ゲーム総合情報サイト『Game8』を運営する株式会社ゲームエイトとマーケティングサービスを提供する株式会社MOTTOが開催する大型オフラインカンファレンスイベント『GAME FUTURE SUMMIT 2024』が6月5日に開催された。ゲーム業界のこれまでとこれからを語りあう多彩なセッションが飛び交う本イベントの様子をお届けする。
『GAME FUTURE SUMMIT 2024』が6月5日に開催!
▲左から株式会社MOTTOの佐藤氏、株式会社ゲームエイトの沢村氏
「ゲーム業界の未来をみんなで盛り上げる」をテーマに、ゲーム業界に関わり活躍する方が集い、ゲーム業界のこれまでとこれからについて語りあう大型オフラインカンファレンスイベント『GAME FUTURE SUMMIT 2024』が6月5日に開催された。
会場はベルサール渋谷ファーストとなっており、本イベントの規模感を入り口から既に感じることができる。
それでは、本イベントの主催者である株式会社ゲームエイトの沢村氏、株式会社MOTTOの佐藤氏の開幕の挨拶で始まった本イベントの様子を、抜粋しながらお伝えしていこう。
『ユーザーを増やすために知っておきたい広告配信の仕方と評価の方法』を語りあう
▲左からUNICORN株式会社の山田氏、サイバーエージェントゲームパートナーズの家門氏、株式会社バンダイナムコエンターテインメントの田畑氏
UNICORN株式会社の山田氏がモデレーター、サイバーエージェントゲームパートナーズの家門氏、株式会社バンダイナムコエンターテインメントの田畑氏が登壇者のセッションでは、『どうやったらユーザーを増やせる広告配信を行えるのか』をテーマに話が進行した。
これから実際にどうしていくのか?という流れの中では下記の内容が展開された。
田畑氏:弊社内では短期目線では継続中の案件に対しては、これからどうやって広告案件を補足していくのか、中長期目線では個別というより予算全体の最適配分を考えていました。「MMM(マーケティング・ミックス・モデリング)という売上のデータだったり、広告出版に対しての回収率どうなってるんだっけ?などを予測するモデルを社内で開発・運用をしております。
山田氏:これって特許出願中なんですよね?
田畑氏:そうですね。実際にATTが出てくる前後でも近い数値を出せているので、日々の運用に関しては、既にMMMを使用しています。
家門氏:これって、獲得した瞬間にその後どの程度課金が出るかが予測されて、CPIに対してのROASが見やすくなるっていうことでしょうか?
田畑氏:仰る通りです。本当に日々の運用に向いているモデルとなっています。
家門氏:こういうのを、MMPの企業さんが実装してくれても良いってことですよね?
田畑氏:そうですね。やっぱり揃えてくれると非常にありがたいですからね(笑)
といった、実用レベルに至って特許も出願している内容についても語り合うなど、まさに、一言一句聞き逃せないような貴重なお話を40分に渡って展開してくれていた。
セッション『コロナ後の激変ーモバイル/PC/VR 3業界に起こっているゲームの未来』
▲左から株式会社Re entertainment中山氏、MyDearest株式会社の岸上氏、株式会社ワイソーシリアスの斉藤氏、株式会社Yostarの李氏
筆者的に興味深いセッションだと思ったのが、モデレーターにエンタメ社会学者で株式会社Re entertainmentの中山氏、登壇者としてMyDearest株式会社の岸上氏、株式会社ワイソーシリアスの斉藤氏、株式会社Yostarの李氏のセッションテーマ『コロナ後の激変ーモバイル/PC/VR 3業界に起こっているゲームの未来』だった。
岸山氏:VRゲームって2〜3億円程度かければ、充分世界に通用するゲームが作れるんですよ。
斉藤氏:ただ、コンシューマーと比較される場合だと、5億くらいの予算が必要になるのですが、広い市場なので、ターゲットをどこにするのか、何で勝負するのかを決めれば戦えます。弊社だと10万本を狙って1000万〜2000万を目安にしています。
中山氏:予算のかけ方ってどんな感じになっています?
斉藤氏:大体プロモと開発がトントンくらいですね。売り始めてから、プロモで伸ばすことが多くなっています。実際『NEEDY GIRL OVERDOSE』のように、1000万の開発費で100万本を狙える夢のある市場ではあるのですが、やっぱり1人は特殊なスキルを持っているクリエイターを掴まえるのが大切になると思います。
中山氏:モバイルゲーム市場だとクリエイターさんとの付き合い方ってどんな感じになっているんですか?
李氏:基本はクリエイターさんが作りたいものを尊重しますが、我々はパブリッシャーなので、ユーザーさんにフィットするものをクリエイターさんに如何にアウトプットさせるかが難しいですね。変な話、優秀なクリエイターさんであるほど、宇宙人なんですよ。
そんな圧倒的な個性に対して、いかにコミュニケーションを取って、ユーザーさんに受け入れられ、ちゃんと売上をペイできるようなコンテンツへと向かっていくのが、高いハードルだなと常に思っています。
中山氏:100人や200人の規模で作る場合でも、個々に対して向き合うことがある感じでしょうか?
