一般社団法人日本eスポーツ連合が手掛ける第1回「日本eスポーツアワード」が2024年1月25日に開催。2023年のeスポーツ界隈の盛り上がりを支えた選手、プロチーム、企業、団体が一挙に紹介され、自分が知らなかった界隈を知れるまたとない貴重な機会となりました。今回は、そんな「日本eスポーツアワード」に潜入することができたので、ぜひチェックしてみてください。
第1回日本eスポーツアワードが開催!
eスポーツ界における功績と貢献を称える年に一度の祭典「日本eスポーツアワード」が1月25日(木)に東京国際フォーラムで開催されました。本アワードは、プレイヤーやプロチームのみならず、eスポーツチームを支える全ての企業、団体にも焦点を当てた祭典となっており、まさにeスポーツ界全体を代表する方々が発表されるイベントです。本アワードでは、ファン投票、eスポーツ業界関係者からなる審査員投票、審査委員会の厳正なる審査により、各部門の受賞者が決定され、発表が行われました。
それでは、早速受賞者の方々を紹介してきます!
Under18最優秀eスポーツプレイヤー賞
あcola選手が受賞!
Under18最優秀eスポーツプレイヤー賞は「あcola」選手が受賞!国内最大級のコミュニティ大会「篝火」での優勝や、招待制大会の「Smash Ultimate Summit 6」優勝など数々の実績から文句なしの選考となりました。ちなみに、あcola選手の年齢はなんと17歳で現役の高校2年生。若くしてこれだけの実力と実績を持っているあcola選手のこれからにも期待です!
一言コメント
最優秀eスポーツ大会賞
VALORANT MASTERS TOKYOが受賞!
最優秀eスポーツ大会賞は「VALORANT MASTERS TOKYO」が受賞!大会の総入場者は3万7000人超え、平均の視聴者数は33万人以上と2023年のeスポーツ大会の中で圧倒的な観客数と視聴数を稼ぎ出しました。筆者も大会開催中は、画面の前から基本的に離れることがなかった位には熱中して視聴していました。来月のVCT Pacificも楽しみです!
一言コメント(Riot Games VALORANT eスポーツプロデューサーの泉さん)
▲Riot Games VALORANT eスポーツプロデューサーの泉さん
最優秀eスポーツクリエイター賞
k4senさんが受賞!
最優秀eスポーツクリエイター賞は「k4sen」さんが受賞!本アワード当日も自身が開催しているThe k4senのため、会場には来ていなかったのですが、ビデオメッセージでの「私に似たスタッフを送り込んでおいたので、彼に賞を受け取ってもらおうと思います」と会場を沸かせるメッセージをしっかりと残していったk4senさんでした。ちなみに、影武者とした登壇したスタッフ(岩田さん)が本当にk4senさんに似ていて思わず笑ってしまいました(笑)
一言コメント
▲k4senさん似のスタッフ岩田さん
最優秀eスポーツチーム賞
ZETA DIVISIONが受賞!
最優秀eスポーツチーム賞は「ZETA DIVISION」が受賞!本アワードの最優秀賞にも輝いたあcola選手やk4senさんをはじめ、数多くのトップ選手と人気クリエイターが所属しており、多くのeスポーツファンを今も生み出しているまさにトップチーム!筆者的にも、ZETA DIVISION所属のLaz選手の配信を日頃から楽しみにしているので、嬉しい限りです!
一言コメント(ZETA DIVISION代表西原大輔さん)
▲ZETA DIVISION代表西原大輔さん
最優秀eスポーツゲーム賞
STREET FIGHTER 6が受賞!
去年の6月2日に発売されてから今までで、全世界300万本以上を売り上げ、「CAPCOM PRO TOUR2023」では賞金総額200万ドルと、日本のみならず世界中でも注目を集めました。筆者は「選び抜かれた歴戦の猛者がプレイしているゲーム」という印象を格ゲーに抱いていたのですが、スト6発売後のストリーマーと格ゲープロとの絡みや、本作の遊びやすさを通じてカジュアルにも楽しめる熱いゲームという印象にガラリと変わりましたね。筆者のように本作から格ゲーに対する印象が変わった方も多いのではないでしょうか?
