ファイアーエムブレムエンゲージ(FEエンゲージ)の評価レビュー記事です。実際にプレイした攻略班の感想を掲載していますので、面白いかどうか気になる方は購入の参考にしてみてください。
※シナリオの詳細なネタバレはありませんが、内容についての評価を記載しておりますので閲覧の際はご注意ください。 |
総合評価 | ||
---|---|---|
45.1点/60 | ||
キャラ・世界観 | グラフィック | 戦闘 |
8/10 | 8.6/10 | 8.4/10 |
ストーリー | サウンド | 快適さ |
5.4/10 | 8.1/10 | 6.6/10 |
【総合評価】 編集部が話し合いによって決める参考値です。総合評価は10点満点となっており、10点=神ゲー、5点=普通、1点=致命的のように点数が高いほどより面白いゲームと言えます。 【6項目評価】 キャラ・世界観:キャラクターや舞台となる世界の完成度の参考値 グラフィック:映像や背景の美しさの参考値 戦闘:戦闘システムの面白さなどの参考値 ストーリー:ストーリーの面白さ、背景の参考値 サウンド:ボイスやSE、BGM等の参考値 快適さ:ロード時間や操作性、UIの明瞭さ・利便性の参考値 |
キ | グ | 戦 | ス | サ | 快 | |
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岡崎 | 8 | 8 | 7 | 5 | 7 | 7 |
TATSURO | 5 | 9 | 9 | 6 | 7 | 6 |
らしお | 10 | 8 | 8 | 3 | 8 | 7 |
ぺろ丸 | 9 | 10 | 10 | 8 | 10 | 6 |
ユウキ | 9 | 10 | 7 | 7 | 10 | 5 |
がっくり | 6 | 7 | 9 | 4 | 7 | 7 |
AAA | 9 | 8 | 9 | 5 | 8 | 8 |
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まずは、形式的な紹介を挟ませていただくことをご容赦願いたい。ファイアーエムブレムは、マス目上に配置されたユニット(キャラ)を動かしながら敵味方のターンを交互に繰り返し勝利を目指す、戦略シミュレーションRPGだ。
今となっては決して珍しくもないが、ユニットがチェスの駒のような記号ではなく、一人の人間として存在することが大きく評価されてきた作品である。ユニットに人格が生まれたことで、ある種育成ゲームとしての側面もある作品だ。本作『FEエンゲージ』も過去作品同様、本質的なゲーム性は同じである。
本作の具体的なゲームの流れは、筆者のレビューを読むよりも公式が上げている「はじめてのファイアーエムブレム」などの各動画を視聴していただくのが早いだろう。どのようなゲームなのかすら知らない読者がいれば、まず一見することをおすすめする。
『FEエンゲージ』は、ビジュアル的に大きく進化した作品と言って差し支えないだろう。戦闘アニメ、会話やイベント、キャラクターの個性の3つの観点から話していきたい。
▲火花を放つ大剣の一振りは爽快
今までの戦闘アニメは、味方の攻撃と敵の攻撃でそれぞれワンテンポ発生しがちだったのだが、今作はかなりスピーディーになっている。戦闘が始まってしまえば、勝負は一瞬で終わる。その動作が現実的かと言われればそうではないが、より臨場感を味わえるような工夫がされている。
攻守が入れ替わった際にしっかりと演出が変化するのも見ものだ。例えば、ペガサスナイトなどの飛行兵との戦闘アニメなどは分かりやすい。飛行兵が攻撃する側であった場合は上空から急襲する形で戦闘が始まり、逆に攻撃を受ける側であればそのような演出は入らない。細かいようだが、より戦闘感を得られるような見せ方だ。
▲エンゲージ技のカットインは一見の価値あり
後述する「紋章士」の「エンゲージ状態」での戦闘は、一兵士のちまちまとしたものではなく、まるでアクションさながらの視覚効果や色調が目立つ。特に「エンゲージ技」と呼ばれる大技に至っては、カメラワークからして派手に描かれる。毎戦闘ごとに見るのはおっくうかもしれないが、一見の価値がある。
