2024年3月23日(土)に海浜幕張駅から徒歩1分にオープンした『e-sports place MAKUHARI ACE』。計61台のPC全てがRTX4070Ti搭載のハイスペックPCとなっている上、1人飲みでも楽しめるカフェやバー、大会などを開催できるステージまで備え付けられた当施設の様子を、インタビューを交えてご紹介!
『e-sports place MAKUHARI ACE』とは?
幕張メッセの最寄駅として有名な海浜幕張駅から徒歩1分、新たなeスポーツカフェ『e-sports place MAKUHARI ACE』が3月23日よりグランドオープン!ハイスペックPCでゲームを遊べるのはもちろん、パブリックビューイングやオフラインイベント、カフェで一息つきたい時など様々な用途で利用できる施設となっていた。
本稿では、『e-sports place MAKUHARI ACE』代表の駒澤信一氏と、店長の駒澤奨生氏のコメントを織り交ぜつつ、当施設の様子を紹介していこうと思う。
ハイスペックPCが60台も備えられた千葉県最大級のeスポーツカフェ
当施設を訪れたらまず目を引く光景がこちら。数多のPCが配置されている、大規模なeスポーツ施設ならではの絶景。PCの展示会かと勘違いしてしまうほどの数が取り揃えられている。
このエリアだけで40台用意されており、他にも2つある個室に計10台、ステージに10台、おまけで入り口にあるお試し用1台と合計で61台ものPCが1つの施設に配置されているのだ。
これだけでも十分魅力的なのだが、本件で筆者が推したいポイントは「ただ数が多いだけではない」ということだ。なんと、全てのPCにRTX4070Tiが搭載されており、ほぼ全てのPCゲームを遊べるスペックを有している。
駒澤奨生氏:RTX4070Tiで32GBなので、基本的にはなんでもできます。実際に試してみたんですけれども、本当にぬるぬる動いて快適に遊べましたね。
さらに、最大280Hzのモニターまで備わっており、一般的に普及している150Hz付近のモニターを上回るぬるぬる具合。なんなら、対人戦で本気で勝ちたい勝負をする際は、当施設から挑戦することも視野に入るレベルだ。
駒澤奨生氏:個室には湾曲モニターを採用しています。通常のモニターと比較して、焦点が真ん中にいくので、FPSなんかをプレイする方にはおすすめですね。それと、こういうeスポーツ施設でも湾曲モニターを採用しているお店って珍しいと思うので、使用感を確認したい方などはぜひ一度使って頂ければと思いますね。
さらに、さらに、一つ一つの机が広々としており、マウス感度が低くマウスをブンブン動かす方でも安心な設計となっている。また、多くの人が集える施設ではあるものの、広いスペースを確保することによって、隣に人が座っても存在感を感じにくくなっており、1人でも気軽に来やすい点は魅力と言えるだろう。
駒澤奨生氏:スペースはとにかく利用者が快適に使えるように意識しました。テーブルの上もそうですし、デスク周りも広々としているので、椅子を引けないなんてことも一切ないですね。
駒澤信一氏:ゆとりを持たせるために、当初予定していた3部屋の個室を、2部屋に減らしたりもしました。おかげで、ゲームをプレイする人に加えて、大会運営時の審査員が見守るスペースもしっかり作ることができましたね。
▲格闘ゲームに特化した『アケコン』やレースゲームに特化した『ハンコン』など専門的なものから、通常のコントローラーまで多くの備品をレンタルすることも可能。
一息つきたい方向けのオシャレなカフェスペース
ここまで、数多のハイスペックPCが用意されていることの紹介で忘れている方もいるかもしれないが、当施設は『eスポーツ”カフェ”』である。カフェのメニューには、ラテやエナジードリンクなど11種類の飲み物や、ハンバーグやカレーライスなど8種類のランチプレートが用意されており、しっかりとした食事から、小腹を満たせる軽食まで取り扱っている。
また、夜になるとローストビーフや枝豆といった一品料理から、瓶ビールをはじめとした6種類のビールやカクテル、ハイボールなど計20種類のアルコールも扱っており、ふらっと立ち寄った際の1人飲みから、ゲームで盛り上がった感情を一旦チルするための休憩場まで、利用者の憩いの場となること間違いなしだ。