李氏:そうですね。ものづくりって基本は正解がない道じゃないですか。経験上成功しやすいパターンも結構ありますが、向き合った結果「今回はこれが正解だと思う」といった情熱を反映させることもあります。
他にも、ゲームプロデューサーの中村氏、株式会社DONUTSの安藤氏、ゲームプロデューサーの高氏達のテーマ『日本のスマホゲームは生き残れるのか!?』や、株式会社MOTTOの佐藤氏、Vtuberの天開氏、ANYCOLOR株式会社の丸田氏、TheSwampman株式会社の横田氏のテーマ『なぜVtuberはゲームを流行らせることが出来るのか?』などここには書ききれないほどの興味深いセッションがまだまだ語られていたので、全貌が気になる方はぜひ下記のアーカイブをチェックして欲しい。
小休憩を挟める企業ブースの出展も!
多彩なセッションだけでなく、来場者向けに展開されている企業ブースも確認できた。
UNICORN株式会社が展開するブースでは、アンケートに回答することで、iPad Airが当たる抽選に参加でき、ハズレてもスイーツをもらうことができた。会場間の移動で疲れた足に甘いスイーツが染み渡る…。
ADJUST株式会社さんのブースでは、熱々のコーヒーを頂くことができた。ビジネスのお供として欠かせない一杯をいただける至福の場所ということもあり、備え付けのテーブルで一息ついている方が多く見受けられた。
最後の株式会社GーKIT、SHIP株式会社のブースでは、グッズ提供に加えオリジナルTシャツ作成を行うことができた。筆者のような「イベントに来た記念に何か欲しいなぁ」といった方にマッチしたブースということもあり、皆さんワイワイお喋りしながらTシャツを作っていたのが印象に残っている。
イベント終わりには多くの方がアフターパーティーに参加
約5時間にも及ぶセッションの後には、多数の来場者を招いてのアフターパーティが、株式会社ゲームエイトの尾中氏、TikTokのKotler氏の乾杯の挨拶でスタート。
▲株式会社ゲームエイトの尾中氏
▲TikTokのKotler氏
パーティー会場には溢れんばかりの人が参加しており、どこもかしこも本イベントのセッションテーマについて語りあったり、今後のビジネスのやり取りをしていたりで、オフラインカンファレンスイベントの醍醐味を360°全方位から滝のように浴びることができた。アフターパーティの様子だけでも、本イベントが成功かどうかが目に見えて現れているのではないだろうか。
締めの挨拶前に、本イベントでアンケートを取っていた「あなたがマーケティングやプロモーションの参考にしているタイトルを教えてください」の結果が発表された。
錚々たるタイトルが映し出されたスクリーンには、参加者も「いつも参考にさせて頂いてます!」と納得の声が上がる結果となった。
最後に、株式会社MOTTOの佐藤氏は「『GAME FUTURE SUMMIT 2024』は第1回開催、初の試みということもあり、アフターパーティーへの参加が当日抽選になってしまったことや、セッション間の休憩時間に余裕がなかったりと、運営側として今後へ向けた反省点が見つかる結果となりました。改善点に関しては真摯に受け止めつつ、『GAME FUTURE SUMMIT 2024』での経験を活かし、ブラッシュアップを行いながら、皆様の期待に応えられる形で今後も開催していきたいです。
改善すべき点はまだまだあるものの、のべ1000人を超える方々に足を運んでいただけたことは素直に嬉しく思っています。これからさらにゲーム業界を盛り上げていけるように努めていくつもりなので、もし宜しければ、皆さん、次回開催時にはぜひ登壇者として参加していただけたら嬉しいです!」と締めの挨拶を行なった。
普段めったに会えることがない方々が一堂に会し、ゲーム業界について話せる範囲でリアルに語り合う場というだけでも貴重なイベントだと感じることができた。参加者としてはもちろんだが、登壇者になるとまた見える景色も変わってくると思うので、次回開催されることがあれば、ここまで記事を読んでくれた熱意のある貴方もぜひ登壇してみてはいかがだろうか?
「GAME FUTURE SUMMIT 2024」の概要
主催者情報
ゲームエイトについて
「ゲームをもっと楽しくする、ゲームを通じて“楽しい“を共有する」という理念の元、2014年に創業。国内トップクラスの月間5億PV/4,200万UUの実績を持つゲーム総合情報サイト「Game8.jp」、インフルエンサーとファンの交流をサポートするゲームイベントプラットフォーム「PLAYZY」等を運営。
その他にも、デジタルを通じてゲーム業界を活性化するための事業を展開。
MOTTOについて
株式会社MOTTOは「がんばる人の力になる」をテーマに、ゲーム、アプリ、エンターテイメントビジネスの成長を支援。
マーケティングの課題解決を支援する「マーケティングコンサルティング」と、コミュニティマーケティングの「Rooot」シリーズや市場調査サービス「SAKURISA」等のマーケティングを使いやすくするサービスを提供中。
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(編集・執筆/いの)