9月の某日、ゲームウィズ、IGN Japan、電ファミニコゲーマー、それにゲームエイトを加えた4つのゲーム系メディアが合同で「崩壊スターレイル」を語り倒す会、その名も『崩壊スターレイル ガチレビュー円卓会議』が行われた。この記事では、その模様をざっくりとお届けする。
なんかゲームメディアがあつまって座談会をやるらしいよ？
草木も路傍で干からびるという真夏の狂騒も冷めやらぬ9月の某日。すでに長月も半ば過ぎたというのに、気でも狂ったとしか思えない晩夏の太陽が関東平野をバーベキューにせんと35度近い苛烈な熱波を送る中、この日筆者はとある情報を元に、都内中央区にある某スタジオを訪れていた……
というのも、いまや押しも押されぬ大人気ゲームタイトル『崩壊スターレイル』を巡って、ネットのゲームメディア4社が一堂に会してスタレを語り尽くす、『崩壊スターレイル ガチレビュー円卓会議』なるものが開催されるということではないか！えっ、これしかもHoYoverseさんも関わってるの！？
さて、ここで知らない方のためにこっそり説明しておこう！こんなこと筆者が言うのも何だが、ゲームメディアの人間というのは基本的にろくでもないゲームオタクである。大抵はSteamDeckより重いものを持つことはできないし、会話の出だしには必ず「あ、」が入るタイプの人類だ。あまつさえそういう人間を4人も集めて座談会を開こうというのだから、協力してくれたHoYoverseも見上げた度胸である。連日の猛暑でついに狂ったか！？と一瞬本気で心配になってしまった。
とまあそんな気持ちになりつつも話を聞いてみると、参加するメディアはゲームウィズ、電ファミニコゲーマー、IGN Japanとそうそうたる顔ぶれ。っていうかその面子によくうち（ゲームエイト）が入れたな！？とも思わんでもないな。しかしまあ、考えてみればこれ、確かにめっちゃ面白い企画かもしれない。
というのも、大抵のゲームメディアというのは傲岸不遜にして独立不羈。ライター同士が他メディアのライターと関わる機会というのはほとんどないのだ。それが今回は4社も揃いっており、面白いことに、うち（ゲームエイト）とゲームウィズが両方来る！
古来より遍く知られている通り、ゲームエイトとゲームウィズは竜虎相搏つ不倶戴天の間柄だ。両者はまさに呉と越、ジオンに連邦、ゴジラとキングギドラ、きのことたけのこ、グリフィンドールとスリザリン、目玉焼きに醤油をかける派vs塩で食う派、みたいな感じであり、こんな機会はめったにない。
まあ実際のところはゲームエイトとゲームウィズは竜虎と言うよりミツバチとハチクマみたいな感じなので、上記はちょっぴり盛りすぎ注意なところではあるが、まあなんというか両雄並び立たないとか、そういう雰囲気なのである。こんな面子がそろった円卓会議、これは面白くなっているに違いない！
実録スタレ座談会！なんか思っていたより平和！
というわけで、どったんばったん大騒ぎ☆ を期待して収録現場にやって来たものの、期待外れと言うか、そりゃあ当たり前と言うか、座談会はめちゃくちゃイイ感じの雰囲気だった。そりゃあ考えてみれば当たり前といえば当たり前で、ここにいる全員崩壊スターレイルの超ガチ勢。スーパーヘビー級のゲームファン同士、話が合うに決まっているのだ。いや、でも違うんだ……俺はもっとサツバツ！ギスギス！した令和の鴻門之会みたいなのを楽しみにしていたのに……
▲上からそれぞれ、電ファミさん、IGNさん、ゲームウィズさん、うち（ゲームエイト）の動画からのワンカット。内容は各動画を見てのお楽しみ。
冗談はさておいて、改めて参加者たちを見渡すと、よくもまあ集められたなあと感慨深くなる面子だ。前述した4つのゲームメディアに加え、特別ゲストとしてVtuberのMasuiさん、さらにMCを務めるのは崩壊3rdなどでもおなじみのフリーアナウンサー、松澤千晶さんだ。なんだここ、スタレ学級会か！？ ちなみに電ファミさんからはスタレ名物ライターのジスロマックさん（今回は顔出しなし）が来ていて、お会いできてちょっと感動してしまった。
ちなみにこちらがゲームエイト代表の石井さん。スタレの推しキャラはカフカとヘルタ。おでんの具は大根から食べるタイプ。なんだか一人だけトー横のチンピラみたいな風貌で周囲を威圧しているが、至って悪気はなく、実物の本人はサイのように大人しい人物である。
