2023-12-11

【開発者インタビュー】放置型RPGと育成シミュレーションの2ジャンルを組み合わせた『アガタ(AGATHA)』の開発者にインタビュー!キャラと共に成長できる育成システムを目指している本作の開発環境を赤裸々に語ってくれたぞ!

『AIRCAP』が手掛ける放置型RPGと育成シミュレーションの2ジャンルを組み合わせた『アガタ(AGATHA)』の開発者に、今回ゲームエイトライターがインタビューすることができた。本作の魅力や開発の裏話、キャラクターと共に成長できる育成要素などについても聞くことができたので、ぜひチェックして欲しい。

インタビューさせて頂いた方の紹介

ーーではまず、簡単に自己紹介を頂いてもよろしいでしょうか?

ヒョン・ジミン氏
AIRCAPの代表兼、アガタ(AGATHA)のプロデューサーを務めさせていただいている、ヒョン・ジミンと申します。

イ・グンスン氏
AIRCAPの運営維持、取締役、アガタ(AGATHA)では、ヒョン・ジミン氏と一緒に共同プロデューサーを務めさせていただいている、イ・グンスンと申します。

ーー本日はよろしくお願いいたします!

子供の頃からの夢を実現するための熱意と想い

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ーー本作の開発に至った経緯を教えてください。

ヒョン・ジミン氏
アガタを開発した経緯としては、会社を立ち上げる当初から持っていた「現実と近未来の世界観で女の子を育成するゲームを作ってみたい」という想いがきっかけです。私は子供の時に「プリンセスメーカー」が大好きでよくやっていました。弊社は作りたいゲームを今まで作ってきており、近未来版「プリンセスメーカー」をつくるという計画をファンディングのために投資家にお話しすることに至りました。

しかし、投資家からは「PC/コンソールバージョンでは当該プロジェクトの事業性がない」という評価をもらい、そのフィードバックについて悩んでいました。そんな時に、育成シミュレーションをベースにしているゲーム「ウマ娘プリティーダービー」に出会い、モバイルへBMを転換すると投資家を説得できるのではと考えたのです。それを説得材料に行動し、投資家に説明した上で現在の『アガタ』の開発資金を得て開発に着手できました。

ーー子供の頃からの夢がきっかけでアガタの開発は始まったんですね。では、本作の開発にかける想いもお聞かせください。

ヒョン・ジミン氏
『アガタ』が日本のユーザーの心をくすぐるゲームになることを願っています。サブカルチャーゲーム好きのユーザーたちに『アガタ』を通じて開発会社『AIRCAP』の名前を知ってもらい、自社の作るゲームのクオリティに対する認識を、一定水準まで確約させられるようになって欲しいという気持ちが大きいです。私やイ・グンスン氏は、今のプロジェクトに多くの時間と熱意を持ってあたっているので、リリースされるその時まで最善を尽くしたいと思っています。

ーー『アガタ』だけにとどまらず、『AIRCAP』を広めたいという熱い想いがこもっていますね。日本で最初にリリースを予定しているとお聞きしましたが、何か理由などはありますか?

ヒョン・ジミン氏
日本はサブカルチャーの本拠地だと考えているのが大きいですね。個人的にも、日本の様々なアニメやゲームに触れていて、私たちが作りたい、アガタで私が語りたいストーリー、盛り込みたいゲーム性について、日本のユーザーと共感できるのではないかという思いがあったのですが、実は開発初期には言い切るだけの自信がありませんでした。

しかし、今回のTGS2023をきっかけに日本にゲームを披露した時、思った以上の方たちが「日本人が好きになれそうな要素が多くある」とお話くださり、私たちもその部分において自信につながり、日本で初めてローンチングできれば良いとは考えましたが、まだ確定にはなっておりません。

本作はまだパブリッシャーが決まっておらず、弊社は開発を行う会社なので、パブリッシャーの意向によっては、韓国や台湾などでリリースする可能性がございます。しかしながら、個人的な思いとしては、日本で最初のローンチングをし、日本のユーザーさんとゲームを通じてコミュニケーションを取りながら意見を伺いたいと考えております。

ーー個人的にも、TGS2023で本作をプレイさせていただいたのですが、カッコいいキャラや可愛らしい演出など楽しめる要素が多く盛り込まれていた印象が強いです!では次に、本作の開発で特にこだわった点、また苦労された点などがあれば教えてください。

ヒョン・ジミン氏
弊社はいくつもの企画を試せる資金を持ち合わせていないため、開発期間の制約に対する不安を抱えたままプロジェクトに着手しました。しかしながらプロジェクトをスタートして、私たちがゲームを通じてユーザーさんたちにどんなメッセージを伝えたいのか、どのようなコンセプトを持たせたいのか等を決めるのは、限られた時間の中では決められるものではありませんでした。

私は企画者でもありますがプロデューサーでもあるため、より良い企画が出た時に、既存の企画を修正するのですが、それによってスケジュールを遅らせることに問題がないか、残りの期間で本当に実現可能なのかの判断を下すのは大変でした。余裕のないスケジュールの中でも、私が望むことを発見し、具現化するために最善を尽くすといった部分が、私が「アガタ」の開発過程において最も苦労した部分であり、深く考えた部分です。