過去作品の経験者は、ゲームが開始するや否や設定から「戦闘アニメ」をOFFに切り替えて、戦略シミュレーション体制に移ってしまうかもしれない。個々人の自由なので構わないのだが、今作においてはもったいないと言えるだろう。一度戦闘アニメをONにして鑑賞してみることをオススメする。
ゲーム内で3Dモデルを使用した作品は『蒼炎の軌跡』シリーズが初めてだが、会話やイベントなどは基本的に2Dイラストを用いて行われていた。前作『風花雪月』では3Dモデルを活用したイベントやムービーが採用されていたが、誰もが仮面をつけたように表情が動かず、お世辞にも自然体とは言えない出来であった。例えば、嬉しそうに飛び跳ねているキャラの表情がピクリとも動かなかったら、どうだろう。不自然どころかちょっと不気味である。せっかくキャラたち自体は魅力的なのにもったいない部分だった。
▲些細な表情の変化から読み取れるアイビーの心情
本作ではキャラクターの表情が見違えるほど豊かになっている。表情ひとつで何をと思われる読者もいるかもしれないが、この差は非常に大きい。特に近年の作品はフルボイス化が進み、身振り手振りで感情を表現することも多く、その状況や感情に合わせた表情の変化がしっかりと描写されるようになったのは大きな進歩だ。イベントシーンなどでは一挙手一投足を眺めているだけでも楽しめるほどである。
裏を返せば大げさな演技でもあり、言わばアニメ的表現に見えることもある(それ自体を否定するつもりはない)。しかし、キャラクターがしっかりと動くだけで、ついつい次のストーリーやイベント会話などを読みたくなってしまうのも事実だろう。
本作のキャラクターは、その設定背景や会話など内面的なものではなく、見た目や演出など外面的なもので個性を持っている。持たされていると言うのが正しいかもしれない。
憩いの場であり拠点でもある「ソラネル」では、キャラクターたちの戦闘時とは異なる装いをしている。いわゆる私服だ。今までの作品でもキャラクターの服装を変えるような要素はあったが、デフォルトのシステムとして用意されているのは初めてのことである。筆者はそれを見て、派手な戦闘アニメやボディランゲージなども含め、やはり本作はキャラクターの個性を表面的・外面的に表現することを重視しているのだなと確信した。
▲キャラクターたちが見ている世界は極めて狭い
事実、イベント会話などで伺えるキャラクターの個性は実に表面的だ。料理が好き、裁縫が好き、筋トレが好き、あの人が苦手、あの人を尊敬している……言わばキャラ付けだ。”属性”と言ってもいい。そう、彼ら彼女らが口にするのは、全て自分自身と目の前の相手、あるいは身近な事柄についてが大半なのだ。視座が低く、見えている世界が極めて狭い。
これは、前作『風花雪月』と比較してしまっているのが問題なのだろうか。同作は作中で五年以上の歳月が経過するが、それによってキャラクターの考え方や世界の見え方が変化していた。貴族が政治経済や未来図を語る一方で、平民は場当たり的であったり他愛ない話だったり、キャラクターの立場による視点の違いなどが表現されていた。内面的な個性があった。
本作のキャラクターに内面的な個性がないとは言わないが、重要視されていないことは明らかだろう。その代わり、派手に、可愛く、格好良く。外面的な個性を演出するだけの工夫は、十分になされていることは付け加えておく。
本作の戦略シミュレーション部分について触れていこう。本作の戦闘システムで最も特徴的なのは、紋章士と呼ばれる過去の英雄たちと「シンクロ」できることだ。キャラクターが魅力的な「FEえんげーじ」な本作も良いが、戦略シミュレーションとしての「FEエンゲージ」としての楽しみ方は、ぜひ見出していきたい。
▲本作の目玉である『エンゲージ』
シンクロ状態では、紋章士に応じた固有の能力が発動するだけでなく、彼らが持つ強力な神器を扱うことができるようになる。シンクロとは言わば武装の一種であり、要素としてはそれほど斬新なものではない。しかし、過去のFE作品にはありそうでなかったシステムでもある。
