スクウェア・エニックスが手掛けるホラーミステリーADV『パラノマサイト FILE23 本所七不思議』が2023年3月9日(木)にリリースとなった。本稿ではリリースに先立ち先行プレイする機会を得たので、ストーリーやゲームの特徴を皆さんにお届けしていく。
※記事内容は先行プレイ段階のものです。正式版と内容が異なる場合がございます。
パラノマサイト FILE23 本所七不思議とは?
『パラノマサイト FILE23 本所七不思議』は、呪いの力を得た9人の男女が人を蘇らせる力「蘇りの秘術」の行使を巡り、様々な思惑の渦巻く墨田区を舞台とした群像ホラーミステリーアドベンチャーだ。
「呪い×ホラー×ミステリー」という一風変わった組み合わせだが、一体どんな作品となっているのか。ゲームの特徴と併せてお届けしていこう。
レトロな雰囲気あふれるホラーゲーム
本作は昭和後期という今から半世紀ほど前の時代が舞台となっている作品で、所々レトロな雰囲気を漂わせているのが特徴だ。
パッと見ただけでは現代の町並みと区別が付かないかもしれないが、作中では電話ボックスなど時代を感じさせるポイントもあったりする。昨今ではスマホの普及により、見る機会も使用する機会も少ないのでちょっと懐かしい...。
ゲーム設定画面などがブラウン管テレビに映るという凝ったUIとなっている。筆者もブラウン管のテレビでゲームをしていた世代なので思わずニヤリ。
探偵・癸生川凌介事件譚のスタッフが製作に携わる
推理アドベンチャー『探偵・癸生川凌介事件譚』の開発をしていた石山貴也氏がディレクター/シナリオを担当しているのもポイントとなっている。最近の作品では『スクールガールストライカーズ』の製作に携わっていた石山氏だが、『癸生川凌介事件譚』シリーズを遊んだ方も期待して購入して良さそうだ。
また、『スクールガールストライカーズ』の製作で石山氏と共に携わっていた小林元氏がキャラクターデザインを担当しているのも特徴となっている。
墨田区監修で昭和当時の町並みも再現
▲ゲーム内で登場した「旧安田庭園」の様子。
本作は墨田区観光課、郷土資料館、観光協会、商工会などの協力のもとで作成されており、作中に登場する町並みや伝承もリアルに再現されている。
特に探索パートの一部はパノラマビューとなっているので、昭和当時の街の様子を感じてみるのも良いだろう。
▲ゲームで登場する「本所七不思議」なども墨田区で実在する伝承となっている。
ストーリーの鍵を握る蘇りの秘術
「蘇りの秘術」は死者を蘇らせるとされる禁忌の法術だ。登場人物の多くは蘇らせたい誰かがおり、本作はこの法術を巡ったストーリーとなっている。
しかし無条件で誰かを蘇生はできず、他人を呪い殺したときに発生する「滓魂(さいこん)」と呼ばれる残滓が大量に必要となるのが特徴だ。
この「滓魂」は呪いの力を持つ者を殺すとより効率よく集まるため、呪いの力を持った人たち同士の殺し合いへと発展していくのである。
▲「呪詛珠」と呼ばれる呪いの力の源。基本的に「呪詛珠」を持っている人同士で殺し合いをすることとなる。
呪いの力を持った相手との対決がメインとなる作品となっており、初めて出会う相手はどんな力を持っているか分からないのも特徴だ。
キャラクターたちの持つ呪いにはそれぞれ異なる発動条件があるものの、条件さえ満たせば相手を問答無用で殺せるかなり物騒な力となっている。
▲初めて手にした呪いの力。相手が立ち去ろうとした瞬間に発動できるが、能動的には使えないため上手く誘導して条件を満たす必要がある。
本作に登場する呪いは墨田区に実在する伝承「本所七不思議」を元にした力となっており、七不思議の数だけ呪いの種類があるようだ。
伝承が元となった呪いではあるが、実際の条件の予想までは難しいため、呪いの発動条件を探り合う異能バトルのような側面もあった。
探索パートはパノラマビュー
本作は探索パートとノベルパートの大きく2つに分かれており、探索中に話しかけたり新たな発見があったりすると会話などが発生する。
探索はパノラマビューとなっており、自身の周囲360度を見渡すことができ、気になるものがあったら調べていくという形式となっている。よく見ないと見つけられないようなポイントもあるので、注意深く周囲を見渡す必要がありそうだ。
マップ自体もいくつかあるため、探索したい場所はある程度自分で選べるのも特徴だ。
探索先はいずれも実在していた場所となっている。実際の写真と見比べてみても中々の再現度だったので、プレイした人はぜひ見比べてみて欲しい。
ホラーゲームらしく怖いシーンも
▲パノラマビューで周囲を探索しようとしたら何かが...。画像だと伝えきれないが周囲をスクロールして捜索している途中で突然「出た」のである。
ホラーゲームらしく所々肝が冷えるようなシーンも。特に筆者はホラー耐性が低いので心臓が止まりそうになった。
実際にプレイしないと伝わりにくい感覚ではあるが、謎解きや探索に集中している中で幽霊的な何かがスッと出てくると驚くのである。古典的な手法ではあるが、やはり怖いものは怖い。
呪い殺す際の駆け引きが楽しめる
▲相手と対峙した際は選択肢によって互いの命運が決まることも!?
