【ユミアのアトリエ】評価レビューと感想

評価レビュー

ChatGPTに、本作『ユミアのアトリエ~追憶の錬金術士と幻創の地~(以下、ユミアのアトリエ)』の製品紹介を400文字以内でお願いしてみた。情報源とともにいい感じの販促文章が出力された。ありがとう。

でも、本題はそんなことではない。ChatGPTは製品紹介や世間の評価を書いてくれるかもしれないが、僕が感じたことを書いてはくれない。だから、レビューを書こうと思う。

2つ、先に謝っておきたいことがある。

まずこのレビュー、いや感想は、未プレイの人向けに書かれていない。もう1つは、『ユミアのアトリエ』の話をあまりしていない……かもしれないことだ。

ユミアのアトリエのレビューと感想

大きな変化があった本作

ユミア

本作が初のアトリエシリーズである人へ問いたい。「アトリエってどんなゲームだと思ってる?」

RPGでしょ?オープンワールド?錬金が面白いんでしょ?百合ゲーじゃない?センシティブなやつ?

どれも、まあ、100%間違いとは言い切れない。ある意味では、その偏見は全て正しいとも言える。ともかく、答えは様々なはずだ。

どんなゲーム?という問いに対して、アトリエシリーズ全作品における分かりやすい答え、共通項はほとんどない。調合システムがあること、くらいしか残っていないかもしれない。歴史をさかのぼれば、男主人公だっていたのだ。

 
ユミア

本作『ユミアのアトリエ』は、広めに見積もって2019年よりも前のアトリエシリーズから大きな変化を遂げた作品だ。細かい変化は数え切れないほどある。技術と時代の変化と共にアトリエも変化してきた。

もちろん、これらの変化はある瞬間を境に急激に変わったわけではない。スマホの登場でガラケーが瞬時に消滅したわけではないように、少しずつ移り変わってきた。ただ、現実世界もそうだが、ある出来事を境に状況が一変することはある。

近年では、秘密シリーズ『ライザのアトリエ』が激震だったと言えると思う。ライザのビジュアルがまさに激震で、いや、それもあるがそこではなくて、従来のターン制コマンドバトルが、リアルタイムコマンドバトルに変更されたことが大きな変革だった。
 

ユミアのアトリエ

白状すると、僕はアトリエシリーズのにわかだ。詳しくもなんともない。その昔『メルルのアトリエ』を遊んだきりで、10年以上アトリエシリーズに触れてこなかった。

でも、だからこそ、『ライザのアトリエ』のリアルタイムバトルには全く抵抗がなかったし、むしろそれが好きで、結局3部作全てを遊んだ。逆に、旧来のコマンドバトルを採用していたルルアやソフィーは、正直、ちょっと違うなと感じてしまったくらいだ。

そんな僕でも感じる、今作『ユミアのアトリエ』ならではの大きな変化が1つある。

アトリエのオープンワールド化だ。

アトリエの面白さってなんだろう?

ユミアのアトリエ

にわかを自覚しておきながら大変生意気なことを言うのだけれども、アトリエシリーズ面白さを語るにあたって「探索」「冒険」「謎解き」みたいな要素って、どれほど重要なのだろう?それを自分なりに考えてみると「別に重要じゃないな」という結論になってしまった。

この話をするには「アトリエシリーズの面白さの根本は何か」を自分なりにある程度固めなくちゃならない。

僕の思考は割愛させてもらうとして、とりあえずの結論として「目的のアイテムを作るための試行錯誤と収集」が肝だなと思った。「主人公ちゃんがしっかりかわいい」というのも国家憲法に比肩するアトリエの根幹ではあるのだが、この点は厳粛を通り越して過激なくらい今日まで遵守され続けているので脇にどけておく。
 

調合

アトリエシリーズの、最早数少ない共通項は「調合」システムだ。調合は奥深い。複数のアイテムを掛け合わせて別のアイテムを作る、という大枠はずっと変わらないのに、毎作品ルールが変わる。

なによりシステムが複雑だ。今作のこれはなんだ。意味が分からん。前のシステムのほうが良かった。だから最初は適当に済ませる。知らんし。ややあって、なんとなく仕組みが理解できてくる。なるほどね。この素材が結構便利そうだな。この採取ポイントいいな。よりよい、効率的な、最適な、最強なアイテムの作り方が分かってくる。面白い。おまかせ投入?使うわけないだろそんなの。自分がシステムを理解して、作りたいものが作れるようになった瞬間が、いや、その過程こそ面白いんだから。

念のため言っておくと、あくまで一個人の意見だ。調合を楽しめなければアトリエを楽しめないなんて、微塵も思わない。ストーリーやキャラ、戦闘やトロフィー集めに面白さを見出すのだって、アトリエの楽しみ方の1つだ。

