Aimingより8月24日リリース予定の『ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか バトル・クロニクル(以下、ダンクロ)』。今回はリリースが直前に迫る『ダンクロ』についてディレクターの中林信弥氏、運営ディレクターの赤岩孝宏氏のお二人からお話を聞くことができた。本稿ではゲームの特徴や裏側のお話、そして開発陣の思いを紹介していく。
インタビューさせて頂いたお二人の紹介
ゲームエイト:
本日はリリース直前のお忙しいところ、ありがとうございます。
まず、お二人の簡単な自己紹介をお願いします。
▲中林信弥氏(写真左)と赤岩孝宏氏(写真右)のお二人にインタビューさせて頂いた。
中林信弥氏(以下、中林氏):
ゲームの開発側のディレクターをさせて頂いてます中林です。
赤岩孝宏氏(以下、赤岩氏):
運営ディレクション担当させて頂いている赤岩です。ゲーム内の部分は中林が、ゲーム外の部分は赤岩が主に担当しています。
ゲームエイト:
本日はよろしくお願いします!
3Dアクションとキャラクターのまだ見ぬ一面が楽しめるダンクロ
ゲームエイト:
『ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか(以下、ダンまち)』を題材としたゲームは過去にも登場していますが、『ダンクロ』独自の強みや、注目ポイントはどういったところになっていますか?
中林氏:
『ダンまち』の魅力はストーリーや世界観となっていて、他のゲームタイトルでも見られる部分だとは思うんですけど、特にストーリーとマッチするアクションゲームとなっているのが一つの強みになっているかなと。
皆さんに注目してほしいポイントは3Dでのアクション部分と、遊び方のひとつである魔石争奪戦というバトルロイヤルコンテンツです。
ゲームエイト:
3DのアクションはPVを見ていても力が入っていましたね。攻撃モーションもキャラクター毎に違っていて、そのキャラクターらしさが出ていました。
そういった意味でいうと本作は『ダンまち』ファンが主なプレイヤー層となると思いますが、既存ファンの方がゲームを楽しめるコンテンツや工夫などはあるのでしょうか?
中林氏:
本作ではアニメの再現やキャラクターのオリジナルストーリーも登場する他、ホーム画面では指定したキャラクターが眠っていたり、本を読んでいたりなど、キャラクターの何気ない日常に触れられる、原作やアニメなどで見られなかった一面が垣間見える機能も登場します。
工夫という面では、『ダンまち』ファンの方がキャラクターに持つイメージと、『ダンクロ』オリジナルで喋る部分でのイメージが一致するように『ダンまち』というIPをリスペクトして本作を作っていったので、ファンの方が楽しんでもらえる作りにはなっていると思います。
ゲームエイト:
オリジナルストーリーが登場するのはファン的にはかなり嬉しいポイントとなりそうですね。
ちなみに本作は『ダンまち』アニメシリーズのゲーム化となっていますが、アニメに登場した冒険者や神様など全てのキャラクターが登場するのでしょうか?
中林氏:
プレイアブルキャラという意味では、歴史の長いIPということもあり残念ながら全てのキャラクターは実装できていないのですが、ストーリー上でメインとなるキャラクターはほとんど登場します!
コスト度外視で3Dモデルを作ったので、デザイナーさんに怒られながら作っていた部分もあったり。
ちなみに私自身が大きくて強い、いわゆる強敵が好きなので「アステリオス」や、「フリュネ」など将来的にプレイアブルキャラクターとして実装できればいいなーなんて思っていたりも(笑)
ゲームエイト:
公式サイトでは「ヘスティア・ファミリア」や「ロキ・ファミリア」以外にも沢山のキャラクターが紹介されていましたが、強敵として登場していた「フリュネ」や「アステリオス」を自分で操作できるのは、夢が広がりますね…!
オリジナルストーリーでキャラクターの新たな一面が見えるという話と相まって、一人のファンとしてもゲームが楽しみです!
中林氏:
オリジナルのストーリーはどんどん入れていきたいと思っていて、例えば月1回のアップデートでオリジナルのイベントを入れていきたいですね。もちろん大森先生(※原作者となる大森藤ノ先生)が大事になさっている設定と合うよう、しっかりと監修していただきながら作っていこうと思っています。
バトルロイヤルや高難易度クエストなどやり込み要素も充実
ゲームエイト:
コアなファンやゲーマーは、比較的短い期間でストーリーを進めきってしまうと思いますが、ストーリーを遊び終えた後の本作におけるエンドコンテンツ、高難易度コンテンツなどは何か用意されているのでしょうか?
