全国で開催されるeスポーツイベントのネットワークを手掛ける「コーユーイノテックス」の西浦氏・中西氏・高橋氏にインタビュー。大小様々なeスポーツイベントを手掛ける舞台裏についてはもちろん、福利厚生や制度についても細かく聞くことができたので、eスポーツイベントに興味のある方はぜひチェックしてみて欲しい。
自己紹介
▲左から中西氏、高橋氏、西浦氏。
西浦智氏(以下、西浦氏):コーユーイノテックス株式会社で営業をしている西浦です。主にeスポーツ関連の業務に携わっており現場の責任者をしています。
中西康貴氏(以下、中西氏):コーユーイノテックス株式会社でソリューションサービスグループの責任者を務めている中西と申します。1998年に入社しまして今年で26年目になります。
高橋彩氏(以下、高橋氏):コーユーイノテックス株式会社でコーポレート推進室業務管理チーム・総務・人事担当をしている高橋と申します。基本的に総務系の仕事に関わっていて事務作業をメインに行っています。
全国のeスポーツイベントを支える裏側とは?ネットワークを手掛ける仕事内容に迫る
ーー御社は全国各地で開催されているeスポーツイベントに携わっていると思います。主にネットワークを手掛けていると思うのですが、具体的な仕事内容を教えていただいてもよろしいですか。
西浦氏:仕事内容を簡単に言いますと、イベント中にトラブルなくインターネットが使える環境を整えています。イベントにはお客さんが直接会場に来るイベント、オンラインで配信するイベント、収録して配信などで使うイベントなど様々な用途があります。その用途に合わせて適切なネットワークの設計や構築、保守をしています。
ーーオンラインやオフラインによってネットワークの作り方も変わってくるのでしょうか。
西浦氏:オフラインイベントはサイドコンテンツやウォッチパーティーという会場に足を運ぶことで楽しめる施策がたくさんあるので、広い範囲で設計する必要があります。片やオンラインだと、少し狭い範囲の中でネットワークを設計する必要が出てくるので、用途によって組み方が違ってきます。細かい用途を主催者さんと話をして、どういうネットワークが必要なのかを調整して提案をしていますね。
ーー教育分野に向けたeスポーツの取り組みも行っていると思います。教育関係のやりがいや難しい部分を教えていただけますか。
西浦氏:教育分野に対しては個人的な思いがあって、僕自身が昔からすごくゲームが好きだったのですが、学生時代は「ゲームをやるな!」と言われてきました。現在は時代も変わってきて少しずつですがゲームと教育の距離が近くなってきた気がしており、ゲームを楽しみながら友達と協力して、作戦を立てて、時にはぶつかりながら相手の行動に対処する。そんなPDCA的な思考やコミュニケーション能力、状況を言語化する能力の上達にeスポーツを使った企画を学校に提案しています。
eスポーツ好きな気持ちが大前提!イベントを成功させる秘訣とは?
ーー御社は『RAGE』の技術パートナーや、全国各地の大小様々なeスポーツイベントに関わっていると思います。今までどのようなイベントを手掛けてきたのか教えていただけますか。
西浦氏:私の所属している部署は“eスポーツ”という名前がついているのですが、ここ直近で言うとeスポーツ以外のイベントの案件も結構増えてきています。例えば、ゲームコンテンツを使ってインフルエンサーさんを際立たせるイベントや、ライブとeスポーツが混ざったイベントなどもあります。eスポーツだけに囚われない様々な要素が混ざり合ったイベントにも関わらせていただいています。
ーー大会だけではなく幅広いイベントを手がけているのですね!ネットワークを構築するにあたって気をつけていることを教えてください。
西浦氏:出来たばかりの大きい施設だったり、歴史のある建物だったり、インターネット環境がない場所でeスポーツ大会を開催する場合は、事前に会場様と密に調整してネットワークを作っています。ちゃんと許可を取りながら作らないと会場の方々も不安になってしまうので、その部分は徹底してやっていますね。あとは、会場が大きいとネットワークも多岐に渡るので、2万人以上のコンサート会場とかは痺れる案件ですね。
