2024年2月12日(月)に開催された『ぷよぷよeスポーツ』の公式プロ大会「ぷよぷよグランプリ」をゲームエイトライターが実際に取材することができた。熱戦が繰り広げられた大会の様子を、優勝者インタビューを交えながらお届けする。
「ぷよぷよグランプリ 2024 2nd」とは?
「ぷよぷよグランプリ」は『ぷよぷよeスポーツ』の公式プロ大会。「ぷよぷよチャンピオンシップ」からレギュレーションが変更され、新たなルールのもと開催されている。
出場選手全33名を8グループに分け、グループごとにリーグ戦を実施し各グループ1位の選手が決勝戦に進出。予選を勝ち上がった全8名によるダブルイリミネーション方式のトーナメント戦が行われた。
一度負けても「ロウワーブラケット」に移動し、そこで勝ち抜いていくことで復活。グランドファイナルへ進出し、再び優勝争いに参加する権利を得られる。
しかし「アッパーブラケット」を順当に勝ち抜いてきた選手に対して不公平が発生しないよう、「ロウワーブラケット」の勝者がグランドファイナルで勝利した場合は「リセットマッチ」と称して再戦が行われるという形式だ。
さらに全ての試合は10本先取で行われ、「ぷよぷよチャンピオンシップ」とは違った戦略を練って挑む必要があるところも大きな違いとなっている。
本大会は有観客で行われ、たくさんの観客による声援や拍手の中で大きな盛り上がりを見せた。年齢層も幅広く、子どもたちによる大きな声援が会場を暖める様子も印象的だ。
大会MCは石飛恵里花さん、実況解説は前回1stに引き続きALFさん、momokenさんが担当した。
自身もぷよぷよのプレイヤーとして有名なお二人だが、そんなお二人による解説も大会の見どころのひとつ。
選手の戦略の細かな動きや試合が進むにつれての心境の変化、選手が使用している積み方の説明など、ぷよぷよのルールやプロの試合にあまり詳しくないという方でも楽しめるようになっている。
息を呑むほど熱い試合が繰り広げられたアッパーブラケット
トーナメントは1回戦から見逃せない試合が続いた。
live選手vs.ぴぽにあ選手の試合では、7-7と接戦の状況で2連鎖全消しをぴぽにあ選手のみが見つけるという有利な状況から、live選手が完璧に対応し本線につなげリードを奪う。そのまま10-8で勝利をもぎ取った。
配信外で行われたアッパー2回戦、delta選手vs.マッキー選手の試合ではdelta選手による16連鎖も飛び出すなど大迫力の試合に。
最後は全消しを含む攻撃で押し切り、マッキー選手が勝利を掴んだ。
もう一方のアッパー2回戦ではlive選手vs.ともくん選手という注目の対戦が行われた。
どちらも一歩も譲らないシーソーゲーム。8-7の場面でlive選手による攻撃が刺さりlive選手有利かと思われた中、ともくん選手がギリギリまで粘って繰り出した12連鎖で逆転。
そこで流れを引き寄せたか、怒涛の3連取でアッパーファイナルへと駒を進めた。
アッパーファイナルはマッキー選手vs.ともくん選手。
序盤は高火力勝負でともくん選手が優勢の形だったが、それを見たマッキー選手が早めの攻撃で連鎖を潰す戦法に切り替え追いついていく。
▲勝利を決めた瞬間、ともくん選手からガッツポーズも飛び出した
6-6までシーソーゲームが続いたものの、そこからともくん選手が対応に慣れてきたか、リードを広げていく。
最後はともくん選手が自分から果敢に攻め、2連鎖トリプルで一気に勝利を決めた。
波乱あり、笑いあり(?)のロウアーブラケット
アッパーブラケットで敗退した選手も勝ち抜けばグランドファイナルへの切符を掴めるロウアーブラケット。
ロウアーセミファイナルは、丁寧な対応による防御から繰り出す大連鎖が強みのdelta選手vs.小連鎖などを駆使した速攻が魅力のTom選手という、戦法では真逆とも言える選手による試合が繰り広げられた。
試合は9-9という大接戦に。最後は2連鎖ダブルの攻撃でdelta選手に本線発火を強制させ、完璧に連鎖を伸ばしきっての12連鎖でTom選手が勝利。
勝利を確信したTom選手によるカメラに近づいてのアピールは会場の笑いを誘った。トークの面白さにも定評のあるTom選手らしいサービス精神溢れる一面が見られる場面だ。
そして迎えたロウアーファイナルは、アッパーファイナルで敗退したマッキー選手vs.ロウアーを勝ち抜いてきたTom選手。
実はアッパー1回戦に続いて本日2戦目となるこのカード。早い攻めに対する対応力が非常に優れたマッキー選手はTom選手の攻撃を寄せ付けず、10-3と差をつけて、マッキー選手がグランドファイナルへと駒を進めた。
舞台はグランドファイナルへ!優勝を掴むのは…!?