イ・グンスン氏
私は、他社の作品たちと「アガタ」はどんな差別性を持ったゲームにするのか、これを最も重要視して考えていました。まだまだ開発途中なので、今でも悩んではおりますが、最近の市場でリリースされている、そしてリリースを目標として開発中の他社の新作たちをプレイしてみたり、PV等を見た時、演出やグラフィックに対する技術力がとても優れていると考えております。

技術力に真っ向から対抗するには、膨大な資金が必要になると考え、別軸のアピールに力を注ぎました。私たちは、世界観やコンセプトをゲームシステムに最大限に溶かし込み、ユーザーたちにストーリーでの語りのみならず、ゲームシステムを通じても本作独自の表現を浸透させることを目標にしております。

放置型RPGと育成シミュレーションの融合

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ーー読者に向けて、本作の特徴やゲームシステムを簡単に教えてください。

イ・グンスン氏
本作は、収集型RPGをベースに開発を進めており、特にキャラクターの魅力を表現することに力を入れています。キャラクターの魅力を引き出すには、時間をかけてキャラを育てることが重要だと思っているのですが、やはり継続的にゲームを続けるためには、時間がかかるほど厳しくなると思っています。

そこで、本作は放置型RPGと育成シミュレーションという2つのジャンルを組み合わせ、ユーザーの皆様が新しいゲーム体験を得られるように設計いたしました。ユーザーは放置型システムを通じてゲームプレイを継続するほど持続的な成長が体験でき、育成シミュレーションシステムによる、段階的な成長が体験できるようにすることを目標に開発しております。

ーーガッツリゲームを遊びたい時だけでなく、忙しくてあまり触れない状況にも対応しているのは嬉しいですね。本作の注目してほしいポイントと、どんな人にプレイして欲しいかを教えてください。

イ・グンスン氏
RPGか育成シミュレーションゲームが好きなユーザーであれば、楽しくプレイできると考えております。特に、世界観とストーリー部分に関しては、私たちは力を入れているため、そこに関心を持っている方々はより楽しめるのかなと思いますね。

特に注目していただきたい部分は、私たちがこだわっている、そして差別性を作るために総力を注いでいる、世界観とコンセプトをゲームシステムにどのような方法にて溶け込ませたのかをより意識して見ていただけると嬉しいです。例えば、既存のRPGはキャラクターの成長という要素がレベルアップ、覚醒、進化等システム的に表現されてきたと思います。しかし、本作では育成シミュレーションという要素を活用して、よりキャラクター達と共に成長していくといった部分を伝えるために努力してきたので、この部分についてはぜひ注目して頂きたいです。

ーーキャラと共に成長できるシステムについては気になりますね。システム関連で聞きたいのですが、ゲーム内に実装されるコンテンツはどのようなものを予定しているのでしょうか?

イ・グンスン氏
ステージを進むにつれてストーリーを楽しめるメイン戦闘コンテンツをベースに、アガタと装備成長に必要な多様なアイテムを獲得できるデイリー/週間ダンジョン型コンテンツ、他のユーザー達との競争を通じて報酬を獲得できるPVP型戦闘コンテンツ、ユーザー達と一緒に親睦を深め、ボスレイド、他クラブとの競争を進められるクラブコンテンツなど多様なコンテンツをローンチ時点には提供する予定です。

達成感を得られるやり込み要素ありの育成システム

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ーーキャラクターは具体的にどのようにして育成するのでしょうか?

イ・グンスン氏
1人のアガタを選択して一定期間の中で育成を進める方式を予定しています。まだ開発中のため、変更になるかもしれませんが、特定の期間の中でユーザーは、アガタを訓練する任務に就き、いくつかの訓練を通じてアガタを望む目標に合わせ成長させていくことになります。

様々なランダム要素と育成の失敗に繋がる要素も準備されており、目標を達成するまで難しさはあるものの、当該目標を達成した時の達成感は高くなるように設計をしております。

ーーやりがいのある育成が楽しめそうですね。ところで、育成の画面で『カルマ』という見慣れないものがあったのですが、育成要素のカルマはキャラクターに対してどのような影響がありますか?

イ・グンスン氏
システム的な部分においてカルマは、基本的に疲労度と同じ内容です。育成の訓練期間の間、アガタの感情について知ることができ、カルマが高い状態が持続されると機嫌が悪くなる確率が高まり、反対にカルマを低く維持すれば気分が良くなる確率が高くなります。

気分によって訓練の成功率も影響するほか、特別な効果を持つ追加訓練が発生したりします。カルマが一定値以上になると、そのまま育成が終了、育成失敗となるので、継続的に確認する必要がある要素がカルマです。

カルマの世界観的なコンセプト部分を付け加えると、訓練の過程においてアガタでは、人間の強い感情エネルギーをシミュレーションで繰り返し再現し、その過程の中でカルマが蓄積されます。訓練内でこのようなカルマの蓄積と緩和を行えるのが直観訓練です。直観訓練でアガタたちは世の中の知恵が盛り込まれた書籍を読み、習得することで溜まったカルマを減少させることになります。

ーーただの育成要素としてだけでなく、世界観のひとつに組み込まれていることに強いこだわりを感じられますね。カルマ以外にも、好感度が育成画面にあったのですが、好感度を上げることで発生するイベントなどってございますか?

