2024年1月25日(木)に開催された『日本eスポーツアワード』で功労賞を受賞されたYossy(吉村尚志)氏。今回は、Yossy氏にゲームエイトライターがインタビューすることに成功した。『日本eスポーツアワード』功労賞受賞時の感想やeスポーツへの思い、今後のブログ活動についてお話を聞くことができたので、ぜひチェックしてみてほしい。
自己紹介
ーー本日はよろしくお願いします!読者の方に自己紹介をお願いしてもよろしいでしょうか。
Yossy(吉村尚志)氏(以下、Yossy氏):「Negitaku.org」というeスポーツニュースサイトを2002年から運営しているYossy(吉村尚志)と申します。サイト以外にもeスポーツの情報を発信する活動をしており、SNSやYouTube、ポッドキャストなど様々な事に取り組んでいます。
eスポーツが好きで情報を発信したら面白いと思い、21年ほど活動しています。実は個人の趣味で活動していて、8月で22年になります。最近は「生まれる前からあったなんて信じられません!」と言われたりしますね(笑)
ーー21年…すごいですね!ほぼ毎日更新されている感じですか。
Yossy氏:毎日更新したい気持ちで続けています!
ーー改めまして、本日はよろしくお願いします!
Yossy氏:よろしくお願いします!
『日本eスポーツアワード』功労賞受賞への気持ち
ーー『日本eスポーツアワード』で功労賞を受賞されたと思います。会場でもお気持ちを語ってたと思うんですけど、改めて今の気持ちを教えていただけますか。
Yossy氏:今回いただいた功労賞は、皆さんにお世話になって取れた賞だと思っています。純粋に嬉しい思いと、eスポーツサイトには賞やタイトルがなかったので、このような経験ができて信じられない気持ちがありました。個人で運営しているサイトで、賞を貰えると思っていなかったので、すごくありがたいです。
ーー今後『日本eスポーツアワード』は2回、3回と続いていくと思います。今後の意気込みがあれば教えていただけますか。
Yossy氏:次に貰えるとしたら、50年ぐらいサイトが続いた時だと思っています(笑)『日本eスポーツアワード』も50年くらい継続してほしいですね。
ーー我々も機会があったら2回、3回と取材したいと思っているので、ぜひ続けて開催して欲しいですね!
Yossy氏:次は僕も取材する側で行こうかなと思っています(笑)
ーーもしかしたら隣同士で取材しているかもしれないですね!(笑)
Yossy氏:そうかもしれませんね(笑)10回、20回と続いてほしいですね。
ーー『日本eスポーツアワード』は今後どのようなアワードになると思いますか。
Yossy氏:やはりアワードは格式のあるものになってほしいし、受賞された方はやってきてよかったと感じると思います。僕も個人的に受賞報告をしたら、すごくお祝いの言葉を言っていただけたのですごく嬉しかったです。アワードを通じて皆さんから色々な言葉をもらえるものとして、続いてほしいと思います。
今後のeスポーツについて語る
ーー今後のeスポーツはどのような進化をしていくと思いますか。
Yossy氏:少し前に日本のeスポーツは盛り上がっているのか、という記事が出ており、日本は世界に遅れを取ってるみたいな感じでした。僕は20年前の影も形もない時から見ているので、今のeスポーツは信じられないくらい盛り上がっているし、進化していると思っています。日本も色々なゲームでチャンピオンになっていますし、高齢者に対するeスポーツの取り組みも積極的に行っています。
今はゲームをプレイする世代が大人になって、40〜50歳の方が増えてきました。お子さんがeスポーツやっていたり、高齢者施設でeスポーツをやっている方もいて、eスポーツの理解が浸透してきたと感じています。今後は理解のある人が続々と出てくると思うので、拡大していくと思っています。
ーー子供の頃ゲームが好きだった人たちが大人になって子供もいるから、手助けできるようにという流れが来ていますよね。
Yossy氏:以前、選手にインタビューさせていただいた時に、子供の頃にお父さんとFPSオンラインゲームをプレイしていたという話を聞きました。そういう子も増えてきているし、eスポーツが広まっている証拠かなと感じました。
僕の年齢になってくると、家庭や仕事があって限られた時間しか活動できないので、出来るだけ好きなことを発信したいですね。僕の書いた記事を見てプロゲーマーになった選手もいると聞くこともあるので、eスポーツに興味を持つきっかけになる発信をやっていきたいです。
ーー21年続いているからこそですよね。プロ選手になるきっかけになるのはすごいですね!
Yossy氏:僕も書いた記事をきっかけにeスポーツを知って、プロになる人がいるとは信じられなくて(笑)やっていてよかったなと思います。
ーー現在、Yossyさんが注目しているeスポーツのジャンルはどれですか。
Yossy氏:僕は変わらずFPSですね。僕が始めた頃は、「Quake III Arena」「カウンターストライク」というゲームが流行っていました。その波で「VALORANT」もすごく人気なので、FPSを追いかけていきたいです。
他にもeモータースポーツも見ていてすごいと思います。『日本eスポーツアワード』で最優秀eモータースポーツゲーム プレイヤー賞を受賞した宮園選手も、めちゃくちゃ早くてびっくりしていたのに、本人は今年ふるいませんでしたと仰っていて、もっと早い人がいるのかと驚きました。
あとは、僕の世代だと「ストリートファイター」や「バーチャファイター」が流行っていた世代なので、格闘ゲームにも興味があります。格闘ゲームのeスポーツシーンは、歴史はあるけどグローバルだとそこまで盛り上がっていない時期もあったと思います。しかし、今は世界に広がって一大ジャンルになる発展を見るのも面白いです。
ーー僕も「ストリートファイター6」から格闘ゲームを始めました。モダンモードが楽で操作しやすいですよね!