ーー2万人以上の規模になると想像するだけでも気が遠くなります…!ネットワーク構築の中で大変だったエピソードを教えていただけますか。
西浦氏:少しテクニカル的な話になりますが、ネットワークを構築するのに色々なルールがあります。会場によってはルールから外れてしまうケースも発生します。なので、どういう風にルール内でクリアしていくかという部分が、苦労するポイントでもあり、やりがいのあるポイントでもありますね。
例えば、建物の一番上の階でネットワークを使いたいのに、地下からしか引けない状況だった時は「どうしよう…」となりますね(笑)端から端までになってくると導線をどうするか、他のケーブルの邪魔にならないか、電気設備に干渉しないようになど、色々調整することが出てくるので、何回も担当者と打ち合わせして進めるのが大変です。
ただ、様々な会場に関わってきた知見を持っているので、経験の積み重ねが僕らの強みになっていると思っています。みんなで意見を出し合いながら進めていけるようになっているので、技術が上がってきたと感じていますね。
ーーeスポーツイベントに携わる仕事には、どのような方が向いていると思いますか。
西浦氏:もちろんeスポーツが好きな気持ちが一番優先されるべきだと思っています。そこからテクニカル的な部分やマインド的な部分に分けてお話ししていきます。テクニカル的な部分は、ネットワークはイベントの血液だと思っているので、止まってしまうとイベント進行に支障が出てしまいます。イベントにおいて責任重大な役割なので、毎日スキルアップして知識や経験を積み重ねることが大事だと思っています。なので、常に挑戦することに抵抗のない方が合っていると思うので、そういった方は非常に向いています。
もう一つマインド的な話をしますと、言われた通りに仕事をするだけだと60点だと思っています。イベントは生モノだと思っているので、どのようなトラブルが起きそうなのか、どのような追加の要望が出そうなのかを想像して、準備することが大事になってきます。どういう状況になってもすぐに動けるようにシミュレーションがきっちりできていると、トラブル時の初動が全然違ってくるので、常に危機感を持っている方も、向いていると思います。
ネットワーク事業の最先端を走る!様々な資格を取得できる環境にも注目!
ーーeスポーツイベント以外にも様々なネットワーク業務を経験できると思いますが、どのような仕事内容がメインになってくるのでしょうか。
中西氏:eスポーツイベント以外の業務で言いますと、建設業界や不動産業界、イベント業界、法人オフィスなどの仮設事務所のインフラ工事などをしています。実はeスポーツに携わる仕事は案件の二割ぐらいなので、その他の時間は一般オフィスと仮設事務所のネットワーク工事を行っています。作業内容はPC1,000台以上の規模から、2〜3台規模のネットワーク工事など様々な作業があります。最近は監視カメラや入退室管理の工事なども行っています。
入社当時は、ネットワーク工事が無く、親会社のコーユーレンティアのレンタル備品であるOA機器の保守メンテナンスをメインにやっていましたね。
ーーなんでもやっていたんですね!業務を通して具体的にどのようなスキルを身につけることができますか。実際に社員さんが取得しているスキルや資格を教えていただけますか。
中西氏:資格に関しては、会社から取って欲しいものを明確にしています。難易度は入社年数によって決めていて、ネットワークの資格、第二種電気工事士、施工管理技士などを取得できるようにしています。資格取得支援制度もあるので、難易度によって報奨金が出る嬉しい特典も用意されています。
西浦氏:僕らの会社の業態としても、毎年少しずつ変わるので、変化に合わせて我々も変わっていかないといけない業界だと思っています。
ーー御社に依頼の来る一番多い案件を教えていただけますか。
中西氏:案件で一番多いのは、建設業界の仮設事務所へのネットワーク構築ですね。札幌、仙台、東京、埼玉、名古屋、大阪、広島、福岡、熊本と全国に拠点が9ヶ所あって、全ての拠点が手がけている事業になります。
信頼されるサポートを目指す企業理念!「シンカ」に込められた意味とは?