ヒョン・ジミン氏
好感度の話をする前に、まずは育成中に発生するイベントについて解説する必要があるので、先に紹介させていただきます。訓練期間中は、様々なイベントが発生するのですが、大枠としてイベントは2種類に分かれます。訓練を進めていると確率で発生するランダムイベントは、キャラクターのささやかな話が経験できるオムニバス形態のイベントとなっており、親睦を深めながらステータスを上げられるなどの恩恵があります。もうひとつは、一定の期間まで進むことで発生する確定イベントです。本作の育成はマルチエンディングになっているのですが、確定イベントで選んだ選択肢によってエンディングが分岐します。

ここまでの説明で察する方もいるかと思いますが、好感度はランダムイベントの内容や確定イベントの選択肢の変化に影響を与えるんですよね。キャラとの親睦に応じて、段階的にエンディングを見ることもできるので、より愛着が高まるよう体験を得られると思っています。

絶滅の危機に陥った人類を救ったアガタたちの物語

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ーー本作のシナリオは、どのような世界観で描かれていますか?

ヒョン・ジミン氏
反人間的AIとの戦争で絶滅の危機に陥った人類を救った、ヒューマノイドアガタたちが存在しました。人類を救ったヒューマノイドたちは、美徳の象徴となりアガタ(アガタはギリシャ語に基盤を置いた名前で美徳(virtuous)、善(good)を意味)と命名されました。アガタシティとその周りの9個の文明は、美徳を象徴するアガタが保衛する天国と同じような世界に再建されます。危険地域に分類される地域に比べconnet-Aにより安全が保障され、愛、名誉、知恵、信頼、正義など人類の歴史上において価値のあるとされた美徳たちが旗印となり、他危険地域は天国と同様な地域とされることになります。

アガタシティにはアガタタワーが設立され、Connect-A(戦争後敵対AIから人間を守るための技術でアガタたちが人間の存在を認識し守るための中央統制システム)により操作できないイレギュラー達を選別し、当該個体たちにアガタを初期化できる能力と権限を付与、アガタをスクワッドで操作しながら戦闘に効率的に投入、戦闘力量を再考する役割をすることになります。彼らはsynchronization(同期化)から語源を持ってきてシンカー(synchor)と呼ばれるようになり、ユーザーはシンカーとしてゲームをプレイすることになります。

ーー世界観的には、荒廃した世界をアガタたちと建て直している最中と言った感じですかね。リリース時点でストーリーはどの程度公開されますか?

ヒョン・ジミン氏
シーズン1をダンテの「神曲」ベースに考えており、1幕『天国』2幕『地獄』3幕『煉獄』の順でストーリーが展開され、リリース後の2年くらいのストーリーの分量を構想しております。リリース時点では1幕『天国』の中盤部以上のストーリーが展開される予定です。

読者に向けてメッセージ!

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ーー最後にリリースを楽しみにしているユーザーへ向けて一言お願いいたします。

ヒョン・ジミン氏
長い期間ゲームを通じて伝えたいことを話したり、日本のユーザーさんと通じ合える機会があれば良いなという願いを持っております。全ての人がクリエイターとしての仕事をすることは出来ませんが、私たちはゲーム、映画、ドラマなど多様なコンテンツで表現されたキャラクターを通じて自らを投影し、彼らを通じて見た人の人生を変えるだけの力があると考えております。

私自身が作るキャラクターを通じて、人々の苦しんだ心の片隅を優しく慰め、共感できることを願っております。そして私自身が作った叙事を通じて、現代人が考える世界に対する観点を一緒に共有出来る事を願っています。日本のユーザーの皆様とこのような経験が分かち合えるのであれば、私の人生にこれ以上の幸せはないとまで思っています!

イ・グンスン氏
1人のゲーム開発者として、今年参加したTGS2023の経験をとても大切と思っております。また、多くのユーザーの方々に関心を持っていただき、良い評価をしていただき大変嬉しい心持ちで開発を進めていけております。 私もまたゲームという文化が好きな1人のユーザーの心も持っており、ユーザーの皆様が楽しんでいただけるゲームを開発するために最善を尽くしているので、多くの方々に楽しんでいただきたいと思っています!

-お忙しい中ご対応ありがとうございました!

AGATHAの概要

タイトル:AGATHA ジャンル:放置型RPG 対応OS:iOS/Android 価格:基本プレイ無料(一部有料コンテンツあり) リリース予定:2024年予定 公式サイト:https://aircapseoul.com/

今回インタビューさせて頂いたお二人

画像▲AIRCAPの代表兼、アガタ(AGATHA)プロデューサー ヒョン・ジミン氏

画像▲AIRCAPの運営維持、取締役兼、アガタ(AGATHA)共同プロデューサー イ・グンスン氏

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[取材協力]AIRCAP Inc.

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