バンダイナムコグループが進める大型SFプロジェクトの一つ『SYNDUALITY Echo of Ada(シンデュアリティ エコーオブエイダ)』を、TGSでの一般試遊に先駆けて体験版を先行プレイさせていただくことができた。他プレイヤーやエネミーの交錯する白熱のサバイバルを体験してきたので、その模様をお届けする。
ヒトとAIの紡ぐ大規模SFプロジェクト
『SYNDUALITY Echo of Ada』は、バンダイナムコエンターテインメントが開発を進めているサードパーソン・シューターゲームで、バンダイナムコフィルムワークスやBANDAI SPIRITSといったバンダイナムコグループが共同で進めている大型SFプロジェクト『Project SYN』のうちの一つ。
これらはヒトとAI(人工知能)との”すれちがい”をテーマにしており、すでにゲームに先駆けてアニメ版の『SYNDUALITY noir』が各所放送局とディズニープラスから配信されているので、本記事をご覧になっている方にはそちらを見ている人も多いだろう。
さて、この『SYNDUALITY Echo of Ada』は9月21日から行われる東京ゲームショウへの出展を予定しており、今回ゲームエイトでは一足先にその体験版をプレイすることができた。他プレイヤーやエネミーの交錯する白熱のサバイバルを体験してきたので、その模様をお届けする。
さまざまな思惑が渦巻くPvPvE
サバイバル
『SYNDUALITY』は西暦2200年代の未来を描いたSF作品で、21世紀末に発生した猛毒の雨”新月の涙”によって人類のほとんどが死に絶えたポスト・アポカリプスの世界を舞台としている。アニメ履修者向けに一言付け加えておくと、ゲーム版の舞台はアニメ版の20年前で、ちょうど地下都市国家「アメイジア」が崩壊して間もないタイミングだ。
プレイヤーは”クレイドルコフィン”と呼ばれる一人乗りの小型メカに乗り込み、荒れ果てた地上に発生したエネルギー結晶体”AO結晶”を採掘する、若き”ドリフター”の一人だ。旧文明が滅んだあとの世界であるため、フィールドにもそうした廃墟がいたるところに存在している。
本作について大雑把にまとめると、メカに乗ってフィールドを探索し、資源を見つけて回収することを目指すPvPvEのサバイバルゲームだ。ゲームが始まるとプレイヤーは地上に送り出され、エネミーの襲撃に気を配りつつ、マップ上に点在するAO結晶
を採掘したり、同じく各所に散らばっているコンテナ等から武装やアイテムを探し、それを帰還ポイントのエレベーター地点まで持ち帰ることが目的になる。
たいへん大事なことなので繰り返して言うと、「持ち帰る」ことが目的であり、クレイドルが大破すると回収していた資源はおろか、機乗機体そのものまでロストしてしまうそうで、被撃破時のペナルティは重い。そのため最後までまったく気が抜けないのだ。
また、PvPvEを謳う通り、フィールドには”エンダーズ”と呼ばれるNPCエネミーだけでなく、他プレイヤーが乗ったクレイドルも複数登場する。資源の回収は必ずしも採掘からでなくとも良いため、場合によっては他のプレイヤーが資源を奪おうと襲ってくることもあるのだ。一人で出撃するゲームではあるが、今回筆者は同僚ライターと一緒に試遊させてもらった際、そいつが動くものは全部撃つネアンデルタール人みたいなタイプだったせいで、危うくリアルファイトに発展するところだった。
……とまあ冗談はさておき、もちろん出会うプレイヤーが全て敵、というわけではない。ゲームには簡易チャットツールなども備わっており、コミュニケーションをとって共存を図ることもできる。フィールドには強力なエネミーもいるため、共闘したほうが両者の利益になる場合もある。なんといってもこのゲームの目的は「資源を持ち帰る」ことであり、危険も大きいプレイヤー同士の戦いは、避けられるなら避けた方がいい。
プレイヤー機を撃破すると確かに多くの物資が入手できる可能性はあるものの、それはあくまで「多くの資源を得る」という目的に対する選択肢の一つであって、それ自体がメインの目的ではないのだ。
▲プレイヤーキルをすると、協会からの評判が下がったりする。
重量感あふれるメカの活躍するシューターアクション
ゲームのプレイ感としては、スタイリッシュに空を飛び回りながらバンバン敵を撃ち落としていくロボットアクション!ではなく、ずんぐりとしたコフィンのデザインがイメージさせるような、地に足の付いた戦いのスタイルになっている。戦闘では遮蔽物などの地形効果をうまく活かす必要もあり、バトロワ系シューターみたいなものに近い。
体験版ではいくつかの種類の機体を選ぶことが可能で、それぞれ初期武装や運動性能などに違いもあるものの、いずれもジャンプ力は低め。スラスターをブーストさせれば地上での移動速度は高いものの、空を飛ぶことはできず、高いところから落ちるとしっかりダメージを受ける。