一言コメント(カプコン STREET FIGHTER 6プロデューサー松本さん)
▲カプコン STREET FIGHTER 6プロデューサー松本さん
最優秀ストリーマー賞
SHAKAさんが受賞!
ストリーマー界隈の王との呼び声も高い「SHAKA」さんが堂々の受賞!どのゲームでも高いゲームセンスを発揮するだけでなく巧みなワードセンスで視聴者を引きつけ、配信時間も長い時は24時間を超えることもあり、まさに圧巻の一言。筆者的には、新たな配信部屋を披露した時の「ロマンを体現した部屋」には憧れる気持ちが溢れかえってしまいました。
一言コメント
最優秀eスポーツキャスター賞
岸大河さんが受賞!
本年度は「岸大河」さんが最優秀eスポーツキャスター賞に輝きました。筆者的には、VALORANTの人という印象が強いのですが、Clash Royaleやサタデーフォートナイトフィーバーなどなんでもこなしている万能キャスター。落ち着いた実況と、冷静な場面解説は非常にリラックスができて、大会の熱を一旦落ち着かせることができるのでいつも助かっています。
一言コメント
eスポーツ功労賞
豊田風佑さん、松本祐輝さん、Yossyさんが受賞!
eスポーツ功労賞は、日本最古参のeスポーツ企業で2024年に国家表彰の紺綬褒章を受章したTOPANGAの代表「豊田風佑」さん、国内eスポーツ関連の法的支援に尽力した「松本祐輝」さん、eスポーツの個人サイトを2002年から運営し続けている「Yossy」さんが受賞しました!普段から見ている大会やイベントなどを支えている方々をより詳しく知れるこういった貴重な機会はありがたいですね。
一言コメント
▲TOPANGAの代表豊田風佑さん
▲国内eスポーツ関連の法的支援に尽力した弁護士の松本祐輝さん
▲eスポーツの個人サイトを2002年から運営し続けているYossyさん
最優秀ノンセクションプレイヤー賞
Mugi選手が受賞!
2023年のClash Royaleの世界大会「Clash Royale League 2023: World Finals」で優勝に輝いた「Mugi」選手。2021年に続いて2度目の世界チャンピオンとなりました。本日は都合により登壇できなかったことが残念ですが、これからも3連覇を目指して頑張ってください!
一言コメント
最優秀スポーツゲームプレイヤー賞
うでぃ選手が受賞!
eFootballの世界大会で優勝し、2000万人の頂点に立った「うでぃ」選手が最優秀スポーツゲームプレイヤー賞を受賞。昔から引き続き今もなお人気のスポーツゲームのトップと、まともにフォーメンションすら知らない筆者のような人間が対戦したらどうなってしまうのか…。普通にボコボコにされそうですね。
一言コメント
最優秀マインドゲームプレイヤー賞
あめみやたいよう選手が受賞!
「テトリスの神」「ぷよぷよのプロ」の異名を持つ「あめみやたいよう」選手が最優秀マインドゲームプレイヤー賞を受賞。昨年の第1回ぷよテト世界大会で優勝するなど名前の通り大活躍となりました。ぷよぷよやテトリスが苦手な筆者は、正直全員上手く見えてしまうのですが、やはり神と言われるあめみやたいようさんのプレイはその中でも別格なので、見たことがない方には、ぜひ一度見て欲しいです!
一言コメント
最優秀eモータースポーツゲームプレイヤー賞
宮園拓真選手が受賞!
タイヤメーカーに勤めながら、モーターゲームのグランツーリスモのプロとしても活躍する「宮園拓真」選手。リアルとeモータースポーツの架け橋的存在で、今回の賞を受賞するのに文句なしの抜擢と言えるでしょう。リアルの車だと車酔いのせいでまともに景色も、運転の快適さも楽しめない筆者ですが、定期的にくる「かっとばしたい欲」を発散する時に、レースゲームを楽しんでいます。マシンのかっこよさ、ハイスピードの緊張感を味わえる数少ないゲームだと思っているので、自分で運転ができない時には、宮園選手をはじめとした試合を覗いてみてはいかがでしょうか?
