えられます。そして、ヨルハ部隊も通常のAIではなく機械生命体のコアを流用して作られた存在でした。巨大樹の管理人が作った機械生命体のコアを同じくしているヨルハ部隊なので、声優が同じということだと筆者は考えようと思います。(通常アンドロイド個体のAIはどうなんだということに関してはまだ考えがまとまっていません)
ところで一つ思いついたことがあります。「失ワレタ世界」では魔法と現実の境界がなくなる、Eエンドでは「可能性の未来と、現実の時間が交錯している」と、巨大樹の管理者が消えるときに喋っていました。そして、カイネがニーアを取り戻すシーンでは、ニーアが意味深に「戻っ……いけな……」と喋ります。
正確に言葉を補足するということはできませんが、ニーアがいた世界が境界のない世界であり、未来と現実が交錯しているような世界だとすれば、多元世界の狭間の世界だと考えられるかもしれません。そしてこの世界においては魔素も時間も関係ない、安定した世界と捉えれば、「戻っ……いけな……」というのは崩壊体よろしく、崩壊が宿命づけられた世界に戻ることを指していると捉えるべきでしょう。
そもそも管理者が言っている未来というのも可能性
の未来で、例えば「NieR Re[in]carnation」で実装された異分岐のニーアやカイネたちが、つまり可能性として、あり得たかもしれない未来ということではないでしょうか。
双子の管理者たちが可能性をレプリカントにこそ感じたのだとすれば、あの世界のブラックボックスもやはりオートマタとの連関があるのではないかと勘ぐってしまいます。ただし忘れてはならないのは、カイネは、レプリカントはEエンドにおいては単独で可能性を示すことはできませんでした。そこには白の書というゲシュタルトの手助けがあったのです。
「失ワレタ世界」においてはEエンドのように戦闘を手助けしてくれるようなことはありませんでしたが、ニーアを取り戻す時に背中を押してくれたのが白の書でした。ここで「失ワレタ世界」という言葉を一歩踏み込んで考えてみると、境界の失ワレタ世界、レプリカントとゲシュタルトの区別のない世界こそが人類にとって「失ワレタ世界」なのだ、ということなのかもしれません。
新要素と変更点 | 限定版/通常版の違い |
DLCコンテンツ | 操作方法 |
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eエンドの考察(ネタバレ注意)【リメイク/PS4】
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サ終したリンカネでEエンドの裏側が明かされてました