Yossy氏:そうですね!僕の頃は、100円を入れて波動拳が出なくて死ぬみたいな(笑)今は家で出来て、ワンボタンでコンボが出るのですごくいいですよね。
今後のeスポーツ業界について語り尽くす
ーーeスポーツが今後発展するためには、大事にするべきポイントはどこだと思いますか。
Yossy氏:新しい人がeスポーツに興味を持って業界に入ってくれることが重要だと思っています。今は、eスポーツスクールやeスポーツを中心にしたイベントが全国各地で開催されています。身近でeスポーツに触れているお子さんもいっぱいいるので、将来プレイヤーになって活躍する可能性の裾が広がっていると感じます。
若い頃からゲームをプレイしている才能ある子が世界のトップに来る時代になっていると思います。例えば、野球だと大谷選手、将棋だと藤井棋士のような、スーパースターが出てくると、eスポーツの良さを知ってもらえるはずです。スーパースターの選手が将来出てきてほしいですね。
ーーeスポーツにおいて、ブログはどういった位置付けにあるとお考えですか。
Yossy氏:eスポーツ関連を取り扱っているブログは、低コストで好きな情報を発信できるプラットフォームだと思っています。発信は、テキストや画像、音声、動画のようにリッチになっていくほど大変になっていきますが、テキストなら簡単に作れると思います。
ブログは人の色がすごく出るのもいいところだと思っています。eスポーツを見るだけでも感謝しているのですが、見て感動したことをアウトプットすることで、興味を持つ人もたくさん出てきます。
簡単に発信できる時代になって、ブログやSNS、YouTubeも無料で出来るので、次の感動の一歩として発信してみてほしいと思います。
ーー確かに次の世代に発信することが重要ですよね。個性的なブログだと皆さんも見てくれますよね!
Yossy氏:昔、とある大会を取材した時にファンミーティングがあって、参加されたファンの方が書いたブログを拝見したことがありました。そのブログの熱量が凄くて、大好きな選手に会えたうれしさが記事からあふれ出ていました。同じ場にいたけど自分にこれは書けないなと思いました。自分の好きなものを熱量高く表現できるのが、ブログならではだなと思いますね。
ーーYossyさんが考えるeスポーツの魅力は何だと思いますか。
Yossy氏:真剣にゲームをプレイする姿に惹かれますね。僕が見始めた頃は真剣な競技で、侍同士が命の取り合いをしてるみたいでした。ゲームに人生かけて世界一になりたいから戦う姿にすごく憧れるし、僕には絶対できないと思うので、そういう選手が競技をしている世界にすごく惹かれます。
今後のブログ活動や挑戦したいことは?
ーー『日本eスポーツアワード』で25年、50年とブログを続けていきたいと仰っていたと思います。今後のブログを執筆し続けていくにあたり、大切にしていきたいことを教えていただけますか。
Yossy氏:サイトを続けていくことはもちろんですけど、サイトをどう残していくか悩んでいます。サイトを維持していくには、技術的な問題や維持費といったお金の問題があると思っています。僕がいなくなるとサーバーが消えちゃうので、サイト運用と並行して残す方法を探っています。
eスポーツは、新聞やテレビであまり報道されないので、昔の記録がありません。基本的にインターネットしか歴史の記録がないので、サイトを残すことは重要だと感じています。
ーー今後、取り扱うジャンルを増やしたり、挑戦したいジャンルはありますか。
Yossy氏:昔はラーメンのブログなどもやっていたんですけど、続いているのはeスポーツだけですね。僕はどこまでもeスポーツが好きなので、eスポーツの発信はこれからも続けていきたいです。
また、新しいプラットフォームが出たら、eスポーツに関わる情報を発信していきたいです。eスポーツの特性に合ったものを、出していきたいと思います。僕は新しいことに挑戦するのが好きなので、ポッドキャストやYouTubeを始めたり、Flickr(フリッカー)で写真をアップしたりしていますね。
読者・ファンの方に向けて
ーー最後に読者、ファンの方に向けて一言お願いできますか。
Yossy氏:現代はアプリゲームが多いと思いますが、最近はPCのゲームを見てる方も増えてきています。eスポーツは、対戦や競技の部分にフォーカスしたゲームの遊び方で、ゲームを見るのが好きな方はもちろん、プレイも好きという方が多いと思います。
ゲームをプレイするのも面白いですし、上手い人同士の戦いは異次元で、同じゲームとは思えないような感覚になります。真剣にどちらが強いかの勝負や熱気を感じられる世界なので、興味があったらeスポーツに触れてほしいと思います!
ーー本日はありがとうございました!
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[取材協力:Yossy(吉村尚志)氏]
(編集・執筆/ゲーム山本)