本作は呪いの力を得た相手との駆け引きが最大の魅力だ。
先述の通り呪いにはそれぞれ別々の発動条件があり、対峙した段階ではお互いに相手の発動条件が分からない。相手の呪いには引っかからず、自分の思惑を貫き通すための心理戦も行われた。
▲発動条件を満たすと「呪詛行使」ができ、相手を呪い殺せる。画像の場合は相手が離れるときに発動できる呪いだったため発動ができた。
中には初見で気が付くのは難しい呪いも。相手の思惑に沿った動きを軽くしただけでゲームオーバーになってしまった...。
もしゲームオーバーになっても直前のポイントからすぐやり直せる仕様となっているのはありがたいポイント。
死んだときにヒントも出してくれるため、同じポイントで詰み続けてしまう可能性は低そうだ。
複数のキャラを操作可能
本作品にはストーリーチャートが存在し、複数の主人公が存在している点も特徴の一つだろう。
主人公毎に呪いの効果や向き合い方も異なり、「蘇りの秘術」のために人を殺す人もいれば、殺人を阻止しようとする者もいた。多角的な視点で各ストーリーが見られるため、ひとりひとりへの思惑や心情を知った上でプレイすると新たな発見があるかもしれない。
また、特定のチャートをクリアするとクリア済みのチャートに別の選択肢が出現する場面もあった。いわゆる”IFルート”が後から出て、全く別の結末へと進んでいくのも本作の面白みの一つと言える。
最後に登場キャラクターの一部を紹介しよう。
▲最初の操作キャラクターとなる会社員の興家彰吾(おきいえしょうご)。自身から離れようとした人を呪い殺せる力を持っている。
▲誘拐事件で息子を亡くした女性 志岐間春恵(しぎまはるえ)
▲警察官の殉職事件を捜査する警部 津詰徹生(つつみてつお)
▲不審な自殺で亡くなった友人を蘇らせたい女子高生 逆崎約子(さかざきやっこ)
「蘇りの秘術」を巡った様々な思惑が渦巻く『パラノマサイト FILE23 本所七不思議』。
今回はストーリーのネタバレに配慮した形での先行プレイレポートとなったが、シンプルなホラー要素に留まらず、呪いの力を巡った駆け引きも魅力となっていて続きが気になる作品だ。
果たして「蘇りの秘術」を行使できるのか、そしてそれを阻止しようとする人たちの結末はどうなってしまうのか!?
続きが気になった人はぜひストアページをチェックしてみてほしい。
3月中旬までセール実施中!
今回紹介した『パラノマサイト FILE23 本所七不思議』はiOS/Android/Nintendo Switch/PCで配信中だ。
iOS/Android/Nintendo Switchは3/23(木)まで、PCのSteam版は3/24(金)までそれぞれ20%割引セールを実施している。
通常よりもお得にゲームが遊べるので、本作に興味を持った方はセール期間中にチェックすると良いだろう。
『パラノマサイト FILE23 本所七不思議』の概要
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(編集・執筆/T_T)