シンクロ状態は、派生して「エンゲージ」を発動できる。エンゲージ状態はシンクロ状態よりも更に強力なスキルが追加され、「エンゲージスキル」と呼ばれる紋章士固有の大技を繰り出せるようになる。エンゲージ状態になることでそのユニットは大きな力を発揮し、いとも簡単に戦況をひっくり返してしまうこともあるだろう。
FEシリーズでは、いわゆるエースユニットと呼ばれる存在を一人以上育てるのが、簡単かつ単純な攻略方法として挙げられる。マップによっては単身でクリアできてしまうこともあるし、そうでなくともエースが先頭に立ち敵を弱らせ、後衛の育ちきっていないユニットを強化していくこともできるからだ。
シンクロ・エンゲージ状態は、誰もが一時的に、そんなエースユニットになれるシステムとも言える。紋章士の力を借りることで、誰しもがエースになる可能性を秘めている。そして、やがては紋章士がそばにいなくとも戦えるユニットに成長してくれるだろう。
▲紋章士のスキルを継承。準備が肝要だ
シンクロ・エンゲージはユニットを大幅に強化できるシステムであり、ゲームバランスへの影響は大きい。勿論それぞれ条件が設けられており、前提としてシンクロは紋章士の指輪が必要である。そしてエンゲージ状態は発動から3ターンしか持たず、発動にも一定回数の戦闘が必要など制約が設けられている。ゆえに、ただ闇雲に駒を動かせばクリアできてしまうような内容にはなっていない。ユニットと紋章士の組み合わせやエンゲージ状態の発動タイミングなど、考えなければならない項目は少なくない。
▲敵が使用する紋章士。対策は必須
大胆なシステムではあるものの、シンクロは『覚醒』で登場した「ダブル」、エンゲージは『風花雪月』で登場した「計略」と性質的には近い。あるときは短絡的に、あるときは戦略的に。それを実現したのが本作FEエンゲージの「シンクロ・エンゲージ」システムと言えるだろう。
シンクロやエンゲージが本作のウリとするならば、「ブレイク」システムは地味ながらより根本的な要素と言える。それは、今までのFE作品の戦略シミュレーションとしての定石を覆すかもしれない、画期的な要素だ。
▲本作の武器相性。剣槍斧を特に三すくみと呼ぶ
武器相性とは、武器種によって有利不利の関係を持っているシステムの総称であり、剣→斧→槍→剣…の3種の武器による関係を特に三すくみと呼ぶ(作品によっては理光闇などの三すくみなどもある)。
武器相性の概念は初代『暗黒竜と光の剣』にはなく、『聖戦の系譜』で初登場した要素である。肝心の有利不利による戦闘への影響については作品によって異なるものの、基本的にはダメージ量と命中率にのみ影響する。良くも悪くも戦闘を優位に進めるための仕組みでしかない。
ゆえに、何が起こるか。例えば不利相性をものともせず全てを粉砕する、めちゃくちゃ強い剣ユニットが登場してしまう。エースユニット、もとい無双ユニットの誕生である。マニアックやルナティックなど高難易度モードを除けば、武器相性が上手く機能しきっていたとはなかなか言い難い。
私見ではあるが、三すくみの導入による製作者側の狙いは、単一ユニットや類似した戦法だけで強引に攻略されるのを避けるためだろう。多彩なユニットに出番を与えつつ、複数の攻略法を持ってしてクリアを目指してほしいのではないか。
かといって、じゃんけんのように完全に勝敗が決するほど極端にしてしまっては、ユーザーに”決められた”遊び方を提供せざるを得なくなる。おそらくは、武器相性のあり方について製作者たちも苦心していたのだろう。実際、前作『風花雪月』では三すくみのシステムが廃止されている(スキルなどによる擬似的な三すくみは残り続けているが)。
そして、本作FEエンゲージは、ブレイクを実装した。
▲有利相性の武器で攻撃するとブレイク。斬新
ブレイクとは、武器相性が不利な状態で攻撃を受けた場合に、1回反撃不可能になるシステムのことだ。次のターン行動不能ではなく、あくまで1回反撃不可能。一見中途半端なブレイク状態の効果からは、さぞかし調整に手間取ったであろうことが伺える。
歴代作品の共通戦法の一つに、”待ち”がある。相手の攻撃範囲に自ら移動し、反撃で複数の相手を攻撃・撃破するような行動のことだ(より具体的には俗に「地雷」と呼ばれる戦法だが、ここでは待ちと称する)。自分のターンで倒せる敵は1体だが、相手のターンは敵から攻めてくるため、反撃で返り討ちにできるのがこの戦法の強みである。そう、”反撃で”。