ーー御社のホームページに掲載されている「Be a best partner with ICT」にはどのような意味が込められているのでしょうか。
高橋氏:お客様がICTを導入する中で、最も信頼ができるベンダーでありたいという思いが込められています。そのために社員一人一人がICTを熟知して営業と共に、お客様と真摯に向き合って信頼を得ることが重要だと考えています。
ーーその目標に達成するためには、どのように仕事と向き合えばよいとお考えでしょうか。
高橋氏:お客様の潜在的なニーズを読み取り、ICTを使った提案をしていくことが大事だと思います。課題を抱えているお客様は新たな突破口を開きたいと考えている方が多いので、私達も常に新しい技術や資格にアンテナを張って様々なことに対応できるように準備することが重要だと考えています。
ーー「シンカで期待を超えていく。」という理念を掲げていると思うのですが、進化するために大事なことを教えていただけますか。
高橋氏:カタカナのシンカには、深化と進化の二つの意味が込められています。今の市場を深く耕すという深化と、新たなサービスに挑戦する進化の両方の意味合いを持たせるために、あえてカタカナにしています。社員としての心構えや意識、行動面などにおいて、会社経営方針であるESG(Environment Social Governance)を常に意識して取り組むことが大事になってきます。
弊社は特にダイバーシティインクルージョンを含む、働きやすい職場環境作りを重視しています。コーユーイノテックスで働いてる人を見てもらって、周りから「あそこで働きたいな!」と思ってもらうことが大事だと思っています。
スキルアップは会社負担!?己を磨くことで報奨金も
ーー通信教育制度で100以上のコースが用意されていると目にしました。通信教育で取得できる資格や免許をいくつか教えていただけますか。
高橋氏:人気があるものですと色彩検定や衛生管理者、簿記、第二種電気工事士ですね。実際に業務で取得する資格は、テキスト代とかも全て会社負担になるので受ける方が多いです。また、資格を取ると報奨金制度も受けられるようになっていて、会社全体で資格取得に力を入れています。
西浦氏:報奨金は臨時ボーナスみたいな形で出るので、会社として資格取得を応援していきたいです。将来のためにもなるので、社員のモチベーションアップに繋がれば嬉しいですね!社内報で資格取得者の方の発表も行っているので、切磋琢磨しながら成長できる環境が整っていると思います。
ーー今後、取得できる資格を増やしていくことはあるのでしょうか。
中西氏:現在でも技術的な資格で新しいものが出てきているので、ネットワーク関係の新しい資格が出てきたらその都度追加していきます。年に1回アンケートを実施して、追加して欲しい資格を聞いたりしています。
他部署の先輩社員と話す機会も!?活発な社内交流も魅力!
ーー研修のフローや実際に行っている研修内容を教えていただけますか。また、研修後の配属はどのように決定されるのでしょうか。
高橋氏:研修は入社後、人事部による基礎研修が一週間行われた後に、親会社のコーユーレンティアとの合同研修があります。そこで会社の経営状況や各部署の業務内容、パソコンを中心とした商品研修、取引先の訪問研修など会社への理解を深める研修を行っています。2年目からも他部署の先輩と新入社員が話して悩みごとや、業務上のアドバイスをする面談もあるので働きやすい環境だと思います。
西浦氏:他部署の先輩になら普段は言えないことも喋れると思うので、悩みを解決できるようなコミュニケーションが取れるように会社として工夫しています。部署だけではなく勤務地も違う人と喋るので、かなり相談しやすい環境が整っていると思います。
高橋氏:配属については研修の後に人事部の方との面談があって、ほぼほぼ希望通りの部署に配属になる流れですね。状況によっては、東京から関西に行けるチャンスもあります。
ーーしっかりとした研修システムで安心ですね!全国各地の拠点の方とどのようにコミュニケーションを取っていますか。また、どのような社内行事が行われているか教えていただいてもよろしいですか。
高橋氏:本部や責任者は、毎月一回全国会議があるので、意見交換や報告を行ってコミュニケーション不足を解消する仕組みがあります。
社内イベントや交流会なども定期的に行っているので、コミュニケーションを取りやすい環境を整えています。
西浦氏:お金も会社から年3回まで一定数の金額が支給されるので、みんな利用して食事に出かけたりしています。もし、参加できなくても行けなかった分を貯金できるので、少しいい場所に行きたい時は1回我慢して次を豪華にしています(笑)
あとは、忘年会ではビンゴ大会も開催して、ギフト券ほか豪華景品を用意して盛り上げています。忘年会やフットサル、バスケットボールなどを開催しており、部を跨いだコミュニケーションもとても活発です。
メリハリの利いた職場環境が特徴!注目の福利厚生や制度は?