一言コメント
最優秀MOBAプレイヤー賞
Evi選手が受賞!
League of Legends(LoL)において数多くの国内大会制覇、ワールドチャンピオンシップの出場を果たした「Evi」選手が受賞!2023年は、日本人として初のLeague of Legendsでの海外プロへの挑戦を果たしました。最近では、またストリーマーを中心にLeague of Legends界隈が盛り上がっているなかで、筆者も触って見たのですが、本当に難しい…。正直、まだまだEvi選手の凄さを理解しきる段階には到達していないので、筆者自身の実力と知識をつけて、いつかEvi選手の動きの一部でも理解した上で再度大会を見て熱狂したいと思っています!
最優秀シューティングゲームプレイヤー賞
Laz選手が受賞!
VALORANTのトッププロとして活躍し続けている「Laz」選手。実力者が集う大会において3vs1のような場面が発生した時でも、Laz選手が残っているだけで「Lazさんならこの状況でも大丈夫」というこれまでの経験からくる安心感を感じられます。実際、Laz選手が人数不利をひっくり返すクラッチプレイは、大会中でもよく起こることからクラッチキングの異名で呼ばれることも。日頃から配信、大会での活躍の方を個人的にも楽しみにしています!
一言コメント
最優秀格闘ゲームプレイヤー賞
あcola選手がUnder18最優秀eスポーツプレイヤー賞に続いて受賞!
歴戦の猛者達を抑えて若きホープ「あcola」選手が本日2度目の受賞!「Smash Ultimate Summit 6」優勝や、世界大会での上位入賞など輝かしい実績から、ファンと審査員の方々からの支持を得ての2冠となりました。個人的には、今回1番予想がつかなった賞ということもありますが「このメンツを抑えられるのか…」とあまりの驚きに暫く声が出ませんでした。
一言コメント
年間最優秀eスポーツプレイヤー賞
あcola選手が本日3度目の受賞で3冠を達成!
2冠に輝いたタイミングで薄々予想はしていましたが、「あcola」選手が見事日本eスポーツアワードにおける年間最優秀eスポーツプレイヤー賞を受賞すると同時に、3冠を達成しました!本当に、おめでとうございます!来年以降の日本eスポーツアワードであcola選手に並ぶ方は出てくるのか、それともあcola選手が連覇を果たすのかなど、今から来年の授賞式が楽しみで仕方ありません!
一言コメント
イベント後のインタビュー
早川英樹会長
ーー本日の感想と課題点などがあればお聞かせください
早川英樹会長:第1回ということもあり、多少手探り感がある中で、本イベントを無事終えることができて大変嬉しく思います。課題としては、来場者や視聴者がどれだけ来られるのか、前提として組んだスケジュールの尺はあれでよかったのかなど、細かい点は多少ありますけれども、全体としては、eスポーツを支える方々をこのアワードを通じて知ってもらえたことが一番の成果だと思っています。
ーー今後の手応えとしてはどのような感じでしょうか?
早川英樹会長:選手をはじめとした多くの方から「今後もぜひ続けてほしい」という声をかなり多く頂きました。まだ本アワードは1回目ですけれども、回を重ねていくごとに賞の重みも増していくと思うので、ぜひずっと続けていきたいなと考えています。
鈴木文雄理事
ーー前にインタビューさせてもらった時に、「不安な気持ちが大きい」と仰られておりましたが、実際に終わっての率直な感想をお聞かせいただけますか?
鈴木文雄理事:本音で言いますね。もっといいやり方があったんじゃ無いか、もっとファイナリストや視聴者の方々に対して、喜んでいただける方法があったんじゃないかなという気持ちが大きいです。後悔というわけではないのですが、来年の日本eスポーツアワードに向けた反省というのが、今ものすごい湧き出ていまして、控え室の方で「こうすればよかったかな、ああすればよかったかな」というのはありました。
ーーそれを踏まえて、来年こうしていこうという部分も聞かせてもらってもよろしいですか?