▲ブレイクに強い戦闘スタイルも存在
察しのいい読者は気づいているかもしれないが、本作は”待ち”による戦法がとりにくいバランスになっている。ブレイクの存在によって、武器相性が不利である場合に反撃で敵を倒せないからだ。敵が複数の武器の使い手であれば、いともたやすく味方ユニットをブレイクに追い込んでくるだろう。この存在によって、先述した「シンクロ・エンゲージ」によるバランス崩壊が起こらないように設計されていると言える。
無論、ブレイクを承知で敵を引きつける戦法は依然強力である。下手に反撃しないことを利用して後続ユニットの育成をするなど、活用法はある。そして当然ながら、ブレイクを使えるのは敵だけではない。守りが貧弱なユニットでも、ブレイクさえ決めてしまえばノーダメージで済む。そう、ブレイクは攻めるのに有効なシステムなのだ。
▲スマッシュ。また別のシステムだが、その効用は本編で
「シンクロ・エンゲージ」は、直感的にはお手軽サクサクプレイを助けるだけのシステムに見えるかもしれない。当然そういった側面もあるだろうが、一方で「ブレイク」という伏兵が配置されていることを忘れてはいけない。”硬派”なFEを求める方々は、ぜひ本システムの活用を心がけてみてはいかがだろうか。
これは筆者の持論だが、戦略シミュレーションにおいても最も大事な要素は準備と予測と判断である。本作は、準備と予測という項目の楽しみが、ゲームシステムによって押さえつけられているのではなかろうか。
▲例外を除きいつでもターンを戻せる
近年のFE作品に連続して登場している、やり直し(巻き戻し)。ユニットの行動や経過ターンを過去に戻し、前のターンから行動をやり直せるシステムのことだ。前前作『Echoes』ではミラの歯車、前作『風花雪月』では天刻の拍動という名称でそれぞれ登場している。
昔のFEは〜とぼやくこともできる筆者だが、たった一手の判断ミスはおろか操作ミスで敗北し、例えば30分のプレイが水の泡になったとしたら、それはそれでバカバカしいと感じる心もある。悲しいかな筆者も時間の限られた現代人であるゆえ、些細なミスを帳消しにできるのであれば、こんなに喜ばしいことはない。
本作FEエンゲージでは、竜の時水晶という名前でやり直しシステムが続投されている。過去作との大きな変更点は、使用回数が無制限であるということだ。小さな失敗から大失態まで、何度でもやり直せる。これは便利だ。
しかし、物事には限度もある。
ところで近年のFEには、難易度の他にモードが用意されている。カジュアルとクラシックの2種類が基本であり、キャラロストの有無の違い程度の認識で構わない。
さて、過去作『if』にはもう1つ別のモードが用意されていた。その名もフェニックスモードである。このモードは、すごい。倒れたユニットが次のターン、何事もなかったかのように自動で復活する。何度でも。さしたるデメリットもなく。まさに不死鳥のごとく。製作者側が導入したいと思って導入したものではなく、どうしてもゲームをクリアできない一部のユーザーのための要素であることは、念のため記しておく。
他人の楽しみ方にケチをつけるつもりは断じてない。しかし、フェニックスモードを楽しんでいるユーザーが戦略シミュレーションを楽しんでいるかは、疑問と言わざるをえない。FEを楽しんでいるかはともかくとしても。
話が脱線したが、物事には限度というものがある。巻き戻しシステムは便利であり救済要素であることに違いはない。しかし回数制限を撤廃してしまっては、誰もが不死鳥になりえてしまう。嫌なら使わければいいという論もあるだろうが、筆者は巻き戻しシステムそのものは肯定派である。念のため。用量用法の問題である。
回数制限のあった過去作では例えば、「別のユニットで倒させたほうが育成もできてよかったな、でも巻き戻し回数あと2回しかないし、今使っても大丈夫かな」といった判断を求められる。ユニットの育成というリターンと、後で回数が不足するかもしれないというリスク。たとえ救済措置であろうとも、軟派であろうとも、そこに選択の余地があるか否かの差は大きい。
なお、難易度ノーマルでは無制限だが、最高難易度であるルナティックの場合は使用回数が10回で制限されている。その点は硬派なシミュレーションを求めるプレイヤーも安心してほしい。