ともあれ、座談会自体は至極まっとうにスタレの内輪ネタを投げ合うオタクの同好会といった感じで、ボケる瞬間にも表情筋の動きが乏しい石井さんがちょっと怖いことを除いては、やたらゲームに詳しい男子高校生4人がマックでナゲットかじりながらだべっている感じをイメージしてもらえれば大体合っている。とはいえ（だからこそ？）スタレファン的には中々におもしろ愉快な内容となっているはずだ。
ということで詳しくはぜひ以下リンクの動画をご覧ください。やや長いのでお夕飯でも食べながら聞きながすのがおすすめ。こちらは1本の収録を各メディアで4分割しており、なんと4本全部見ないと全貌がわからない……ではなく合計で4回も楽しめるという、スーパーハッピー・ボリューミィな内容だ。
各動画はそれぞれ違うパートを切り取っており、例えばゲームエイト版やゲームウィズ版ではライターによるおすすめのキャラ紹介、IGN JAPAN版では着眼点の鋭いゲームレビュー、電ファミ版ではジスロマックさんによるスタレのサブカル元ネタ拾い……などなど、各メディアが得意とする内容を扱っている。ゲームエイト版を見たら、ぜひ他メディア版もご覧ください。どれも面白いよ〜〜。
ゲームエイト版
ゲームウィズ版
電ファミ版
IGN版
おまけ：収録後の裏（プチ）座談会
さて、いたって平和裏に進む円卓会議を眺めながら、筆者は「どうしたんだよ、俺はそんな仲良しオトモダチごっこが見たかったんじゃないんだ、もっとバイオレンスでハッピーな宴をよぉ……」と一人で范増軍師みたいになっていたが、そのとき筆者に電撃が奔った。古人に曰く、幸せとバイオレンスは待っていても歩いて来てはくれない。こっちから向かうべきなのである。
ということで、以下ではオマケとして、「円卓会議」収録後の『裏（プチ）座談会』をお届けする！ ……とはいえ、先に言っておくと円卓会議に輪をかけて和気あいあいとした雰囲気で、特にマッドにもマックスにもならなかったです。みんな紳士だからね。こちらも上記の動画と併せてお楽しみください。
収録後の控室にて
※こちらは動画本編を見てからご覧頂いたほうが楽しめるかもしれません。
※本文中は敬称略
--みなさんありがとうございます、本日はお疲れ様でした。では、他社のメディアさんとこんな形で絡むことってそうそうないと思うので、ざっくばらんに今日の感想なんかをお聞きできればと思います。
ジスロマック：
そうですね。私は普段表に出てこないのに、いきなり出てきて大丈夫かなって思ってましたけど……
星野：
みんな同じなんですよね。自分も普段表には出ないんで。楽しかったですね。あんまりメディア間でバチバチっていう意識は個人的にはあんまりないので、同業の人と喋れて〜みたいなのは、やっぱりこういう機会じゃないとないですからね。
--実はwithさんのサイト、私もよく見させていただいてます（笑）
星野：
なんだかんだ、いろんなゲームでお互いに参考にすることってあるんですよね。あんまこういうこと言っていると上に怒られるかもしれないですけど（笑）
ジスロマック：
電ファミとIGNさんは同じ記事系メディアなので、もしかしたらライター同士で繋がりがあったりするかもしれないのですが……ゲームエイトさんやゲームウィズさんのような攻略系メディアって、基本的に関わりが少ないんですよね。「ゲームメディア」という括りでは同じなんですが、割と壁があるというか。
重田：
あんまりないですよね。
ジスロマック：
そういう意味で、やっぱり新鮮でしたね。
星野：
うち（ゲームウィズ）も記事系というかレビュー部っていうのが別にあるので、そっちの方はまだまだ電ファミさんやIGNさんに近しい分野なのかなとも思うんですけど、攻略wikiと記事系メディアっていうのは全然違う分野なんですよね。見方というか視点も全然違いますし、そういうところは面白かったですね。
--動画の第一部では皆さんそれぞれがメディアの特色を生かしたレビューをしていましたけど、本当に特色が出てましたよね。うち（ゲームエイト）とウィズさんは近かったところもありましたが。
星野：
やっぱりどっちもこういう感じになるよねっていう（笑）
石井：
第1部の内容で言ったら、なんか喋る人の性格の違いみたいな感じもあったね。