ーーインタビューしていて和やかな雰囲気で仕事をしている方が多いと感じました。会社全体としては、どのような雰囲気で仕事に向き合っている方が多いのでしょうか。
高橋氏:内勤者は自席があるので、パソコンを使って商品の手配を行うのですが、手配ミスなどの失敗が許されないので、比較的静かに作業をしている方が多いですね。営業職の方はフリーアドレスで席が決まっていないので、好きなところに座って比較的自由に仕事をしています。ただ、緊張感がありながらも困った時はお互い助け合う雰囲気はあります。
西浦氏:現場は緊張感MAXで仕事をしてるので、仕事中は凄く厳しいですね。しかし、終わったら後はプライベートのように仲良く話しています。締めるところは締めて、緩めるところは緩めるメリハリのある仕事環境だと思います。
高橋氏:また、レンティアグループ全社で週に一回在宅勤務が認められています。ミーティングも自宅から参加でき、働きやすい環境が整っていると思います。
ーーオンとオフのメリハリがしっかりしているんですね!福利厚生に温泉保養所や独身者帰省補助など独特な制度を目にしたのですが、特に社員さんに人気のある制度は何になるのでしょうか。
西浦氏:特に人気のある制度は、独身帰省補助制度です。弊社は全国に拠点があるので、単身赴任した人が遠方に家族がいる場合、月に一回の移動費が支給されます。会社から支給された補助金で、家族の元に帰って子どもの顔を見るために使っている方が多いと思います。
中西氏:対象は30歳未満の独身者なので年齢制限が付いてしまいますが、昨年から年3回の帰省補助制度が出来ました。また単身赴任者は、今まで年12回の帰省補助が4回増え年16回になっています。
高橋氏:家賃補助も人気の制度の一つです。以前は通勤に2時間以上かかる人が家賃補助を受けられる制度だったのですが、今年度からは2時間かからなくても家賃補助を受けられる制度に変わったので、利用する社員が一気に増えましたね。
ーーかなり充実しているんですね!今後、どのような制度を増やしていきたいとかありますか。
中西氏:今後導入したい制度は、資格報奨金制度を資格手当制度にしたいと考えています。資格を持っていれば、毎月の給与に加算して支給できるようにしたいです。2年〜3年後ぐらいには、制度を作りたいなと思っていますね。
読者の方に向けて一言
ーー最後に読者や就職活動中、転職活動中の方々に向けて一言いただいてもよろしいですか。
西浦氏:弊社は2019年に営業部門ができまして、独自で顧客を開拓していくようになってきています。その時にeスポーツがスタートして『RAGE』のビジネスパートナーに任命されまして、ネットワーク技術で回線が途切れないことと、イベント中の見守りサービスが大きく評価されています。
先程からお話の中で出ているイベント系の仕事もかなり依頼が来ており、『RAGE』の大会も含めて色々なイベントに携われるチャンスがあるので、一度興味持っていただいて会社のことを少し調べていただけたらと思っております。現在、サービス事業と営業の方も募集しておりますので、ぜひご応募ください!
僕としては楽しいことをやりたくて、もちろん締めるところと緩めるところのメリハリを付けて仕事ができる仲間が欲しいと思っているので、挑戦が好きな方と一緒に仕事をしたいです。個人的にストリートファイターを練習しているので、教えてくれる人が入ってくれたら嬉しいです(笑)
高橋氏:周りの方がすごく優しくて、困りごとがあっても嫌な顔せずに相談に乗ってくれるので、私はこの会社に入って良かったと思っています。意見に対して否定ではなくアドバイスをもらえるので自分の成長に繋がる環境があり、自ら行動して積極的に活動したい方におすすめの会社だと思うので、ぜひ応募をお待ちしております!
中西氏:物を作るのが好きとか、ネットワークが好きとか色々な方が在籍しています。中には全くの未経験の方も入社しています。興味のある方は是非応募していただければと思います。社内研修を行って一人前に育てていきますのでぜひよろしくお願いします!
ーーお忙しい中、ありがとうございました!
『コーユーイノテックス株式会社』の概要
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[取材協力:コーユーイノテックス株式会社]
(編集・執筆/ゲーム山本)