▲誰が狙われているか一目瞭然。だが……
ありがたいことに本シリーズは作品を重ねるにつれ、プレイヤーの予測と準備を助けるためのシステムが続々追加されている。代表的なのは、具体的には敵の最大攻撃可能範囲(どこまで移動してくるか)、ターゲット表示(敵が誰を狙っているかがマーカーで表示される)が可視化されたことだ。
そして前作『風花雪月』では、敵が味方ユニットに対してどの程度のダメージを与えるかの簡易計算式が新たに表示されていた。これによりプレイヤーは予測を立てやすくなり、やられないような準備と判断を行いやすくなる。非常に有用性の高いシステムであったのだが、驚くべきことに本作では撤廃されている。
無論、過去作品をさかのぼってみれば、敵の行動範囲もターゲット表示も敵からのダメージ予測もなかった。そんな過去作品が戦略シミュレーションとして欠陥だったのかと言われれば、それは違う。過去作にあったシステム、特に戦略シミュレーションのとしてのゲーム性を形作るに必要なシステムを何故排除してしまったのかという、贅沢な嘆きであることは自覚もしている。それでも、思わずにはいられない。
もしかすると竜の時水晶が無制限に使えてしまうのは、ターンを進めて未来を見た後に、ターンを戻して行動予測をしてくれというメッセージなのではないかとすら思えてしまう。
ともかく、過去作に導入されていた”予測”を助けるためのシステムが削除されたことによる落胆は大きい。先述したシンクロとブレイクの大胆な舵切りが見事なだけに、戦略シミュレーションとして遊ぶプレイヤーに対する姿勢には、肩を落とさざるを得ない。
(執筆:岡崎)
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TATSURO | |||||
---|---|---|---|---|---|
キャラ | グラ | 戦闘 | 物語 | BGM | 快適さ |
5 | 9 | 9 | 6 | 7 | 6 |
好きなシリーズ作品:封印の剣、烈火の剣、Echoes
推しキャラ:リリーナ、ヘクトル。今作はシトリニカ、エーティエ FEの大きな楽しみのひとつはキャラ同士の支援会話だが、今作ではお互いの属性に関する話題や当たり障りのない内容が多く、世界観の掘り下げにつながるようなものはあまりない。笑わされたり考えさせられたりといった体験が少なくやや退屈さを感じた。まさに今回登場している、過去の遺産とも言えるキャラ(紋章士)たちは誕生日や好きなもの、趣味といったプロフィールなどなくても愛され続けているのだから、キャラの表面的・属性的な部分以外にも力を入れてほしいものである。ただ、紋章士たちのセリフは解釈のズレが生まれることはほぼなく、特に序盤のシグルドのとあるセリフやリン、アイクとの絆会話はそのキャラらしさを強く感じられたので、過去作の主人公が好きな方にはオススメだ。 ストーリーはまずまず。前作「風花雪月」の何周も遊ぶ前提のスタイルが個人的に合わなかったので一本道への原点回帰は嬉しいが、肝心の物語やキャラ設定の浅さ、演出の稚拙さは否めない。存在しているだけで周囲から壮絶に褒めちぎられる、いわゆる「なろう系」のような序盤の展開からはこの先に不安を覚えた。中盤からはその軽薄なテンションもさほど目立たなくなってくるのが救いか。往年の戦記ものらしい雰囲気はないが、少年漫画的な展開で若年層のファン獲得を狙っていることが窺える。 一方で戦闘周りは好感触で、紋章士とのエンゲージシステムが面白い。懐かしのキャラたちを使っている気分になれるし、武器やスキルだけでなく新たに指輪というカスタマイズ要素が加わり、ビルド考察の幅が広がった。とはいえ複雑に捉える必要はなく、とりあえずエンゲージすれば強くなると覚えればいい。エンゲージした紋章士によってキャラのデザインが変化する点も凝っている。ただ、絆会話を見ないと絆レベルの進行が止まってしまう仕様は快適さを妨げていたと思う。キャラ同士の支援も同様なので仕方ないといえば仕方ないが。また、キャラ画面と部隊表とでステータスの並びが異なっていたり、マップ上でのキャラが判別しにくかったりなどUI面の課題を随所に感じた。 キャラの成長がやや渋い点はかつてのFEらしいし、他にも3すくみの再実装や絆の指輪など過去作プレイヤーが懐かしさを覚える要素がちらほら。気になる方はぜひプレイして確かめてほしい。 「聖戦の系譜」のリメイクが期待されている中、新規層にとってより遊びやすくしつつシリーズファンへのサービスも取り入れた「エンゲージ」。テキストや細かい部分にさえ目をつぶれば十分良作と言えるだろう。 |