駒澤奨生氏:当店では、会員パスに1000円チャージをまとめてして頂くことで、ドリンク100円券の配布などのサービスも行う予定です。会員登録が必要になるのですが、全然時間はかからないので、ぜひ活用していただけたら幸いです。
駒澤信一氏:アルコール類は、一般的なバーにあるものは一通り揃っています。ワインもありますし、なんならシャンパンまで用意しています。メニューに関しては、一部、審査が下りるのを待っている物もありますので、今後も増えていく可能性はありますね。
▲大画面のモニターが至る所に設置されているので、どこに座っていてもドリンク片手に開催中のeスポーツイベントや、スポーツ観戦を楽しむことが可能となっている。
eスポーツ大会やイベント開催も可能
当施設では通常の料金プランの他に、貸切プランも用意されており、大規模なeスポーツ大会やイベント開催を行うことも可能だ。オフラインでも30人以上の観客を動員できるスペース、大会の様子を配信できる設備まで完備されており、計60台のPCを動員しての予選会から、決勝戦までを全て『eスポーツカフェ「ACE」』だけで対応することが可能となっている。
駒澤信一氏:ステージは実際かなり費用はかかるんですけれども、一切妥協せずに作りました。ひとつひとつを妥協しちゃうと、全体がみすぼらしく見えちゃうじゃないですか。自分がお客として利用する際には、やっぱり良いものを使いたいということもあって、現在の形になりましたね。
▲実際のeスポーツ大会で見られる、照明の色を続々と変える演出まで披露してもらえた。いつもは配信でしか見たことのないライトアップを間近で見られて、テンションが自然と高まるのを感じられた。
代表の駒澤信一氏と店長の駒澤奨生氏にインタビュー!
ーーまずはじめに、お二方の自己紹介をお願いします。
駒澤信一氏:普段は運送会社を経営しており、『e-sports place MAKUHARI ACE』でも代表をさせて頂いております、駒澤信一と申します。eスポーツ施設に関しては、基本的にバックヤードにいて、若い子達を中心に運営を行っていこうと思っています。よろしくお願いします。
駒澤奨生氏:『e-sports place MAKUHARI ACE』で店長をさせて頂いております、駒澤奨生と申します。以前までは、プロゲーマーを目指してeスポーツの競技シーンを中心とした活動を行っていました。よろしくお願いします。
ーーeスポーツ施設を作ろうと思った経緯を教えてください。
駒澤信一氏:キッカケになったのは、6〜7年前にウチの息子(店長の駒澤奨生氏)が「大学に行かない」と直訴をしてきてですね、「じゃあどこに行くんだ?」と聞いた際に「eスポーツの学校に行きたい」と言われた所からはじまりました。
それからしばらくして、コロナが流行り、「お家で過ごす方が増えた一方で、eスポーツの大会や外でゲームを遊べる場所が減ったよね」と息子が言ったんですよね。どうしても大会などが開催されなくなると、埋もれてしまう選手が多くなってしまうので、「それなら、大会を開催できて、ゲームも遊べる場所を作れたら面白いのではないか?」と考えたことが型になったのが今回オープンした『eスポーツカフェ「ACE」』です。
ーー今回、海浜幕張という場所に当施設をオープンした理由はどのような所でしょうか?
駒澤信一氏:海浜幕張でオープンしたのは、やっぱり幕張メッセの存在が大きいですね。大規模な大会が開催されるイベント地として知られていることと、僕の自宅が海浜幕張にあることが主な理由ですね。
他にも、会社やホテル、海外の方が多いことも挙げられる上、このエリアはマンション群が多くてですね、子供の数も年々増えておりますので、これからeスポーツ施設を続けていくなら最適な場所だったのかと。
ーーZOZOマリンなんかも近いですからね。
駒澤信一氏:そうなんですよね。僕の会社もロッテさんと少し提携させて頂いているので、何かしらコラボなんか出来たら面白いなぁと思ってたりしますね。
ーーeスポーツ施設を建設するにあたって、どのような進め方で設計を行なったのでしょうか?