グランドファイナルは、アッパーファイナルに続いてともくん選手vs.マッキー選手というカードとなった。
12月に行われた「ぷよぷよグランプリ 2024 1st」の覇者マッキー選手と、前回は惜しくも予選落ち、リベンジに燃えるともくん選手。果たして優勝はどちらの手に…!?
火力勝負に持ち込むことを嫌って中盤戦に持ち込みたいマッキー選手の攻めもあり、一歩も譲らぬシーソーゲームに。
しかしそこから一気に流れが変わる。ともくん選手はマッキー選手の動きを冷静に待ち、攻撃をいなしてからの本線勝負という戦法をブレることなく貫いた。
4-5から怒涛の6連取を決め、10-5という結果で優勝を勝ち取った。
▲決勝トーナメントの最終結果はこちら!
ともくん選手にインタビュー!
なんと、優勝したともくん選手にインタビューする機会をいただけた。今回の大会の感想や、次回の大会に向けての意気込みを語ってくれている。
-マッキー選手との試合は2試合ありましたが、2試合目に向けてのプランなどはありましたか?
ともくん選手:
その場の盤面を見て判断して、ここはこうした方が有利を取れるんじゃないかと考えながら戦っていました。
-グランドファイナルの序盤は慎重に進めているようなシーンもありましたが、出方を伺っていたりもあったんでしょうか?
ともくん選手:
そうですね。試合前に(マッキー選手から)「火力出せない日なんだよね」っていうお話を聞いていて、とりあえずいい形を組まないと中盤も本線もやっていけないので、いい形を組むように徹底していました。
そうしたら、今日なかなか打てなかった16連鎖12万点も出せて、試合を有利に進めることができました。
あとはグランドファイナル以外ずっと2P側(画面右側)だったんですが、グランドファイナルは1P(画面左側)でプレイできたのもあって気持ちに余裕が生まれたのかなと思います。
-レギュレーション変更(10本先取、ダブルイリミネーション形式)による影響などは感じますか?
ともくん選手:
実力が出やすくなったし…自信はあったので、直前は調子が悪かったんですが、予選を抜けられたら決勝トーナメントは気合いでなんとかなるんじゃないかなという思いがありました。
あとは気楽にリラックスしてできるかなと。1ミスの影響が小さかったりするので。
10先については、これまでオンラインなどでマッキーさんに10先で勝ったことがなかったので「勝てるかな?」という気持ちはあったんですが、勝つことができてよかったです。
-次のファイナルに向けて、「こうやって練習しよう」「こう仕上げてこよう」などありますか?
ともくん選手:
ファイナルはめちゃめちゃ強い人がたくさん出てくるので… 今はアマチュアもめちゃめちゃ強い人が多くて、できることを増やしながらその場に応じて択を広げられるような練習をしていきたいかなと思います。
-ファイナルではともくん選手に憧れているという若手選手も出場しますね。
ともくん選手:
そうですね。いやー…対戦するのがめちゃめちゃ楽しみですね。
やっぱり強くて負ける可能性も全然あるんですけど、ファイナルでは勝ちたいなと思います。
今回もたくさんの方が観戦に来てくださっていて、いいところを見せられてよかったです。
次回は3月17日(日)のファイナル!
次回のグランプリは、2024年3月17日(日)に開催されるファイナルだ。ファイナルも有観客で行われるため、2023年度の「最強」が決まる大会をぜひその目で見届けに行ってみてはいかがだろうか。
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ぷよぷよeスポーツの概要
(編集・執筆/はちたろう)