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らしお | |||||
キャラ | グラ | 戦闘 | 物語 | BGM | 快適さ |
10 | 8 | 8 | 3 | 8 | 7 |
好きなシリーズ作品:封印の剣 推しキャラ:ノア殿、ラピス SFCの紋章の謎に出会ってから、20年以上かけて全てのFEをプレイいたしました。私がFEで重視していることは、キャラの魅力と、そのキャラの成長を楽しむことです。結論として本作はとても楽しいと感じました。 本作が発表された当初は、主人公のツートンカラーを見て色々と不安しかありませんでした。他にも、過去作キャラが登場するのはファンとして嬉しい反面、新キャラが薄まるのではないかという不安もありました。しかし、実際に蓋を開けてみるとキャラデザの魅力に引き込まれていました。今では全てのキャラが好きと言えるほどです。 システム面では、FEの伝統的な要素が至る所に散りばめられながらも、新要素が盛り込まれており、特に過去作が大好きな自分でも久々にハマっていました。シナリオはあまり響きませんでしたが、もともと重視していないので「まあこんなものだよね」で、総合的に楽しめました。 |
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ぺろ丸 | |||||
キャラ | グラ | 戦闘 | 物語 | BGM | 快適さ |
9 | 10 | 10 | 8 | 10 | 6 |
好きなシリーズ作品:烈火の剣、暁の女神、風花雪月 推しキャラ:リン、プリシラ、セリーヌ、ディアマンド 自分はFEの新作をプレイするときあまり欠点が目につかないタイプなので甘口評価で。まず、風花雪月の次回作という大きなハードルを目の前にした新作でしたが、しっかりと乗り越えてきたなと印象です。 特に戦闘システムは過去イチと言っても差し支えない。エンゲージというターン制限付きのシステムが加わったおかげで数手先の展開を見据えることが今まで以上に要求され、時間をかけてプレイしたい自分のスタイルにドハマりでした。ただ、UIの不便さを感じるところがたまにあるのでアップデートを期待したいですね。 そういえば、各国の寄せ集めみたいなチームが徐々に大きくなっていくというシナリオ展開は意外にも久しぶりなもので、古くからのファンを「こういうのを待ってた」という感覚にさせてくれます。兵種変更の自由度があまり高くないのも相まって各キャラの役割がしっかりと差別化されており、何度でも周回プレイしたいと思えます。シリーズファンでもそうでない方でも、手放しにおすすめできる作品になっていると言えるのではないでしょうか。 |
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ユウキ | |||||
キャラ | グラ | 戦闘 | 物語 | BGM | 快適さ |
9 | 10 | 7 | 7 | 10 | 5 |
好きなシリーズ作品:if、Echoes 推しキャラ:カムイ、タクミ、セリカ。今作→カゲツ、セアダス 新・紋章の謎からFEシリーズを始めた新参者のため、紋章士・絆の指輪で過去作のキャラクターたちを設定等も含めて見ることができる点は、過去作品をプレイしたい気持ちが強くなりました。しかし過去のキャラがいるからといって新キャラたちは存在が薄くならず、新しいキャラとして確立しているなという印象でした。 エンゲージシステムは強力な反面ターン制限があるので、どこで切り札を使うかという戦略性は楽しかったですが、エンゲージを忘れることが多々あった自分がいたのでやらかした気分が凄まじいです。操作方法は難しくはないですが、いまいちやりにくいという印象も覚えたたため、評価としては少し低めです。 ストーリーは前回の風花雪月の凄さのせいでどうしても比較になってしまいますが、戦闘で話しかけたり戦闘中に合流したりあったのがFEらしいなぁと感じました。キャラの戦い方の方向がはっきりしているので、戦略シュミレーション系が初めての人でも、戦い方がわかりやすく気軽に遊びやすい作品だと思いました。 |