とはいえ重量感のあるクレイドルコフィンのメカメカしさはめっちゃいい感じ(語彙不足)で、さすがはガンダム等での実績を持つ形部一平氏によるメカニックデザインといったところだ。光武とかボトムズみたいなタイプのメカが好きな人ならきっと好みに合うはずだ。
戦闘では基本的に射撃武器で行い、2種類までの武装を瞬時に切り替えて使用できる。一応近接攻撃もできるが、今回試遊できた範囲では格闘戦に特化した機動武勇伝タイプのクレイドルがいるわけではなさそうで、格闘戦は最後の手段というイメージだ。
武装としてはアサルトライフルやサブマシンガンタイプの近〜中距離での戦闘に向いたものから、遠距離狙撃が可能なスナイパーライフル、近距離では圧倒的な火力を誇るショットガンタイプのものなどが確認できた。ざっくり所感だと、対人ではアウトレンジからの先制攻撃が可能なライフル、対エネミー(エンダーズ)では当てやすく威力の大きいショットガンが便利、という印象だ。
パートナー”メイガス”と「一緒に生きて帰る」ことを目指す
さて、アニメ視聴者にとっては周知のごとく、『SYNDUALITY』に登場する「機械」はクレイドルだけではない。それがプレイヤーと心を合わせ、戦闘全般をサポートしてくれる心強い味方であるAI(人工知能)の”メイガス”だ。
実際に、敵の出現や資源の発見、天候などの状況変化について常に報告をくれる彼女たちの存在は、ゲーム中では非常に頼りになった。ともすると見落としやすいものを都度音声できちんと説明してくれるため、状況把握がしやすいのだ。
特に敵の情報については、対象を発見した・対象から発見された、攻撃が当たった・撃破した、といった報告から、遠方からかすかにクレイドルの駆動音が聞こえる…といった本当に気づきづらいことまで細かく教えてくれるため、報告をしっかり聞いておくことが生存に直結するようにもなっている。
そして何より(ある意味で一番大事なことだが)、彼女たちがいることで一人の探索でも寂しさを感じない。『Project SYN』が謳っているように、『SYNDUALITY』は「人と人、ヒトとAI(人工知能)、AIとAIの人生模様」がテーマになっており、彼女たちの存在によって、自分は独りで探索しているわけではない、ということを強く感じさせてくれるのだ。
また筆者がプレイしていて強く感じたのが、「一緒に戦ってくれている自分のメイガスを守らなくては!」という感情だ。先に述べた通り、このゲームでは機体ロストによるデメリットが重めで、撃破されてしまうと回収したアイテムだけではなく搭乗機体までロスト扱いになってしまう。
そしてそれはメイガスについても例外ではなく、撃破時には緊急脱出コマンドが存在しているものの、脱出に失敗するとメイガスさえも他プレイヤーに回収されてしまうこともあるのだ。
一応メイガスについては完全ロストとはなるわけではなく、しばらく行方不明になったり収容した他プレイヤーにお金を払うような形で回収可能らしいのだが、ゲームをプレイしていれば、自分の大切なパートナーをそんなそんな目にあわせてたまるか!という気分がふつふつと湧いてくる。そのためにも、とにかく生きて帰ることが、このゲームにおいてはなによりも大事になるのだ。
大量の資源を抱えて脱出ポイントまで来ても、エレベーターが起動〜降下するまでは1分弱の時間がかかり、その間もまったく気を抜けない。今回の試遊はあくまでも「試遊用データ」のためそこまで緊迫はしなかったが、これが自分の手塩にかけて育てたコフィンやメイガスならば、無事に帰還できるまでとにかく気が気でなかっただろう。
逆に言えば、そうした緊張の瞬間を乗り越えて自分のパートナーたちを強化していく喜びというのも段違いのはずで、正式リリースがなんとも楽しみだ。
さて、今回のレポートはこんなところだろうか。ともかくも、実際にプレイしてもらうのがゲームの印象を掴むのには一番いい。前述した通り、『SYNDUALITY Echo of Ada』は東京ゲームショウ2023で試遊可能なので、すでに事前申込済みの優良プレイヤーのみなさんは、そちらで楽しんでいただけると幸いだ。
現在、残念ながらTGSでの試遊の申込みは終わっているのだが、どうしても気になる!という方は公式Discordなどで今後の情報収集をすすめることをおすすめしておく。こちらでは現在プレイ動画なども掲載しているので、合わせてご確認いただきたい。
SYNDUALITY Echo of Adaについて
タイトル:SYNDUALITY Echo of Ada
ジャンル:TPS
発売日:未定
販売形態:未定
対応機種:PlayStation®5 / Xbox series X|S / STEAM®
公式Twitter(X):https://twitter.com/SYNDUALITY_GAME
公式サイト:https://synduality-ada.bn-ent.net/
公式Discord:https://discord.com/invite/XwSJ9akKdJ
(編集・執筆/ena)