駒澤信一氏:全て私と店長をはじめとしたスタッフ、設計の方やPCCSさんとやり取りをしながら、設計を進めてきました。店内の色合いやPCの性能、細かく言っちゃうと全部をひとつずつやってきましたね。朝から夕方までここで確認や打ち合わせ等を行なっていたので、「僕の本業はなんなんだろうな?」と最近思うようになりましたね(笑)。
内装に関しては、僕が10年くらい飲食店の経験があるので、主にカフェ部分を担当して、デバイス関係は主にPCCSさんと店長が担当して、頭の中にあるイメージを実際の施設として落とし込んでいきました。
特に、小物関係には時間をかけていて、数十回に渡って追加工事を行なってきました。やっぱり、実際の形ができないと、どこに物を配置するかのオペレーションができないですからね。
当初の予定では1月に当施設をオープンする予定でしたが、書類関連の受理が遅れたりした影響で、2ヶ月ほど遅れての3月23日オープンとなりましたね。
ーー建設中に大変だったエピソードなどはあったりしますか?
駒澤信一氏:カウンターの設計を作る直前に変えたことですかね。カウンターの厨房と、外との区切りをどうするかで非常に悩みました。実際に、秋葉原や板橋にある店舗やネットを見て回り、聞いて回り、自分たちが思い描いているものを形にしていき、今の姿にするまでが一番大変だったかもしれないですね。後は、判子1個にも2週間くらいかかったりしたこととかですかね(笑)。
ーーカフェやバー、レンタルステージなどが併設されていますが、なぜこのような施設をあわせて作ろうと思ったのかを聞かせて頂きたいです。
駒澤信一氏:一番最初は「30台ほどのPCを設置した施設を作ろうか」くらいの想定ではじまったんですよ。店舗も千葉中央の飲み屋街のあたりでオープンしようと考えていましたし。と言うのも、自分の中でのeスポーツ施設が、暗くて入りづらいイメージだったので、その印象に引っ張られていたんですよ。
ただ、それだと面白みがなくて、誰でも考え得る施設にしかならないなと思ったので、「カフェをやってみてはどうだろうか」となったんですよ。先ほども申したように、自分に10年近くの飲食店経験があったことも後押しになりましたね。
併設する施設で、一番悩んだのはステージです。物凄くお金がかかりますし、場所も取りますからね。「ステージを置いたとして、実際の集客に繋がるのか?」などかなり悩みましたが、最終的には、自分がイメージした施設にステージが欠かせない要素としてあったのが決め手になりました。
ーー大会などのイベントがない時は、ステージってどのように活用されるのでしょうか?
駒澤信一氏:イベントがない時には、コーチングを行なったり、小さい子供からシニアの層まで参加できる、脳を活性化させる教室を開催しようかなと考えています。スポーツ専用の配信サイトであるDAZNさんとも契約させて頂いているので、eスポーツの大会がない時は、ドリンクを片手にスポーツ観戦で盛り上がれる、パブリックビューイングの場を提供する予定ですね。
ーー当施設のコンセプトはどういった所でしょうか?
駒澤信一氏:「派手でなく、暗くなく、明るく入りやすい施設」をコンセプトにしました。入り口が広々としているので、エレベーターで上がってきた方々の視界に、スタジオとカフェが見えるようになっていますし、PCエリアは、ガラス張りで中を確認できるので、親御さんが安心できるように設計しました。
入り口にはデモ用のPCとモニターを置いて、eスポーツ施設であることの宣伝もしっかりできるようになっています。待ち時間なんかに、子供がちょっと触ったりして遊ぶこともできますからね。
ーー「この施設をもっと拡張しよう!」などの今後の展望をお聞かせ下さい。
駒澤信一氏:長期間かかっても良いので、お店全体でeスポーツの主催をしたいですね。ウチにはeスポーツを得意とした従業員が10名ほどいるので、1〜2チームなら作れちゃいますと。実際にお客様が「eスポーツのゲームをここでやりたいよね」と仰ってくれた時に、お客様とウチの従業員と集まって対戦を行なったりなどを考えています。
ーー店舗数を増やしていく予定などもあったりしますか?