星野：
（動画第1部のキャラレビューについて）片や星5キャラの紹介で、片や星4キャラの紹介で対比の構造にあったんで、そこはまあ分かりやすくなって良かったんじゃないかなと思ってますね。アンケートの紹介も社内アンケート⇔外部アンケートでしたし。
ジスロマック：
味は結構違う感じがありましたね。
石井：
でも今回の集まり全体で考えると、収録の待ち時間とかにしてた雑談とかのほうが、いわゆる4メディアの集まりっていう意味のところでは大きかったかもしれない（笑）
星野：
わりとぶっちゃけた話も結構しましたしね。
--いまその話をしていただいても、こちらとしては全然構わないんですが（笑）
星野：
いやいや、それは怒られちゃうので（笑）
石井：
それこそウィズさんとうちとかでもそうですし、別にIGNさん、電ファミさんとかも、例えばうちの営業の人間となら関わりがあったりする可能性も全然あるんですよね。でも、実際に中のコンテンツを作っている側の人間がこうやって集まるのって初めてだから……
星野：
そうなんですよね、我々はフロントに立つ人間を介して結構遠い位置にいますもんね。
石井：
そうそう、話した内容云々以前に、そこで会話が生まれたこと自体が結構新しいことだったと思ってます。業界的に狭いとはいえ、制作側はやっぱ外に出ないから。
ジスロマック：
やっぱ同じゲームメディアでも全然違うんですよね、IGNさんとこっちの電ファミでも。具体的に言おうとするとたぶんいっぱい”ピー”が入っちゃうと思うんですけど。
重田：
僕はフリーランスなんで、上の人が取ってくる仕事の経緯とか、関わりとかも普段全然知らないんですよね。やるだけなんで。だから今回集まって本当にいろんな話が聞けたのはすごく面白かったですね。
石井：
さっきの攻略系メディアか記事系メディアか、みたいなところの話だと、深夜にリアルタイムで対応しなきゃいけないみたいなところでも、結構差があったんだよね。
星野：
ああ、ゲームのイベントに引っ張られる攻略メディアと、ニンダイみたいなお知らせに引っ張られるそのニュース系メディアっていう。
ジスロマック：
ニュース系メディアだと、ニンテンドーダイレクトとかが深夜に放送して新作発表したりするのに合わせてニュースを出さなきゃいけないっていうのがあるんですよね。
重田：
僕はそれよくやってますね。発表来て15分とか20分で出さなきゃいけないんですよ。なので、なるべくミスがないように注意を払ってはいるんですけど、ちょっと間違ってても許して……みたいな気持ちですね。
--うわあ、そんなに早い段階で出してるんですね……
星野：
世の中に出ている記事は、ちゃんと書いている人間がいるんだなあってことが、今日は本当によくわかりますね（笑）
--今日の収録の話に戻りますが、他のメディアさんのパートのところで、「これ面白かった！」「印象に残った！」っていうものはありましたか？
石井：
ジスロマックさんがやってた、開発とのQ&Aみたいなところはすごく面白かったかなあ。
ジスロマック：
あれ実はめちゃくちゃ大変だったんですよ。最初に「こういうことしたいです」って提案出したときはスケジュールが取れないから「頑張りますがダメかもしれません〜」って言われたんですよ。それで代案作ってくださいって言われたんですけど……「いや代案は作らん！」って言って。
一同
（笑）
星野：
いいなあ
--いいですねえ。
ジスロマック：
まあそれで色々あって、最終的には仕方ないな……ってなったんですけど、本当に睡眠時間を削って対応していただいたみたいで……
星野：
いやあ、でもQ＆Aはいいですよね。ユーザーが求めているものって感じがしました。
石井：
プロデューサーレターみたいなものとか、やっぱりユーザーが一番気になっているところだったりしますからね。
ジスロマック：
あとはウィズさんの「推しキャラランキング」すごい良かったですね。
星野：
あれはユーザーさまさまです。本当に。
石井：
やっぱりああいうデータ系は間違いがないし、すごく面白いですよね。
--せっかく他のメディアの方が揃ってるんで、何か聞いてみたいこと、「これって御社ではどうなってます？」みたいな質問とかあったりしますか？
ジスロマック：