がっくり | |||||
---|---|---|---|---|---|
キャラ | グラ | 戦闘 | 物語 | BGM | 快適さ |
6 | 7 | 9 | 4 | 7 | 7 |
推しキャラ:なし
軟派なデザインから予想だにしないほど歯ごたえのある戦闘が楽しめるゲーム。それが本作の最たる特徴だと思います。だからこそ、ストーリー・キャラクターの薄さとキャラデザには落胆してしまいました。もちろん、あえて見た目をゆるく見せて、というギャップを狙った作品はありますし(cupheadやDDLCなど)、ゲームに限らずアニメでもそうした手法は取られます(ひぐらし、まどマギ、がっこうぐらしなど)。しかし本作はそうした意図をもって作られた作品ではないと思います。だからこそ、この点には肩を落とすしかありませんでした。 ギャップを狙う場合、基本的に戦争というか人が死んでいく世界観なので、例えば主人公の性格をイカれた感じにしたり、ある種の気持ち悪さを持たせないと軽薄さは免れません。ストーリーの展開も、「そうはならんやろ」とつい突っ込んでしまうような敵側陣営の頭の悪さというか、主人公たちの考えのなさであったり(序盤に敵に占拠された城に正面から突っ込むという愚行)と突っ込みどころが多すぎて間に合いません。 しかし安心してください。冒頭にも述べたように、戦闘はそうした軽薄さを裏切るような難易度で楽しめます。エンゲージというシステムは、一見これ大丈夫か?と思わせるほどの強さをプレイヤーに与えてくれますが、それも制限つき。敵の物量もノーマルですら多いので、考えなしに使ってしまうとそれほど強力な力を持っているのにも関わらずやられてしまうこともあるでしょう。筆者はタクティクス系のゲームはそれほどプレイしているわけではありませんが、立ち止まって考える必要があるのでゲーム部分は楽しめるだろうと思います。 ただしゲーム性という点でいうと、散策機能は本当に必要だったのかという吟味はしてほしかったですね。前作・風花雪月では学校内という中で、例えばスカウトや教師として振る舞ったりなど、意味あるシステムとして機能していましたが、本作では基本的にものを拾う程度。拠点ソラネルでの筋肉体操やドラゴンシューターなどのミニゲームもプレイ時間をかさ増しさせたいのか?と思える程度の出来栄えでしかありません。そもそも物を拾うという散策要素は面白くないんです。しかも自由に散策できるわけではなく、ランダム?で発生する遭遇戦の後にしかソラネル以外の散策はできません。ゲームシステム自体はなかなかいいものだと思うだけに、いかんせん他の要素が足を引っ張る結果となってしまったのが悔やまれます。 |
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AAA | |||||
キャラ | グラ | 戦闘 | 物語 | BGM | 快適さ |
9 | 8 | 9 | 5 | 8 | 8 |
推しキャラ:ソラ、オルテンシア
シミュレーションゲームの最高峰といっていいと思います。難易度ハードでモードをクラシックでやると、ゲーム好きの人であれば、歯ごたえ抜群の楽しいゲームだったな!とクリア後に思える内容です。使えるキャラも多く、自分の好きなキャラを見つけ、FEならではのレベルの上げ方を駆使し、強くするのも非常に楽しめました。 また、エンゲージシステムが強力で使うと爽快感があるのですが、バランスを崩さないように配慮しているのが見受けられて素晴らしいです。 戦闘システムを見て自分好みだと思ったら絶対に買いましょう。 ただ、戦闘システム以外は微妙です。 ミニゲームやアイテム収集は、作業のように単調で、何度もやるのが大分きつくなります。 シナリオは王道をしたいためか、単調でありきたりなので批判される気がします。支援会話も上辺のみの会話だったり、話のキャッチボールが少なすぎるものがあり、無理やり作ったのかな?と思うものもあり、ちょっとガッカリです。 ゲーム部分とキャラの可愛さカッコよさに集中して遊べば100点満点のゲームではあるので、やってみて欲しいです。 |