駒澤信一氏:そうですね。ここを海浜幕張の1店舗目として、将来的には店舗を増やしていきたいとは思っています。自分としては、千葉に本社がありますので、千葉のeスポーツ施設『e-sports place ACE』という名前を有名にしていきたいと考えています。まずは、千葉からはじめて、10年後とかには数店舗に増やして、エリアも県外に拡張していきたいという夢は持ち合わせています。
ーー当施設で『RAGE』のような大規模大会を開催する予定などはありますか?
駒澤奨生氏:幕張メッセで開かれるような大きな大会は、まだまだ難しいと思うんですけれども、将来的には『RAGE』に出ているような配信者や、プロの方だったりをお招きしてイベントが出来たらなという想いはありますね。
ーー例えば、どなたを招待したいとかってありますか?
駒澤奨生氏:個人的には、『SHAKA』さんや『ボドカ』さんをお招きしたいですね。やっぱり、日本のeスポーツ界隈において影響力が高い方々の力も借りつつ、eスポーツは広げていく必要があるなと常々思っているので。
ーー実際に開催するなら、どういった大会にしたいですか?
駒澤奨生氏:そうですね。やっぱり当施設には、60台もPCが揃っている関係で、大規模な対戦ができるバトルロワイヤルなんかとは相性が良いのかなと思ってて、それこそ『Apex Legends』だと丁度60名で遊べるので、他では味わえない白熱した大会を開催したいですね。
駒澤信一氏:自分の方は、〇〇甲子園みたいな感じで、年齢別で参加できる大会を開催したいですね。今月は小学生、来月は中学生みたいな感じです。例えば、千葉県からスタートして、ゆくゆくは全国でブロック分けして予選を行い、勝ち上がってきた方々には東京で決勝戦!みたいなイメージですね。それぞれの年代別に合わせた大会を、主催できたら面白いかなと思っています。
ーー最後に、記事を読んでくれた方に向けて一言お願いします!
駒澤奨生氏:日本はゲーム大国と呼ばれていますけれども、日本でeスポーツに携わっている人口って、海外に比べたらまだまだ少ないと思うんですよ。よりeスポーツを普及していくには、ゲームをプレイしない層にもアピールをしていく必要があると思うんですよね。なので、気軽に来れるお店作りを行い、「やらないけども、知ってもらう」という流れに持っていけたらと考えています。
挑戦という形にはなりますが、eスポーツもスポーツと同じで、選手も応援する方も白熱できるコンテンツなんだよという事を知ってもらえたらなと思っています。
駒澤信一氏:自分からは、eスポーツってただのゲームではなくて、デバイス関連知識やプログラム周りの使い方の部分も含んでいると考えています。小さな子供からシニアの方々まで、脳の活性化を行えますし「怖くも難しくもなく、誰でも楽しめるんだよ」という事を広めていければと思います。
ーーお忙しいところ、お時間いただきありがとうございました!
海浜幕張に誕生した憩いのeスポーツカフェ
ここまで「e-sports place MAKUHARI ACE」の施設取材をレポートしてきた。
eスポーツ体験ができる施設となっているだけでなく、カフェやバーとして利用することもしやすい雰囲気となっていた。海浜幕張駅から徒歩1分程度と足を運びやすくなっているので、幕張メッセ等でイベントが開かれている時などにでも、ぜひ当施設の明るくて入りやすい雰囲気を体験してもらいたい。
『e-sports place MAKUHARI ACE』の概要
[取材協力]e-sports place MAKUHARI ACE
(編集・執筆/いの)