中林氏:
先程少しお話にも出ましたが、プレイヤー同士で競い合うバトルロイヤルコンテンツである魔石争奪戦をエンドコンテンツの一つとして想定していて、基本的にはストーリーのクエストが終わってきたらバトルロイヤルがメインになってくると考えています。
メインのクエストという意味では「Normal」「Hard」「VeryHard」という3つの難易度があり、ストーリーを楽しんでいただく「Normal」が基本となりつつも、チャレンジ要素のある「VeryHard」があります。
ローンチ分の「VeryHard」でも進めていくとかなりの高難易度となっていますし、今後のアップデートでメインストーリーの「VeryHard」も増えていくので一つのやりこみ要素になるのかなと。
ただ他にもイベントクエストとしてオリジナルストーリーを用意していく予定なので、ストーリーを引き続き楽しんでいただけると思います。あと、レイドバトルやファミリア同士で遊べるいわゆるギルドバトル的なエンドコンテンツも追加していく予定です。
ゲームエイト:
対戦がメインになるのかと思いきや、メインクエストのやり込みもあるんですね。
ちなみに魔石争奪戦やレイドバトルなどのコンテンツも紹介されていましたが、これらはどういったコンテンツになっているのか改めて紹介してもらっても良いでしょうか?
中林氏:
魔石争奪戦は、8人で遊べるリアルタイム対戦となっていて、ステージ内の敵や対戦相手を倒し、「魔石」を集めていくゲームです。
一定数集めることでカウントダウンが発生し、カウント0になったら試合終了、その時点での魔石所持数がそのまま順位となります。
一位の人はカウントダウンが始まったら逃げ続けるか、他のプレイヤーを撃退するという流れになりますね。
逆に「魔石」が少ないプレイヤーは、漁夫の利を狙って他のプレイヤーが集めた「魔石」を奪い取ることもできます。
ゲームエイト:
もしプレイヤーに倒されてしまうと、対戦からはリタイアになってしまうのでしょうか?
中林氏:
いえ、倒されてしまうと魔石を一定数落としてしまうものの、一定時間後に再度復帰できるようになっています。
ゲームエイト:
ということは倒されてしまうことを恐れず、周りのプレイヤーと一時的に共闘してカウントダウン中のプレイヤーに挑む...なんてこともやりやすいですね。
レイドバトルの方はいかがでしょうか?
中林氏:
レイドバトルに関しては巨大な敵や複雑なギミックに4人パーティーで挑んでいく協力コンテンツとなっています。
一番最初はアニメにも出てきた「とある階層主」と戦えるレイドバトルが登場する予定となっているので、期待して頂ければ!
※レイドバトルは今後のアップデートで追加予定のコンテンツです。
ゲームエイト:
滅茶苦茶手強そう(笑)
ちょっと不安になるのが、ストーリーを見ようとメインクエストを遊んでいると、操作テクニックも必要そうな場面もありました。アクションゲームが苦手な人でもストーリーを楽しめるような工夫はされていたりするのでしょうか?
中林氏:
アクションが苦手な方でもストーリーを気軽に楽しめるように、オートモードを搭載しています。
キャラクターはある程度育てる必要はありますが、オートモードで挑めば「Normal」って意外と簡単にクリアできちゃうと思います。
とはいえ、オートだけで遊び続けると歯ごたえがなさすぎるので、中ボスなどのちょっとした壁を作っていて、そこだけはオートではなくブレイクシステム(※1)やディフェンスロール(※2)を駆使して戦って頂くなど、アクションも楽しんでもらうための工夫もしています。
ですので、アクションゲームが苦手な人、得意な人、双方に楽しんで頂ける設計となっています。
※1 攻撃で敵の強力な技の発動を妨害するシステム。
※2 キャラクターの役割の一つで耐久面に優れた性能を持つことが多いロール。
ゲームエイト:
自分はキャラクターを動かしたい派なのでオートモードを使ったことがなかったのですが、実はオートってすごい優秀なんですね。アクションが苦手な人や忙しい人にとってもうれしい情報だと思います!
ちなみにリリース後はどのようなイベントが予定されているのでしょうか?