タイトル | 『ファイアーエムブレム エンゲージ』 |
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販売価格 | パッケージ版:7,678円(税込) ダウンロード版:7,600円(税込) エオスコレクション:10,978円(税込) |
販売 | 任天堂株式会社 |
制作 | 株式会社インテリジェントシステムズ |
ジャンル | 戦略シミュレーションRPG |
プレイ人数 | 1人(対戦・協力など:2人) |
通信機能 | ローカル通信・インターネット通信対応 |
対応機種 | Nintendo Switch |
対応言語 | 日本語・北米英語・北米スぺイン語・欧州英語・欧州スペイン語・欧州フランス語・欧州イタリア語・欧州ドイツ語・中国語(繁体字)・中国語(簡体字)・韓国語 |
公式サイト | ファイアーエムブレム エンゲージ |
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評価レビュー | おすすめキャラ編成 | キャラ人気投票 |
最強キャラ | 最強紋章士 | 最強兵種 |
取返しつかない要素 | 分岐はある? | 結婚はある? |
絆の指輪おすすめ | DLCは買うべき? | 成長率一覧 |
レベル上げ | SPの稼ぎ方 | 絆レベル上げ |
金策方法 | 絆のかけら稼ぎ方 | 遭遇戦と訓練 |
紋晶石の集め方 | 特効の書の集め方 | 晶石の集め方 |
新要素まとめ | ブレイクの効果 | スマッシュの効果 |
シンクロ状態 | エンゲージ状態 | 戦闘スタイル |
スキル継承 | 絆の指輪 | エンゲージ武器強化 |
素質を継承する方法 | チェインガード | チェインアタック |
オンラインやり方 | おすすめ設定 | 誕生日 |
散策のメリット | お目覚め会話 | 金と銀ノ異形兵 |
ソラネルまとめ | 紋章士の間 | 鍛錬の間 |
店(ショップ) | 武器屋 | 道具屋 |
錬成屋 | 国への投資 | 試練の離れ |
料理のメリット | 筋肉体操のコツ | ドラゴンシューター |
釣りのコツ | 占いの効果 | 弁当の入手方法 |
指輪磨き | 蚤の市 | 繋戦の試練 |
繋戦開始チケット | 異界の試練 | 連戦の試練 |
初心者必見記事 | FEの戦闘システム | キャラ育成要素 |
武器相性の3すくみ | クラスチェンジ | ステータスの意味 |
追撃の条件 | 地形効果とは? | 宝箱と扉の開け方 |
索敵マップの特徴 | 難易度とモード | 紋章士たちの紹介 |
巻き戻し機能 | 外伝の発生条件 | 毒の治し方 |
体格とは | リフレッシュ | - |
予約特典一覧 | DLCは買うべき? | FEHプレイ特典 |
結婚はある? | キャラメイク有無 | 名前変更 |
クリア時間の目安 | アミーボ一覧 | 声優一覧 |
発売日 | アップデート | - |
FEエンゲージ攻略@Game8
【クリア済タイトル】
暗黒竜と光の剣、外伝、紋章の謎、聖戦の系譜、トラキア776、封印の剣、烈火の剣、聖魔の光石、蒼炎の軌跡、暁の女神、新・暗黒竜と光の剣、新・紋章の謎、覚醒、if、Echoes、風花雪月、#FE
評価・レビュー|プレイした感想【ファイアーエムブレムエンゲージ】
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前回のファイアーエンブレムが面白かったけど今回なんか残念な感じだね。前回みたくバトル見やすくして欲しい。なんか色が眩しいのよね。あと引き継ぎやり込みが出来ないのはね…やっぱ三つ巴みたいに選択によってストーリーが変わる前回の神要素は越えられないか… 買おうか様子見てたけ前作やり込んだほうが楽しめそうだね