これは遠慮でもなんでもなく、本心だ。同時に、僕にとってのアトリエの面白さが「目的のアイテムを作るための試行錯誤と収集」であることも、おおむね本心だ。

この視点から見たとき、本作『ユミアのアトリエ』には大きな不満がある

アトリエのオープンワールド化だ。

オープンワールドでパズルゲーム

パズルゲーム
オープンワールドの定義は泥沼化するので言及は避けるが、まあ雑に、シームレスでバカでかいエリアを探索できるもの、としておこう。”風”をつけてもいい。

ここでもう1つ白状しておくと、僕はオープンワールドがあまり好きではない。なぜかって?広大な世界を巡った挙げ句にやることが、大抵、へんちくりんなミニゲームばかりだからだ(だからこそ、そうでない作品は素晴らしいと思う)。

僕は別に、マインスイーパやババ抜きをディズニーランドや京都で遊びたいわけではない。その土地その場所でしかできない体験をしたくて遠出しているのに、あろうことかゲームの世界では、どこでもできそうなパズルゲームや射的ばかりやらされる。そんなことのために30秒もかけて、何もない草原を駆け岩場をよじ登ってるわけじゃない。

『ユミアのアトリエ』は、オープンワールドの、そういう”空虚な世界の穴埋め的に作られた暇潰し”を見事に継承してしまった。「祈念の社」「小さな祠」「ジップライン修復」「宝箱」、豊富なミニゲームに囲まれている。イイネ、しばらくは退屈しなさそうだ。
 
オープンワールド
これが、アイテム作りのための素材集めで世界を駆けずり回るだけなら、良かった。そこに時間を使うことは目的達成に必要な過程だと割り切っているので、僕は面倒だと思いつつも、なんだかんだ楽しめてしまうクチだ。

まあ、もちろん「30秒かけてダッシュして花摘みに行くだけのなにが面白いの」と僕の論調を援用して反論することもできる。だし、それはその通りだと思う。ぐうの音も出ない。ぐぬぬ。

僕が一番納得いかないのは、オープンワールドでありながら、アイテム素材の追跡を可能にしたことだ。過去作でもおおよその素材入手場所は図鑑などから確認できたが、本作は図鑑から採取地を指定すると具体的な場所が提示される(既に入手している素材であれば)。便利なシステムじゃないか。僕も、大体同意だ。

でもこれだと、探索してほしいのかラクしてほしいのかが分からない。だって、そんなシステム導入されたら世界じゃなくて地図を見るだけのゲームになる。それでいいのか?じゃあなんのために世界を作ったんだ?

あの素材どこだっけ?にストレスを感じる人をフォローしたいならそもそもオープンワールドという設計に疑問が出るし、いいやオープンワールドやるね!が先行してるなら苦労や不便さに達成感や面白さを得られるようにしてほしい。どっちかに振り切ってほしいのだ。

探索のアトリエ

探索

オープンワールド化に伴って、本作は「探索」に焦点が当てられている。各地に散りばめられた施設や入り組んだ地形を見れば、それは明らかだ。

前シリーズ『ライザのアトリエ』では「冒険」という言葉がキーワードにあった。思えば、その頃から「探索」要素を重視したゲーム設計がされていたのかもしれない。

特に『ライザのアトリエ3』では、なんのために存在しているのか分からないエリアが多数あった(ゲーム攻略的に)。これはライザ1,2で登場した全マップを実装しライザ3で総決算するというエモポイントが肝要だったわけだが、ともかく、広い世界を冒険探索してほしいという思いは当時からあったのだろう。
 

オープンワールド
そういった思いがもしあったなら、それを本作『ユミアのアトリエ』で実現したのなら、本作のオープンワールドはある意味、「探索のアトリエ」として富士山の七合目くらいまでは到達していると言えるのかもしれない。僕の好みは一旦おいといて、素直にすごいなと思う。いや、断じて皮肉ではなく。本当に。何事も貫くことは大変よ。

でもやっぱり、僕の一個人の好みを乗せるなら、こうはなってほしくなかったという感想も本当だ

ひたすらアイテムを拾って、いい特性がついた素材を厳選して。お世辞にも自由度が高いフィールドではなかったけど、それが楽しかった。探索ではなく、収集と鑑定が楽しかった。これは10年以上前にプレイした『メルルのアトリエ』の記憶から、最近の『ソフィーのアトリエ2』まで、今でも変わらない。だから、『ユミアのアトリエ』は”違う”。

ただ、ここまで書いてきて、少し思い出すことがあった。

好き嫌いを決めるのは誰か

ユミア

話がそれる。完全に。昔話だ。

僕が十代の頃、『ファイナルファンタジーⅫ』が発売した。それは僕にとって初めてのFFシリーズの、正統ナンバリング作品の最新作だった。熱中した。PS2の唸り声をよく聞いていた。間違いなく最高のゲームだと、まあちょっと盛ってる気もするが、ともかく面白すぎるゲームだった。