鈴木文雄理事:やっぱり、国境や文化、性別を越えてということを掲げている以上、例えばなんですけど、もっと女性プレイヤーや審査員のバランスを考えていくようにすることも大事かなとは思いましたね。それと、やっぱりこういった交易的な場にしていきたいと思っているので、例えばチャリティーを行ったりして、少しでもeスポーツが社会的な貢献に繋がっているということを、主催者がもっと率先してアピールしていき、受賞者や視聴者の方々と一緒に取り組めていければいいなという思いです。
MC陣
ーー次回以降、こういう賞があってもいいんじゃないかなと言う賞はありますか?
OooDaさん:個人的には「Vtuberの方々の賞」は欲しいですね。ストリーマーの中に入れるのではなくて、単体の賞として。細分化して、イラストとかに分けてとか。でも、そこまでいったら、クリエイターになっちゃうのかなぁ。でも、それはそれとしてデザイン的な部門の賞としてこれも欲しいですね。
平岩康佑さん:僕もVtuberって言おうと思っていたんですけど(笑)。でもあれかな「最優秀ゲーミングデバイス賞」。奇抜なのか、もっとも売れたものなのかは分からないですけれども、格ゲーのレバコンとか、その年を表せる賞になれるんじゃないかなと思いますね。
岸大河さん:個人的には「最優秀コーチ賞」が欲しいですね。各チームにコーチっていると思いますし、最近だとコーチとかアナリストとかに注目が集まることも多いと思うので、あってもいいんじゃないかなと。後は、メディア賞とかいります?(笑)。やっぱり、いい記事を書いてもらわないとね(笑)。
貴島明日香さん:個人的に好きと言うこともあるのですが「ゲーム音楽に対する賞」が欲しいですね。私は出勤中にゲームのサウンドトラックとかよく聞くくらい好きなんですよ。なので、ゲームのサウンドを作ってくれている方々への賞があっても面白いんじゃないかなと。
受賞者の方々
ーー西原大輔さんにお聞きしたいのですが、これまでチーム運営で苦労したことのエピソードを教えてください。また、どうやって乗り越えたのかも、併せてお聞かせください。
西原大輔さん:1月でチーム運営を始めて6年目になりますが、チーム名が「ZETA DIVISION」になる前の「JUPITER」の頃は、お金がなくて苦労しました。例えば、選手を獲得するのにも同じ条件でオファーを出したのに、我々のチームを選んでくれない事がありました。
「あの選手がいれば、ライバルチームに勝てたのに…」という苦い思いも沢山しました。そういった状況を打破するために、選手たちのコミュニティの輪に入りながら、心を掴むことを意識しましたね。その中で、選手たちからイケてるチームの特徴を教えてもらったり、「JUPITERの運営はしっかりしているよね」という信頼関係も芽生え始めて、1・2年目の苦い思いを払拭することができるようになりました。
ーー今年の目標や力を入れたいことなどはありますか?
Yossyさん:やっぱり、21年やっているeスポーツのサイトってほとんどないので、どれだけ続けられるかの記録にも挑戦していこうと思っています。少しでも長く、サイト運営を続けていきたいですね。
宮園拓真選手:まだまだeスポーツと言うジャンルの中では、eモータースポーツってニッチなジャンルである印象を持っているので、少しでもeスポーツを見られている方の中で、eモータースポーツを見られるようにしていきたと思っています。あと、正直去年は自分が活躍しきれたとは言えない状況で今回賞を頂いているので、その意味も考えながら少しでも貢献していけたらなと思っています。
あcola選手:もちろん、ZETA DIVISIONの一員としてこれからも頑張っていくつもりなんですけども、今年僕高校3年生で来年受験になっちゃうので、勉強の方もしっかり頑張っていきたいと思っています。
松本祐輝さん:eスポーツの形をもっと実態に近づけるようにしたいと思っています。例えば、無いところに制度を作ったりとか、使いづらい制度を変えていったりとかが僕の仕事だと思っているので、そういった制度を整える動きを強化していこうと考えています。
「日本eスポーツアワード」の概要
© Japan eSports Union
[取材協力]一般社団法人 日本eスポーツ連合
(編集・執筆/いの)