普段ゲームエイトさんゲームウィズさんがどうやって攻略を書いてるだろう、っていうのは気になってますね。
--命を削って……（？）
石井：
モンスターとレッドブルでブースト掛けながらやってます。
星野：
まあちょっと真面目に答えると、うちの場合だと、ゲームのコアファンのライターさんがいらっしゃるので、基本はその方におまかせするような形ですね。内容校正して、「ここは修正しましょうね」とか、あるいは「こういうテーマの記事が欲しいのでお願いします」みたいなやりとりをしながら方針を決めて進めていくような流れです。
石井：
うちも大きくは変わらないはずです。実際に記事を書くライターと、それを校正したり方向性を決めるディレクターっていうポジションの人間が一緒にやっている感じですね。
--逆に我々みたいな攻略系メディアの人間からすると、ニュースメディアの方で普段どんなふうに仕事をしてるんだろうっていうのがあんまりわからないですよね。
ジスロマック：
もう……気合い？
一同
（笑）
ジスロマック：
そういえばIGNさんに聞いてみたかったことがあって、IGNさんって、ゲームのレビューで点数のシステムがあるじゃないですか、あれってどんな仕組みなのかなって。例えば、僕が1つ遊んで「嫌い！1点！」ってなったりするのはダメじゃないですか。
重田：
それはダメですね。
ジスロマック：
チェックが入っているんですか？
重田：
「IGNレビューガイドライン」みたいに検索すれば出ると思うんですけど、レビューのガイドラインみたいなものがあるんですよね。9点はこういうゲームです、10点はこういうゲームですっていうのが、しっかり決まってるんです。なので我々がレビュー出すときはよっぽど変でなければ点数に訂正とかは入っていないです。
ジスロマック：
そっか、点数ごとにその指標が決まってるってことなんですよね。
重田：
僕はあんまり普段レビューとかはしてないんですけど、10点はまだ出したことがないですね。僕は10点出すゲームに出会うって、本当にすごく難しいことだと思ってるので。そうですね、ゼルダの「ティアーズオブキングダム」のレビュー依頼が来たら10点出すのかもしれないですけど、あんまりそんな超大作のレビューとかはやらないので。
星野：
すごく低い点数をつけることもあるんですか？
重田：
僕は6点とかまで出したことがあります。でも、本人的には結構好きだったりするんですよね。自分の中でよく言うのが、「好き」と「レビューの点数」は結構違うよっていうことなんです。レビューで「7.4点」っていう点数をつけたコーヒートークってゲームがあるんですけど……
--うわー、そのゲームめっちゃ好きです！（喜）
重田：
あれ自分の中ではめちゃくちゃ好きで、10点満点とかどうでもよくて、裏では「5億点」とか言ってます。
一同
（笑）
--ありがとうございます。じゃあ時間も遅くなってきたので、それそろ締めの話題に……。今日みなさんに質問してみたかったのが「他のメディアさんのことをどう思ってますか？」っていうことです。メディア同士の対抗意識みたいなものはあったんでしょうか？
星野：
ゲームウィズとゲームエイトだと、やっぱり多少なり意識はするんですけど、IGNさんや電ファミさんについてはかなり分野が違うから、むしろいろんな話聞きたいなーっていう気持ちで来てましたね。
ジスロマック：
僕は好きにやれとしか言われてなかったですね。
重田：
僕は個人的にジスロマックさんの記事、かなり読んでるんで、「こういう内容を出してくるんだろうな」ってのはちょっと予想したりはしてましたね。
石井：
ありがたかったですよね。僕らは攻略メディアだから、「何か攻略に何か触れなきゃいけない」っていう前提にかなり縛られてるから、そうなるとやっぱり開発秘話みたいなものって、なかなか聞きづらいんですよね。だからありがたかったかなあ。
ジスロマック：
そういう点でいうと、やっぱりIGNさんのグローバル的な情報が直接分かるっていうのも強いところでしたよね。
--ありがとうございます！今回はいろんな話が聞けて面白かったです！こんな形で、他にまたできたら楽しそうですね。次はできればどっかの居酒屋とかで！
崩壊スターレイルについて
崩壊スターレイル ガチレビュー座談会 他メディアの記事
（編集・執筆／ena）