それから数年が経って、FFⅫが発売当時賛否両論であることを知った。ストーリー(世界観)や戦闘システムが、従来から大きく変わっていたからだ。

「こんなのFFじゃない」「FFでなければ良作だったかもしれない」。非難のほうが多かったように思う。少なくとも、批判的な意見がフォーカスされていた。更に時代を経て再評価されているようなので、その点は幸いなことではある。
 

ユミアのアトリエ
ただ当時は、その批判の意味がよく分からなかった。「(従来の)FFらしくない」ことの何が問題なのか。

事実、僕は『ファイナルファンタジーⅫ』を神ゲーだと思って楽しんだし、好きな作品だったし、思い出補正もあって後年になってFF12TZAも買って当時以上にやり込んだ。ともかくとして、世間が言う良し悪しは、僕の好き嫌いに全く響かなかったのだ。

話を戻そう。僕は今、『ユミアのアトリエ』に対してこう思っている。「(自分が好きな)アトリエらしくない」と。

当時疑問に思っていた『ファイナルファンタジーⅫ』に対する批判とほとんど同じことを、おじさんになった僕は言っているのだ。

良し悪しと好き嫌いの狭間で

ユミアのアトリエ

僕はおじさんになった今でもお猿さんの自覚があるので、あるからこそ言うのだが、「アトリエのゲームシステムが面白いんだよね」と、ついつい強がってしまう。それは事実ではあるのだけど、ふと自問自答した。

「今作が『ヴィクトルのアトリエ』だったとして、果たして買っただろうか?」

買わないな。うん。ほぼ断言できる。僕はアトリエの面白さの根幹が「主人公ちゃんがしっかりかわいい」ことだと思っているので。
 

ユミアのアトリエ

好き嫌いを語るにしても、ゼロイチの話ではない。特性システムの大幅変更は残念に思うし、探索メインのゲーム設計になったのはイヤだし、鎌も虫網も廃止して採取を簡便化したのに釣りだけ残してるのはまさしくブチギレ案件だ。

でもストーリーは面白いし、戦闘システムは好きだし、ユミアはもっと好きだ。BGMも相変わらずいい。言うまでもなく、一新された調合システムも楽しい。

総合して良し悪しを判じることはできるけど、そこにあまり意味はないと思う。これは好き、これは嫌い、これは良い、これは悪い。歯切れが悪いと言われればそれまでかもしれないが、そういう言い方こそ誠実だと考えている。

ただ、周知の事実だと思うが、僕たちゲーマーはどこか「面白い」ことを前提としすぎていて、その常識を語らない。面白いこと、好きなことをあまり口にしない。ついゲーマーと一括りにしてしまったが、少なくとも自分はそんな常識を持ってしまっている。なので、色々省略してしまうが、手のひらを返そうと思う。
 

『ユミアのアトリエ ~追憶の錬金術士と幻創の地~』
やっぱアトリエって面白いな。

最後の最後で、凡庸な結論になってしまったことは謝罪したい。

ただこれは嘘偽りのない感想でもあるし、過去作のファンもアレコレ不満を言いつつ、いや最早それも込みで、なんだかんだ楽しんでいるだろうことを確信してもいる。

ユミアのアトリエの評価

総合評価

総合評価
83点/100
世界観 グラフィック 戦闘(ボス戦)
16/20 15/20 19/20
サウンド 快適さ
17/20 16/20

ユミアのアトリエの評価は、100点満点中の83点です。

【総合評価】
編集部が話し合いによって決める参考値です。総合評価は10点満点となっており、10点=神ゲー、5点=普通、1点=致命的のように点数が高いほどより面白いゲームと言えます。
【5項目評価】
世界観:ゲーム世界の出来栄えの参考値
グラフィック:映像や背景の綺麗さの参考値
戦闘:戦闘システムの面白さなどの参考値
サウンド:ボイスやSE、BGM等の参考値
快適さ:ロード時間や操作性、運営の更新性の参考値

皆の評価:面白い?つまらない?

とても面白い!
295
面白い!
27
普通
19
いまいち……
86
つまらない
38

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コメント

88 名無しさん

マイクラはいくらでもコンテナ作って収納できるがユミアはインベントリ固定だし、家具パーツ1枠ごとじゃなく個数分だけインベントリ削るとかいう……しかも一度作ると処分法がないとかマジキチ。マイクラと比べるのもおこがましいカス仕様

87 名無しさん

グラとかfpsの問題じゃない? あとアトリエシリーズって毎回文字小さいからswitchの携帯モードだとやりにくいんだよな ライザ2まではswitchでやってたけど、ソフィー2からはSteamで遊ぶようになったし

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