赤岩氏:
時節物も含めながら、キャラクターの深掘りをするようなイベントを月に1〜2回程度開催していく形になるかと思います。一番最初はヘスティア・ファミリアの妖術師サンジョウノ・春姫をテーマとしたイベントを予定しています。その後も季節系イベントなどを開催していく予定なので、ぜひ楽しんでいただければと思います。
また、イベントではないのですが、様々なご意見やご要望をたくさん頂くと思いますので、その中からより多かったご意見を意識しつつアップデートもしていきます。
ゲームエイト:
春姫のイベントが来るのは熱い!私も好きなキャラクターなのでイベントが楽しみですね!
CBT分析でより良いゲームに!分析に大きく貢献したGoogle Cloud
ゲームエイト:
3月からCBTが行われていましたが、こちらでのプレイヤーさんからの反響はいかがでしたか?
赤岩氏:
想定していた数の4〜5倍の応募を頂き、大変ありがたかったなと思っています。当選した方々からも熱いレビュー、多くのご意見を頂いたり、色んな方がCBT期間中目一杯プレイしていただけたので、CBTをやって良かったのかなと。
CBTの結果については、公式サイトにも掲載されているCBTレポートを見ていただけたら良いのかなと思っています。
ゲームエイト:
すごい応募数になっていそうですね。
CBTの実施で新たな課題点や改善点が見つかったと思うのですが、リリースではどのようなところが改善されているのでしょうか?
赤岩氏:
”離脱点”と呼ばれるGoogle Cloudで集めた情報を元とした改善や、ご意見の多かった戦闘時のカメラワークの改善も実装しています。
多くのご意見を頂いたUIで分かりにくい部分や表現、ボタンのレスポンスなどの操作感も改善しています。
▲CBT時から様々な改善がされた本作のゲームプレイ動画。
ゲームエイト:
カメラワークが変わると戦闘中の体験も大きく変わるはずなので、正式リリースが楽しみですね。
ちなみにCBT時の分析にGoogle Cloudを使ったとのことですが、これはどういったものだったのでしょうか?
赤岩氏:
Google Cloudと連携した社内KPIツールがあったのでそれのことですね。
本来SQLを使わないと分からないアクティブユーザーなどの情報も、Google Cloud経由でツールを使うことにより誰でもすぐ確認できる他、ツールを使わずにGoogle Cloud上で直接SQLを叩いて細かな分析も行いました。
Aiming/第二事業部には、Google Cloudを使い慣れているメンバーも多く、皆さんの躓いているポイントを見つけたり、クリアタイムを確認したり、キャラクターの人気の調査などに活用していました。
ゲームエイト:
Google Cloudを選んだ理由、利点などはどのようなところにあったのでしょうか?
赤岩氏:
元々他のタイトルでもGoogle Cloudを使った社内独自のKPIツールを使っていたというのが主な理由ですね。
クラウドサービスなので、個別にツールのインストールなどが不要で、誰でもPCとネット環境があれば作業ができるという特徴があります。他にも以前から使っていた分ツールのノウハウがあり、社内ツールとの連携もできる。Googleさんが常に改善していくためUIも使いやすいです。
ゲームリリースに向けて最後に一言
ゲームエイト:
最後に、これからゲームをプレイするユーザーさんに向けて一言ずつコメントを頂いてもよろしいでしょうか。
中林氏:
『ダンまち』に出てくるキャラクターを自由度高く操作して遊べるゲームは『ダンクロ』と言ってもらえるように頑張っていきます!
皆さまにはぜひ推しを強くして、自分好みのパーティを作って、本作を楽しんでいただけると嬉しいです。
赤岩氏:
ダンクロは8月24日リリースをさせて頂きます。社内の事業部全体でゲームの改善・開発をしてきたので、ぜひ皆様手にとって頂ければ!
ただ運用型のゲームではあるので、リリースがゴールではなく、長期に渡って皆様に遊んで頂けるゲームを運用・開発することが我々の使命だと考えています。そして長期で運用することによって『ダンまち』全体が盛り上がるような活動を開発だけではなく版元様と一緒にできればと思っています。
ちなみに私も出したいキャラクターはまだまだいて、リリース後にストーリーが進むにつれて実装していきたいと思っているので、ユーザーの皆様もお楽しみにお待ちください!
ゲームエイト:
本日はありがとうございました!
ゲーム概要
©大森藤ノ・SBクリエイティブ/ダンまち4製作委員会
(編集・執筆/T_T)